3 / 10
03 なりきれてない
しおりを挟む
今日は、少し眠れた。
彼女のことを考えると、良い思い出が沢山出てきて気持ちが高ぶった。
こんなこと、人生で初めてだった。
調子が良いまま、ベッドから出て、顔を洗う。
こんなの久しぶりだ。何年ぶりだろう?
制服に着替え、髪の毛をセットする。
そして、ご飯も少し食べる。
気持ちが快い。
これまでの悩みがちっぽけに思える。
生きていてよかった、
なんてことも思ってしまう。
靴を履き、扉を開け、外に出る。
お日様がキラキラしている。
時間が余ったから、彼女と出逢ったあの公園で少し過ごすことにした。
公園に行くと、そこには、
髪の毛がぐちゃぐちゃしていて、靴を履いておらず、血が染みついた長袖を着ていてブランコに乗っている彼女を見つけた。
「どうしたんですか、その服…」
「…ひいた?」
「ひいてないです、なにも。
調子、悪いんですか」
「てんりは調子が良さそうだね。お日様みたい
私はいつも悪いよ、知らないだろうけど」
「あの、左手に何を持ってるんですか」
彼女の左手には、ナイフみたいな危ないものが握りしめてあった。
「…知りたい?」
「はい」
「手首、みて」
彼女の手首は、大量の血がついていた。
今にも溢れ出している。
「ハンカチ、どうぞ」
「大丈夫、袖でふくから」
「いや、でも…」
「あなたには何もわからないでしょう」
「わかります」
「何が一体わかるのかな~
名前も家庭環境も学校もわからないくせに?」
「お姉さんが今感じていることがわかります。
今まで、抑えてきたんですよね?この気持ち」
お姉さんは確信をつかれた顔をする。
どうやら、これが彼女の本質みたいだ。
「てんり、早く行かないと遅刻するよ」
「またそうやって逃げるんですか」
「逃げてなんかない。
誰も私の気持ちなんてわからないし、知り得ないから言ってるんだ。
みんな知ったかぶりしてるだけなんだよ」
「私は、お姉さんのことを…」
私がそう言おうとすると、お姉さんは察したみたいで、私の言葉を遮って被せてきた。
「なにも分かってない、貴方は」
「でも…」
「人の気持ちって計り知れないじゃない?
心なんか読めないし、私が言わない限り何もわからないでしょ。」
「じゃあ、言ってくださいよ。
お姉さんの気持ち」
お姉さんが大きく目を開く。
「君は早く学校に行くんだ。
そして、学校から帰ってきたらここにきて。
全て話す、いや一部だけ話すから」
お姉さんは下を向いて言った。
「約束ですよ」
彼女のことを考えると、良い思い出が沢山出てきて気持ちが高ぶった。
こんなこと、人生で初めてだった。
調子が良いまま、ベッドから出て、顔を洗う。
こんなの久しぶりだ。何年ぶりだろう?
制服に着替え、髪の毛をセットする。
そして、ご飯も少し食べる。
気持ちが快い。
これまでの悩みがちっぽけに思える。
生きていてよかった、
なんてことも思ってしまう。
靴を履き、扉を開け、外に出る。
お日様がキラキラしている。
時間が余ったから、彼女と出逢ったあの公園で少し過ごすことにした。
公園に行くと、そこには、
髪の毛がぐちゃぐちゃしていて、靴を履いておらず、血が染みついた長袖を着ていてブランコに乗っている彼女を見つけた。
「どうしたんですか、その服…」
「…ひいた?」
「ひいてないです、なにも。
調子、悪いんですか」
「てんりは調子が良さそうだね。お日様みたい
私はいつも悪いよ、知らないだろうけど」
「あの、左手に何を持ってるんですか」
彼女の左手には、ナイフみたいな危ないものが握りしめてあった。
「…知りたい?」
「はい」
「手首、みて」
彼女の手首は、大量の血がついていた。
今にも溢れ出している。
「ハンカチ、どうぞ」
「大丈夫、袖でふくから」
「いや、でも…」
「あなたには何もわからないでしょう」
「わかります」
「何が一体わかるのかな~
名前も家庭環境も学校もわからないくせに?」
「お姉さんが今感じていることがわかります。
今まで、抑えてきたんですよね?この気持ち」
お姉さんは確信をつかれた顔をする。
どうやら、これが彼女の本質みたいだ。
「てんり、早く行かないと遅刻するよ」
「またそうやって逃げるんですか」
「逃げてなんかない。
誰も私の気持ちなんてわからないし、知り得ないから言ってるんだ。
みんな知ったかぶりしてるだけなんだよ」
「私は、お姉さんのことを…」
私がそう言おうとすると、お姉さんは察したみたいで、私の言葉を遮って被せてきた。
「なにも分かってない、貴方は」
「でも…」
「人の気持ちって計り知れないじゃない?
心なんか読めないし、私が言わない限り何もわからないでしょ。」
「じゃあ、言ってくださいよ。
お姉さんの気持ち」
お姉さんが大きく目を開く。
「君は早く学校に行くんだ。
そして、学校から帰ってきたらここにきて。
全て話す、いや一部だけ話すから」
お姉さんは下を向いて言った。
「約束ですよ」
0
あなたにおすすめの小説
春に狂(くる)う
転生新語
恋愛
先輩と後輩、というだけの関係。後輩の少女の体を、私はホテルで時間を掛けて味わう。
小説家になろう、カクヨムに投稿しています。
小説家になろう→https://ncode.syosetu.com/n5251id/
カクヨム→https://kakuyomu.jp/works/16817330654752443761
身体だけの関係です‐原田巴について‐
みのりすい
恋愛
原田巴は高校一年生。(ボクっ子)
彼女には昔から尊敬している10歳年上の従姉がいた。
ある日巴は酒に酔ったお姉ちゃんに身体を奪われる。
その日から、仲の良かった二人の秒針は狂っていく。
毎日19時ごろ更新予定
「身体だけの関係です 三崎早月について」と同一世界観です。また、1~2話はそちらにも投稿しています。今回分けることにしましたため重複しています。ご迷惑をおかけします。
良ければそちらもお読みください。
身体だけの関係です‐三崎早月について‐
https://www.alphapolis.co.jp/novel/711270795/500699060
せんせいとおばさん
悠生ゆう
恋愛
創作百合
樹梨は小学校の教師をしている。今年になりはじめてクラス担任を持つことになった。毎日張り詰めている中、クラスの児童の流里が怪我をした。母親に連絡をしたところ、引き取りに現れたのは流里の叔母のすみ枝だった。樹梨は、飄々としたすみ枝に惹かれていく。
※学校の先生のお仕事の実情は知りませんので、間違っている部分がっあたらすみません。
私と先輩のキス日和
壽倉雅
恋愛
出版社で小説担当の編集者をしている山辺梢は、恋愛小説家・三田村理絵の担当を新たにすることになった。公に顔出しをしていないため理絵の顔を知らない梢は、マンション兼事務所となっている理絵のもとを訪れるが、理絵を見た途端に梢は唖然とする。理絵の正体は、10年前に梢のファーストキスの相手であった高校の先輩・村田笑理だったのだ。笑理との10年ぶりの再会により、二人の関係は濃密なものになっていく。
とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる