僕の甘さと、優しい君と黒猫

学校が終わり、下校中。

もう当たりは真っ暗で電柱についた電灯と、昔通ってた小学校のグラウンドの電灯だけが視界の頼り。僕らの会話の声、そしてたまに通る散歩中の猫の鳴き声。会話の声と鳴き声以外はとても遠く、水に沈んでいるみたい。

きっとこの時間は僕らとこの猫は世界から取り残されているか、もしくはここはもう別の世界なのか。どちらにせよ、日常で1番幸せな時間に違いない。

いつもは一方通行な僕の気持ちも、この時間だけは彼女は僕に向き合ってくれる、この曖昧な関係の中でも。

『きみの好きと私の好きは違う。友達以上であるのは間違いない。でもやっぱり違う。』    そう君は言った。

やっぱり、自分の勇気は報われないものだなぁと思い知らされた。結構、自分なりにがんばったんだけどなぁ…結局、ぶつかる壁は気持ちの大きさの差か、それとも気持ちの種類か、

それでも、関係を続けたかった。       君の何かであり続けたかった。多分、その何かにはなれないことを分かっていながら、

『どんな形の好きでも、君の好きの方向に僕がいてくれるなら嬉しい。結局、僕が君のことを1番好きであるのは変わらないから。』

と、僕は嘘をついた。

君の1番でありたい。僕以上に好きでいてほしい。君がほしい。君の、君が、君を、君に…     

君だけが僕の支えなのに、生きがいなのに、君に認められなきゃ、生きてられない。寂しくてたまらない。

そして、それを心のうちに隠して校門で君を待つ。何気ない帰り道の会話で本心を隠す。

結局、君が僕を完全に拒絶できないのを知りながら、君の甘さにつけ込んで

自分の寂しさを埋めてるだけなんだから、相手を思うフリをして自分のことしか考えてないんだから、




それを自分で分かっていながら、やめられない。そんな自分に嫌気がする。反吐が出る。





そして、今日も校門で君を待ち、あの電灯の下に立ち止まって、本心を隠しながら何気ない会話をする。

今日も僕の耳には君の声と、         見透かしたように鳴く、気ままで寂しさとは無縁の黒猫しかいなかった。
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