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(奏side)
「如月君、こんにちは」
ふわり、と笑う天宮先輩。
始めに比べて天宮先輩は僕に対して笑うようになった。
それが物凄い嬉しい。
あの告白をした時、天宮先輩はその告白を罰ゲームだと思って真剣に取り合ってくれなかった。
いや、今でもそうだろうけどそうじゃない。
いつも先輩を見掛けると1人で静かに本を読んでいた。
クラスメイトに声を掛けられても必要最低限しか話さない。
にこりともしないそんな先輩に目が離せなくなったそんなある日、先輩が捨てられた子猫を拾っているところを見掛けた。
影からこっそり見ていると誰に対しても見せたことがない笑顔で、
「家においで。君はもう1人じゃないからね」
そう言って子猫を優しく撫でていた。
狡いと思った。
それと同時に羨ましくて、僕もあんな風に撫でてもらいたいと、"僕"に対しても笑って欲しいと思った。
だから、接点を持てるように3年の廊下に頻繁に行ったり(他の女の人に騒がれるだけで終わった)図書室に行ったりもした。
結局、先輩の瞳に僕が映ることはなく最終的に告白をすることになった。
それでも、どうにかなる訳でもなくて……。
かと言って、以前のように先輩の瞳に僕が映らないことはない。
それがどうしても歯痒くて。
苦しくて。
「早く僕を見てくれないかなぁ」
「如月君、こんにちは」
ふわり、と笑う天宮先輩。
始めに比べて天宮先輩は僕に対して笑うようになった。
それが物凄い嬉しい。
あの告白をした時、天宮先輩はその告白を罰ゲームだと思って真剣に取り合ってくれなかった。
いや、今でもそうだろうけどそうじゃない。
いつも先輩を見掛けると1人で静かに本を読んでいた。
クラスメイトに声を掛けられても必要最低限しか話さない。
にこりともしないそんな先輩に目が離せなくなったそんなある日、先輩が捨てられた子猫を拾っているところを見掛けた。
影からこっそり見ていると誰に対しても見せたことがない笑顔で、
「家においで。君はもう1人じゃないからね」
そう言って子猫を優しく撫でていた。
狡いと思った。
それと同時に羨ましくて、僕もあんな風に撫でてもらいたいと、"僕"に対しても笑って欲しいと思った。
だから、接点を持てるように3年の廊下に頻繁に行ったり(他の女の人に騒がれるだけで終わった)図書室に行ったりもした。
結局、先輩の瞳に僕が映ることはなく最終的に告白をすることになった。
それでも、どうにかなる訳でもなくて……。
かと言って、以前のように先輩の瞳に僕が映らないことはない。
それがどうしても歯痒くて。
苦しくて。
「早く僕を見てくれないかなぁ」
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