音楽を心に~music heart~

野良豚

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第1章

1-9「あなた…暗神さん?」

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【柊 ひとみ】
前にも言った通り、超人気の歌手でその歌の美しさから一度聴いたら虜になってしまうと言う。老若男女問わず人気が高い人だ。
そんな人がなんでこの新境学園に?

「あら?ひとみさん、お久しぶりです」

僕が色々説明(誰に?)していると横にいた祇園さんが柊さんに話しかけていた。
ん?久しぶり?もしかして知り合い?

「あら、優美ちゃん!久しぶりね!」

そう言って柊さんも祇園さんに話しかけていた。

「どうしたんですか?学校に来るなんて、なにか母に用事でも?」

「ううん、違うの社長に用事があるんじゃなくて貴方に用事があるの」

「私に?」

「そう!昨日ね、久々にアプリを開いたんだけど~私の歌を歌っている子が気になって貴方にどんな子か探してって頼もうと思って」

さ、流石クィーンですね、柊さんと親しく話しているなんて…って、待ってください!
え?柊さんが僕を探してる?
いやいや!僕と決まった訳じゃない!
自分の事かと考えてしまい、あたふたしているとドンッと横から健太が肘打ちした。
そのおかげで僕は少し落ち着くことが出来た。

「もしかして暗神というアカウント名の人の事いってますか?」

「お!さすが優美ちゃん!話早いね~」

ぼ、僕なんですか!?
いやいや、他にも暗神って名前は…いないですよね…やはり僕のことですよね。しかし、なんで僕を探しているのでしょう?
僕がそう考えているとその質問をすぐに祇園さんが聞いてくれた。

「何故、暗神を探しているのですか?」

「決まってるじゃない!あの歌、他の投稿者は音が外れたり、声が裏返ったりするのにあの子だけはきっちり歌ってたのよ?気にならないわけがないじゃない!」

あの歌、そんなに難しいんですね。
僕は歌いやすい方だと思っていたのですが…
他の人には歌いずらいのですね。
しかし、祇園さんといい、柊さんといいなんでそんなに気にするんですかね。
あまり目立ちたくはないのですが。
そんなことを思っていると祇園さんが少し悩ましい顔していた。

「私たちも探しているのですが全く分からなくて」

「そうなのね…」

2人とも少し残念そうな顔をしていた。
しかし、柊さんはパッとこちらを見て直ぐに笑顔になり話を変えた。

「ところで、こちらはお友達?」

急な話題転換により話を聞いている僕達はポカーンとしたままだった。
すると祇園さんが呆れたように話した。


「ひとみさん、ひとつの事に集中すると周り見えませんものね」

「そ、そんなことないわよ!」

また2人の会話が始まった。そう思っていたら健太が「あの~いいっすか?」
と話しかけていた。割ってはいるなんて…勇者ですね、健太。
健太は続けて話す。

「柊 ひとみさんでいいんすか?」

「えぇ、私が柊 ひとみよ!ひとみんとかひとみちゃんって呼んでね!」

「いや、流石に今を輝く人にそんな馴れ馴れしくは出来ないっすけど」

「そうだよね~、私も~出来ないよ~」

「ぼ、僕も無理ですね」

もしかして柊さんって物凄くフランクな人なのですか!?ひとみんって…

「別に気にしなくていいのに~あ、君たちは暗神って子のこと知らない?」

柊さんは、祇園さんにした質問を僕達にもしてきた。しかし、答えは決まっている。

「「「知らない(です)(っす)(よ~)」」」

僕と健太は知っている。というか僕に至っては本人なのですが当たり前に言えるわけもなく…
あぁ、憧れの人に嘘をつくなんて…僕は人間としてダメな奴ですね…

「あの~暗神って人を探してどうするつもりなんっすか?」

僕が落ち込んでいると健太が柊さんにそんな質問をぶつけた。

「決まってるじゃない!あの子をスカウトするのよ!」

「「「「す、スカウト!?」」」」

「どうゆうことなんですか!?ひとみさん!聞いてませんよ!」

「言ってないもの!今初めて言ったしね」

「でも~なんで急にスカウトなんか~するの~?」

河北さんが直球で聞きに行った。
確かに、バルトアルフィはSINglesで規定以上のファン登録がないと所属出来なかったはずだ。なのに、柊さんはスカウトといった。どうゆうことなんだろう?
僕は考えれば考えるほど分からなくなっていた。

「分からないって顔してるわね。確かにバルトアルフィには規定のファン数が必要だけど例外があるの」

「「「例外?」」」

「優美ちゃんは知ってるわよね?」

「えぇ、もちろん」

祇園さんは分かりやすく僕達にその例外を教えてくれた。
例外1、1日の獲得ファン数が5,000を超え、尚且つなおかつ1つの投稿の観覧が100,000を超える事。
例外2、社長自らがアカウントの持ち主に勧誘をかける事。
例外3、バルトアルフィ所属の歌手が推薦して所属すること。
この中の1つでも当てはまればバルトアルフィの所属歌手になれるというものだった。

「ファン数が5,000人に関しては少なからずいるんだけど観覧100,000ていうのが難しいわね」

と、柊さん

「他にも母が結構アプリを開いて聴いてるけど中々そういう人はいないわね、歌手の人に関しては忙しくてアプリを開かない人もいるみたいだから」

と、祇園さんが説明してくれた。
そりゃそうだ、一朝一夕で歌手になれるなんて思わないのが普通だろう。
でも、例外が存在するなんて思っても見なかった。
…あれ?ってことは…

「あの、もしかして、柊さんは暗神さんをバルトアルフィの所属にするためにスカウトを?」

「…‪……………‬」

質問した僕の方を向き柊さんは止まってしまった。あれ?変なことでも言ったんでしょうか?

「あ、あの~柊さん?」

僕がもう一度話しかけると柊さんはハッとした様子でもう一度僕を見てきた。

「ねぇ、あなた…暗神さん?」

とんでもない爆弾発言を落としてくれた。
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