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第一章
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「お父さま~♪お母さま~♪」
花冠を作り母に向かって駆け寄る小さな私…。
はぁ。また子供の頃の夢を見てしまったみたいね…と頭を抱え目を擦り吹っ切ったように伸びをする
「ナーシャ様おはようございます」
私が子供の頃から一緒で唯一の理解者で専属メイドのメイシーがいつものように起こしに来てくれてわたしは少し安心する。
私はもう一度伸びをして起き上がり、いつもの着古したドレスに着替えメイシーに髪を梳かしてもらう。
小さい頃は東南のジェノシーという自然も多く暖かいとても綺麗なところで暮らしていた。
大きな領地ではないけれどお父様もお母様もジェノシーのみんなも優しくて温かい人たちばかりだった。
私はずっとここで楽しく過ごして大きくなって父にうるうる涙ぐまれながら結婚式をあげるのが夢♪なんて想像をしていたくらいにみんなに愛されて幸せな日々を過ごしていた。
そう。お父さまが領地争いに出征することになり帰らぬ人になるまでは…
ジェノシーの上にある東のカトセルーラという大きな領地を持つカルノス・シャンドラ様は大昔に魔法界と、この世界に亀裂が入り魔法が使える者は数少ない中で
治癒魔法を使える力を持っていた。
そのシャンドラさまも領地争いの簡易病院でけが人を治療していたが北国の者達が隙を見てそこまで辿り着いたようで、シャンドラさまもお父様も弱い訳では無いけれどみんなを庇いながらも一緒に戦った末にお父様は北国の者に殺されてしまったらしい。
北国の者が逃げた頃には手に負えない程の出血でシャンドラ様も負傷していたために助けることが出来ず悔やんでいたと報告しに来た。
7歳頃の記憶だけれど今でもその頃のシャンドラは父の死をとても悔やんで悲しそうに報告しにきた事を覚えている。
父の49日ではジェノシーの領主だったお父様が亡くなり病んでしまったお母さまをみてお母様の弟に任せることになり
その件もシャンドラが動いてくれたそうだ。
それからもシャンドラはお父さまが亡くなり病んでしまったお母さまと私の様子をみに来てくれた。
欠かさずお母さまや私に会いに来てくれるシャンドラ様に病んでいたお母さまも心を開きはじめ
あんなに病んでしまったお母様もお父さまを思う気持ちとは別にまた楽しく過ごす日々が始まった。
そんな日々を過ごすことでシャンドラとお母さまの再婚はすぐに決まった。
「ナーシャ、君のお父さまは今はもうここにはいない。だけど天国から君のことを見守ってくれているだろう。天国のお父さまは君のお父さまに変わりない。だけどここでは僕を君のお父さまと認めてくれるかい。もちろん、君さえよければだけど…」
いつも堂々としたシャンドラが少し照れながらお父さまと呼んで欲しいと私に問う。そんな母と私の気持ちを大切にしてくれるシャンドラ様が私はとても大好きで…
「ふふ。もちろんよ。お義父さま」
と即答で返事したことをよく覚えている。
私にとって最大の汚点!!
コンコンッ
「ハッ ナーシャ様…」
朝から部屋に奴が来るなんて珍しく
メイシーが青ざめて小声で私を呼ぶ。
「メイシー、私は大丈夫よ。だから落ち着いて」
と言いながらもフウっと息を吐き気持ちを落ち着かせる。
「はい。お義父さま」
ドアを開けるなり鋭い目つきで睨みながら私たちを見下すこの目にはもう慣れた。
妹が生まれてから急に私に対して今のような冷たい目つきになりシャンドラからの虐待が始まった。
あの時ことは今でもよく覚えている。
妹が生まれ、嬉しくてお母さまのレティシャに駆け寄って「とっても可愛い赤ちゃん♪」と話しかけた
らレティシャがびっくりして泣いてしまって
お母さまにレティシャをびっくりさせてしまった事を謝ろうとしたら優しい顔でおいでとシャンドラから腕を強く掴まれて追い出されて部屋まで連れて行かれ、そのまま投げるかのように押されて机にぶつかって花瓶の破片が腕に刺さりうずくまったがお義父様はいつものように大丈夫かいと抱きしめてくれることもなく
冷たい目付きで私を睨んで部屋を出ていった
私にはまだ何が起こったのか分からず
レティシャを泣かせてしまってお母さまのことも困らせて…
あの優しかったお義父さままでこんなに怒らせてしまったなんて。と自分を責めていた。
その後は痛くて泣きながら寝てしまい起きると腕の怪我は治っていたのでよく覚えていない。
それからはレティシャが私に向かって笑顔で走ってきて転けてしまった泣いたり、レティシャが私の名前をシャンドラより先に言ったり、ご飯を食べる時にフォークが落ちてしまったなど細かい失敗で夜になると罵倒され、暴力を振るわれ
1人になると自分が悪かった…私にダメなところが多すぎるからだ。とか色々考えてしまう日々を過ごしていた。
何かにつけてバツを与えられてはシャンドラの気分で次の日やその次の日に治癒魔法で回復。初めは何が悪いのか分からずにずっと怖くて怯えていた。
7年も経てばできるだけ部屋に籠りできるだけ罰を与えられないよう過ごせるようになった。
お母さまは初めはすごく心配して部屋の前で沢山話しかけてくれていたけど必ずそこにはシャンドラも一緒で扉を開けることが出来ずに体調を崩したなどと適当な言い訳を付けて部屋に篭もるしかなかった。
たまにシャンドラが居ないと思い訴えようとするとシャンドラが割って君は僕のことが嫌いなのは分かっている。でも僕を君のお義父さんとして認めて欲しいんだなどと胡散臭い演技をされそのあとは酷い目に合うため何も言えなくなった。
そのため、話せる相手はメイシーだけで
ただメイシーもシャンドラに雇われているただのメイドだからこそ反対や言い返すことなど出来ない。ただただ私のために我慢して寄り添ってくれている私にとって第2の母のような存在。
お母さまは私がレティシャにヤキモチを焼いて
シャンドラ様を認めることが出来ずにいるということくらいにしか思っていないような雰囲気。
これも多分シャンドラがお母様を丸め込んでるに違いない。
ゴホン
「…ナーシャにはレティシャが見えていないのかな?」
と冷たい目付きとは似合わない優しい声で問いかける。
…お父様の後ろにレティシャがいるなんて分かるわけもないでしょうよ。心の中でイラッとしながらも
平常心を保たせて申し訳なさそうな顔を演じニコッと微笑んだ。
「まぁ、どこにいるのか分からなかったわ。おはようレティシャ」
隠れていたレティシャは照れながら扉とシャンドラの後ろからひょっこり出てきて
「ふふふ隠れてたの。ナーシャお姉さま、おはようございます♪」
と私に会うことを嬉しそうに微笑む。
ふふ。レティシャはシャンドラに似ずお母さまに似て
純粋な女の子でほんと良かったわ。
シャンドラに似て家の中に2人も敵がいる状態だったとしたらと思うとゾッとする。
「レティシャ、ナーシャに挨拶が終わったら先に応接間に行きなさい。お母さま1人待たせてしまっては可哀想だろう」
さっきまでの話し方とは似合わない冷めた目つきはどこへ行ったのやらと思うほどの笑顔でメアリに話しかける。
はーい♪と頷き私に挨拶が出来て満足したレティシャは、ドレスをふわっと持ち女の子らしくお辞儀して部屋を出ていった瞬間にシャンドラは冷たく鋭い目付きに戻り私たちを見下し告げる。
「…お前ももうすぐ14歳だ。2年後にはお前を嫁に出す。今日は婚約相手が来るからメイシー。君はナーシャに外に出せるドレスを用意しなさい」
そう言って部屋を出ていった。
花冠を作り母に向かって駆け寄る小さな私…。
はぁ。また子供の頃の夢を見てしまったみたいね…と頭を抱え目を擦り吹っ切ったように伸びをする
「ナーシャ様おはようございます」
私が子供の頃から一緒で唯一の理解者で専属メイドのメイシーがいつものように起こしに来てくれてわたしは少し安心する。
私はもう一度伸びをして起き上がり、いつもの着古したドレスに着替えメイシーに髪を梳かしてもらう。
小さい頃は東南のジェノシーという自然も多く暖かいとても綺麗なところで暮らしていた。
大きな領地ではないけれどお父様もお母様もジェノシーのみんなも優しくて温かい人たちばかりだった。
私はずっとここで楽しく過ごして大きくなって父にうるうる涙ぐまれながら結婚式をあげるのが夢♪なんて想像をしていたくらいにみんなに愛されて幸せな日々を過ごしていた。
そう。お父さまが領地争いに出征することになり帰らぬ人になるまでは…
ジェノシーの上にある東のカトセルーラという大きな領地を持つカルノス・シャンドラ様は大昔に魔法界と、この世界に亀裂が入り魔法が使える者は数少ない中で
治癒魔法を使える力を持っていた。
そのシャンドラさまも領地争いの簡易病院でけが人を治療していたが北国の者達が隙を見てそこまで辿り着いたようで、シャンドラさまもお父様も弱い訳では無いけれどみんなを庇いながらも一緒に戦った末にお父様は北国の者に殺されてしまったらしい。
北国の者が逃げた頃には手に負えない程の出血でシャンドラ様も負傷していたために助けることが出来ず悔やんでいたと報告しに来た。
7歳頃の記憶だけれど今でもその頃のシャンドラは父の死をとても悔やんで悲しそうに報告しにきた事を覚えている。
父の49日ではジェノシーの領主だったお父様が亡くなり病んでしまったお母さまをみてお母様の弟に任せることになり
その件もシャンドラが動いてくれたそうだ。
それからもシャンドラはお父さまが亡くなり病んでしまったお母さまと私の様子をみに来てくれた。
欠かさずお母さまや私に会いに来てくれるシャンドラ様に病んでいたお母さまも心を開きはじめ
あんなに病んでしまったお母様もお父さまを思う気持ちとは別にまた楽しく過ごす日々が始まった。
そんな日々を過ごすことでシャンドラとお母さまの再婚はすぐに決まった。
「ナーシャ、君のお父さまは今はもうここにはいない。だけど天国から君のことを見守ってくれているだろう。天国のお父さまは君のお父さまに変わりない。だけどここでは僕を君のお父さまと認めてくれるかい。もちろん、君さえよければだけど…」
いつも堂々としたシャンドラが少し照れながらお父さまと呼んで欲しいと私に問う。そんな母と私の気持ちを大切にしてくれるシャンドラ様が私はとても大好きで…
「ふふ。もちろんよ。お義父さま」
と即答で返事したことをよく覚えている。
私にとって最大の汚点!!
コンコンッ
「ハッ ナーシャ様…」
朝から部屋に奴が来るなんて珍しく
メイシーが青ざめて小声で私を呼ぶ。
「メイシー、私は大丈夫よ。だから落ち着いて」
と言いながらもフウっと息を吐き気持ちを落ち着かせる。
「はい。お義父さま」
ドアを開けるなり鋭い目つきで睨みながら私たちを見下すこの目にはもう慣れた。
妹が生まれてから急に私に対して今のような冷たい目つきになりシャンドラからの虐待が始まった。
あの時ことは今でもよく覚えている。
妹が生まれ、嬉しくてお母さまのレティシャに駆け寄って「とっても可愛い赤ちゃん♪」と話しかけた
らレティシャがびっくりして泣いてしまって
お母さまにレティシャをびっくりさせてしまった事を謝ろうとしたら優しい顔でおいでとシャンドラから腕を強く掴まれて追い出されて部屋まで連れて行かれ、そのまま投げるかのように押されて机にぶつかって花瓶の破片が腕に刺さりうずくまったがお義父様はいつものように大丈夫かいと抱きしめてくれることもなく
冷たい目付きで私を睨んで部屋を出ていった
私にはまだ何が起こったのか分からず
レティシャを泣かせてしまってお母さまのことも困らせて…
あの優しかったお義父さままでこんなに怒らせてしまったなんて。と自分を責めていた。
その後は痛くて泣きながら寝てしまい起きると腕の怪我は治っていたのでよく覚えていない。
それからはレティシャが私に向かって笑顔で走ってきて転けてしまった泣いたり、レティシャが私の名前をシャンドラより先に言ったり、ご飯を食べる時にフォークが落ちてしまったなど細かい失敗で夜になると罵倒され、暴力を振るわれ
1人になると自分が悪かった…私にダメなところが多すぎるからだ。とか色々考えてしまう日々を過ごしていた。
何かにつけてバツを与えられてはシャンドラの気分で次の日やその次の日に治癒魔法で回復。初めは何が悪いのか分からずにずっと怖くて怯えていた。
7年も経てばできるだけ部屋に籠りできるだけ罰を与えられないよう過ごせるようになった。
お母さまは初めはすごく心配して部屋の前で沢山話しかけてくれていたけど必ずそこにはシャンドラも一緒で扉を開けることが出来ずに体調を崩したなどと適当な言い訳を付けて部屋に篭もるしかなかった。
たまにシャンドラが居ないと思い訴えようとするとシャンドラが割って君は僕のことが嫌いなのは分かっている。でも僕を君のお義父さんとして認めて欲しいんだなどと胡散臭い演技をされそのあとは酷い目に合うため何も言えなくなった。
そのため、話せる相手はメイシーだけで
ただメイシーもシャンドラに雇われているただのメイドだからこそ反対や言い返すことなど出来ない。ただただ私のために我慢して寄り添ってくれている私にとって第2の母のような存在。
お母さまは私がレティシャにヤキモチを焼いて
シャンドラ様を認めることが出来ずにいるということくらいにしか思っていないような雰囲気。
これも多分シャンドラがお母様を丸め込んでるに違いない。
ゴホン
「…ナーシャにはレティシャが見えていないのかな?」
と冷たい目付きとは似合わない優しい声で問いかける。
…お父様の後ろにレティシャがいるなんて分かるわけもないでしょうよ。心の中でイラッとしながらも
平常心を保たせて申し訳なさそうな顔を演じニコッと微笑んだ。
「まぁ、どこにいるのか分からなかったわ。おはようレティシャ」
隠れていたレティシャは照れながら扉とシャンドラの後ろからひょっこり出てきて
「ふふふ隠れてたの。ナーシャお姉さま、おはようございます♪」
と私に会うことを嬉しそうに微笑む。
ふふ。レティシャはシャンドラに似ずお母さまに似て
純粋な女の子でほんと良かったわ。
シャンドラに似て家の中に2人も敵がいる状態だったとしたらと思うとゾッとする。
「レティシャ、ナーシャに挨拶が終わったら先に応接間に行きなさい。お母さま1人待たせてしまっては可哀想だろう」
さっきまでの話し方とは似合わない冷めた目つきはどこへ行ったのやらと思うほどの笑顔でメアリに話しかける。
はーい♪と頷き私に挨拶が出来て満足したレティシャは、ドレスをふわっと持ち女の子らしくお辞儀して部屋を出ていった瞬間にシャンドラは冷たく鋭い目付きに戻り私たちを見下し告げる。
「…お前ももうすぐ14歳だ。2年後にはお前を嫁に出す。今日は婚約相手が来るからメイシー。君はナーシャに外に出せるドレスを用意しなさい」
そう言って部屋を出ていった。
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