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8、【ストレスをためないコツは、秘密をつくること?!】~亜里沙の日常③~
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(わぁ、どのドレスにしよう!)
沙良が産まれてからは、ジーンズやスニーカーなど動きやすさ優先だったから、オシャレから遠のいていた気がする。スリットがかなり深めに入っているロングドレス、胸元のあいたドレス、ウエストの部分がシースルーになっているドレス…セクシーなものばかりだ。その中でも一番普通っぽい、ベビーピンクのレースミニドレスを選んでみたけどどうだろう。。髪はセミロングだから、ハーフアップにしてみた。
「そろそろ時間だけど、準備できた?」。カーテン越しのスタッフの声に向かって返事する私の姿が鏡に映っているけど、どうも見慣れず気恥ずかしい。「うん、なかなかいいじゃない、じゃ今日の源氏名を決めようか。ピンクのドレスが似合っているから、桃華(ももか)にしよう」。
源氏名、桃華。なんだか別人になったようだ。仕事内容についての簡単な説明をきいたら、いざ店内へ。派手な内装かと思いきや意外と落ち着いた雰囲気で、昔ながらの喫茶店みたい。担当するのは新規のお客さんで、温厚そうな70代くらいの男性だ。さっき教えてもらったように、笑顔ではっきりと挨拶。「はじめまして、桃華です」。「よろしくね、桃華ちゃん」。加藤さんと名乗った男性は、いつも朝散歩する近所の公園のこと、お気に入りの喫茶店のこと、愛犬のこと…とたわいもない話をしてくれ、自分のことを話すのは苦手だけど人の話を聴くのは苦にならない私にとってはちょうどよかった。心配していたおさわりもなく、本当に紳士的なお客さん。水割りを注文されて、お酒をつくるのはなんだかドキドキしたけど、楽しかった☆
初めてのお客さんが、接客しやすいタイプのお客さんでラッキーだったかのかも。あと、指名が入らなかったりお客さんの入りが悪いと、出勤しても待機する時間が長くなっちゃうらしい。「桃華ちゃん、そろそろ体入終わりでしょ?お疲れ様!じゃ、事務所に戻って、着替えたら店長のところに行って」。なんだか、あっという間だった。ぶっちゃけ、この仕事がそこまでやりたかったわけではなく、自分でお金を稼ぎたかっただけなのだけど、妻でもなくママでもない自分になれるっていいなぁ、なんてふと思っている自分がいた。(この仕事、しばらくやってみようかな。パパにはもちろん内緒だけど)。初出勤日は1週間後と決まり、店を後にする亜里沙の足取りは軽かった。
(沙良をお迎えに行く前に、夜ごはんの買物しなくちゃ、今日の夜ごはん何にしようかな)。そんなことを考えていたら、ちょうどLINEが届いた。なーんだ、パパからか。「夜は食べてくるから、ごはんはいらないよ」。夫という生き物は、「ごはんいらない」の一言で済むからいいよねぇ。妻は、どんなときだって、ごはんをつくらないといけないんだけどね。たとえ、自分が体調悪いときでも。いつもだったら、パパからのそんなLINEにかなりイラっとするのだけど、今日はそこまではイラっとしない。多分、それはキャバクラで働くという秘密ができたから。家庭で妻がストレスをためないコツは、秘密をつくること、なのかもね。パパの知らない自分になれることが、嬉しいのかもしれない。
沙良が産まれてからは、ジーンズやスニーカーなど動きやすさ優先だったから、オシャレから遠のいていた気がする。スリットがかなり深めに入っているロングドレス、胸元のあいたドレス、ウエストの部分がシースルーになっているドレス…セクシーなものばかりだ。その中でも一番普通っぽい、ベビーピンクのレースミニドレスを選んでみたけどどうだろう。。髪はセミロングだから、ハーフアップにしてみた。
「そろそろ時間だけど、準備できた?」。カーテン越しのスタッフの声に向かって返事する私の姿が鏡に映っているけど、どうも見慣れず気恥ずかしい。「うん、なかなかいいじゃない、じゃ今日の源氏名を決めようか。ピンクのドレスが似合っているから、桃華(ももか)にしよう」。
源氏名、桃華。なんだか別人になったようだ。仕事内容についての簡単な説明をきいたら、いざ店内へ。派手な内装かと思いきや意外と落ち着いた雰囲気で、昔ながらの喫茶店みたい。担当するのは新規のお客さんで、温厚そうな70代くらいの男性だ。さっき教えてもらったように、笑顔ではっきりと挨拶。「はじめまして、桃華です」。「よろしくね、桃華ちゃん」。加藤さんと名乗った男性は、いつも朝散歩する近所の公園のこと、お気に入りの喫茶店のこと、愛犬のこと…とたわいもない話をしてくれ、自分のことを話すのは苦手だけど人の話を聴くのは苦にならない私にとってはちょうどよかった。心配していたおさわりもなく、本当に紳士的なお客さん。水割りを注文されて、お酒をつくるのはなんだかドキドキしたけど、楽しかった☆
初めてのお客さんが、接客しやすいタイプのお客さんでラッキーだったかのかも。あと、指名が入らなかったりお客さんの入りが悪いと、出勤しても待機する時間が長くなっちゃうらしい。「桃華ちゃん、そろそろ体入終わりでしょ?お疲れ様!じゃ、事務所に戻って、着替えたら店長のところに行って」。なんだか、あっという間だった。ぶっちゃけ、この仕事がそこまでやりたかったわけではなく、自分でお金を稼ぎたかっただけなのだけど、妻でもなくママでもない自分になれるっていいなぁ、なんてふと思っている自分がいた。(この仕事、しばらくやってみようかな。パパにはもちろん内緒だけど)。初出勤日は1週間後と決まり、店を後にする亜里沙の足取りは軽かった。
(沙良をお迎えに行く前に、夜ごはんの買物しなくちゃ、今日の夜ごはん何にしようかな)。そんなことを考えていたら、ちょうどLINEが届いた。なーんだ、パパからか。「夜は食べてくるから、ごはんはいらないよ」。夫という生き物は、「ごはんいらない」の一言で済むからいいよねぇ。妻は、どんなときだって、ごはんをつくらないといけないんだけどね。たとえ、自分が体調悪いときでも。いつもだったら、パパからのそんなLINEにかなりイラっとするのだけど、今日はそこまではイラっとしない。多分、それはキャバクラで働くという秘密ができたから。家庭で妻がストレスをためないコツは、秘密をつくること、なのかもね。パパの知らない自分になれることが、嬉しいのかもしれない。
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