9 / 12
9、【結婚は無理だったけれど同棲ならば】~千尋の日常➀~
しおりを挟む
私は、子供が苦手だ。はっきり言うと、子供が好きじゃない。電車の中で、よく小さな子供に「可愛いわねぇ、おいくつ?」なんてニコニコしながら話しかけているおばあちゃんがいるけど、子供を見てもあんな風に「可愛い」という感情が湧き上がってきたことなんて一度もない。
だから、子供を産むなんてもってのほかだ。元夫と離婚が決まったときは、やっと一人になれるという安堵感と、これで子供を産まなくてすむという安堵感があった。元夫が、女は家事ができて当たり前、女は子供を産んで当たり前、主人に尽くして当たり前、という古い考えだったことに気づいたのは、結婚後だった。5年と短い結婚生活だったけど、あの結婚生活で実感したのは、結婚は減点方式だということ。掃除がきちんとできていないから-20点、ワイシャツにしわが残っていたから-10点…。だから、離婚したらバツがつくのよね、バツイチって。離婚=結婚に失敗したと判断される。でも、千尋はバツイチって呼ばれようが、今の暮らしの方がよっぼどいい。結婚という制度は多分私には合わないから、一人のままでいいかな、と思ってた。
ところが、数ヶ月前から、7歳年下の和也と同棲を始めることになって、これが意外と楽しい。妻っていう役割を押し付けられないからいいのかな。イラストレーターの仕事をしている私は、たまに打ち合わせに出るくらいで、ほぼ毎日家で仕事なのだけど、カフェでバイトしてる和也がつくってくれるランチが毎日の楽しみなんだ。ちょうど、仕事の集中力が切れる頃に、いい香りがしてくるの。「ちーちゃん、お昼ごはんできたよ~!今日はね、自信作だよ。ジャーン、みてみて」。そういって和也が得意げに置いてくれたお皿は、オシャレで見映えもバッチリ!「この前のまかないで好評だった、ベーコンとアボカドのカルボナーラだよ、これ、隠し味に何を使ってると思う?」「うーんと、なんだろう。もしかして、味噌?」「正解!よくわかったね。さすが、ちーちゃん!味噌を入れると、うまみとコクが出るんだって」「和也がつくるごはんは、ほんとに美味しいなぁ。あ、明日はあれがいいな。最近食べていなかったガパオライス!」「OK!楽しみにしてて」。夕方からバイトのシフトが入っていることが多い和也と、最もゆっくり話せるのがこのランチタイムかもしれない。
「ちーちゃん、昨日の夜から徹夜で仕事してるんでしょ?」「うん、あと少しで終わりそう。明日締め切りの仕事、今日のうちに終わらせたくて」。まばたきもせずにじっと私のことをみてる。これって、和也の「したい」っていうサインなんだよね。「…あと少し、仕事残ってるんだってば…」そう言いながらも、和也の細くて長いきれいな指が優しくなでるように触ってくるのはイヤじゃなかった。いつも、ちょっと遠慮気味に触ってくるんだけど、こういうとき和也のことが可愛いって思う。よどみなく動く和也の指は、いつの間にかブラをずらし、もう片方の手は器用にスキニージーンズを脱がそうとしていた。「ちょ、ちょっと待って。。シャワーだけして…」。シャワーだけしてくるから待ってて、と言いたかったのに、和也の柔らかい唇が私の唇に重なり、その甘美なキスにふわっと私の体がほどけた。
だから、子供を産むなんてもってのほかだ。元夫と離婚が決まったときは、やっと一人になれるという安堵感と、これで子供を産まなくてすむという安堵感があった。元夫が、女は家事ができて当たり前、女は子供を産んで当たり前、主人に尽くして当たり前、という古い考えだったことに気づいたのは、結婚後だった。5年と短い結婚生活だったけど、あの結婚生活で実感したのは、結婚は減点方式だということ。掃除がきちんとできていないから-20点、ワイシャツにしわが残っていたから-10点…。だから、離婚したらバツがつくのよね、バツイチって。離婚=結婚に失敗したと判断される。でも、千尋はバツイチって呼ばれようが、今の暮らしの方がよっぼどいい。結婚という制度は多分私には合わないから、一人のままでいいかな、と思ってた。
ところが、数ヶ月前から、7歳年下の和也と同棲を始めることになって、これが意外と楽しい。妻っていう役割を押し付けられないからいいのかな。イラストレーターの仕事をしている私は、たまに打ち合わせに出るくらいで、ほぼ毎日家で仕事なのだけど、カフェでバイトしてる和也がつくってくれるランチが毎日の楽しみなんだ。ちょうど、仕事の集中力が切れる頃に、いい香りがしてくるの。「ちーちゃん、お昼ごはんできたよ~!今日はね、自信作だよ。ジャーン、みてみて」。そういって和也が得意げに置いてくれたお皿は、オシャレで見映えもバッチリ!「この前のまかないで好評だった、ベーコンとアボカドのカルボナーラだよ、これ、隠し味に何を使ってると思う?」「うーんと、なんだろう。もしかして、味噌?」「正解!よくわかったね。さすが、ちーちゃん!味噌を入れると、うまみとコクが出るんだって」「和也がつくるごはんは、ほんとに美味しいなぁ。あ、明日はあれがいいな。最近食べていなかったガパオライス!」「OK!楽しみにしてて」。夕方からバイトのシフトが入っていることが多い和也と、最もゆっくり話せるのがこのランチタイムかもしれない。
「ちーちゃん、昨日の夜から徹夜で仕事してるんでしょ?」「うん、あと少しで終わりそう。明日締め切りの仕事、今日のうちに終わらせたくて」。まばたきもせずにじっと私のことをみてる。これって、和也の「したい」っていうサインなんだよね。「…あと少し、仕事残ってるんだってば…」そう言いながらも、和也の細くて長いきれいな指が優しくなでるように触ってくるのはイヤじゃなかった。いつも、ちょっと遠慮気味に触ってくるんだけど、こういうとき和也のことが可愛いって思う。よどみなく動く和也の指は、いつの間にかブラをずらし、もう片方の手は器用にスキニージーンズを脱がそうとしていた。「ちょ、ちょっと待って。。シャワーだけして…」。シャワーだけしてくるから待ってて、と言いたかったのに、和也の柔らかい唇が私の唇に重なり、その甘美なキスにふわっと私の体がほどけた。
0
あなたにおすすめの小説
15年目のホンネ ~今も愛していると言えますか?~
深冬 芽以
恋愛
交際2年、結婚15年の柚葉《ゆずは》と和輝《かずき》。
2人の子供に恵まれて、どこにでもある普通の家族の普通の毎日を過ごしていた。
愚痴は言い切れないほどあるけれど、それなりに幸せ……のはずだった。
「その時計、気に入ってるのね」
「ああ、初ボーナスで買ったから思い出深くて」
『お揃いで』ね?
夫は知らない。
私が知っていることを。
結婚指輪はしないのに、その時計はつけるのね?
私の名前は呼ばないのに、あの女の名前は呼ぶのね?
今も私を好きですか?
後悔していませんか?
私は今もあなたが好きです。
だから、ずっと、後悔しているの……。
妻になり、強くなった。
母になり、逞しくなった。
だけど、傷つかないわけじゃない。
一条さん結婚したんですか⁉︎
あさとよる
恋愛
みんなの憧れハイスペックエリートサラリーマン『一条 美郷(※超イケメン)』が、結婚してしまった⁉︎
嫁ラブの旦那様と毒舌地味嫁(花ちゃん)....とっ!その他大勢でお送りしますっ♡
((残念なイケメンの一途過ぎる溺愛♡))のはじまりはじまり〜
⭐︎本編は完結しております⭐︎
⭐︎番外編更新中⭐︎
旦那様の愛が重い
おきょう
恋愛
マリーナの旦那様は愛情表現がはげしい。
毎朝毎晩「愛してる」と耳元でささやき、隣にいれば腰を抱き寄せてくる。
他人は大切にされていて羨ましいと言うけれど、マリーナには怖いばかり。
甘いばかりの言葉も、優しい視線も、どうにも嘘くさいと思ってしまう。
本心の分からない人の心を、一体どうやって信じればいいのだろう。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
貴方なんて大嫌い
ララ愛
恋愛
婚約をして5年目でそろそろ結婚の準備の予定だったのに貴方は最近どこかの令嬢と
いつも一緒で私の存在はなんだろう・・・2人はむつまじく愛し合っているとみんなが言っている
それなら私はもういいです・・・貴方なんて大嫌い
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる