2 / 10
02 何も知らないのに
しおりを挟む
帰宅後、
また眠れなかった。
いつもみたいに寝ずに学校に行くことにした。
本当は、学校なんて行きたくない。
教室に入りにくいし、英語のグループワークやペアワークが嫌だった。
みんなが大人数でご飯を食べる中、
一人でご飯を食べている自分が惨めだった。
ただ、行ってもしんどいだけだった。
そして、家にいても苦しいだけだ。
お母さんとお父さんはいつも喧嘩している。
きっと、私のせいだ。私の学費、教育費とか。
だから、家にいるのも学校にいるのも苦しい。
私にはどこにも居場所なんてない。
だけど、昨日の夜、
私はやっと居場所を見つけれてた気がした。
あのお姉さんが私の全てを理解してくれているような、そんな感じがした。
何も知らない、初対面の人間なのに、
誰よりも理解してくれてたんだ
あのお姉さんも、私と一緒で、
異常なんだ。
私は、今日も眠れない。
だから、また外に出た。
今日は、気分転換ではなく、あのお姉さんと会うために外に出て、公園にきた。
わたしが公園についたころには、
お姉さんはベンチに座り、スマホを触っていた。
「やっほ~
一日ぶりだけど、元気にしてた?」
「こんにちは、今日も元気ですね」
「うーん、その様子だと何かあったみたいだね
お姉さんが君の人生相談を聞いてあげようか?」
「人生相談ってなんですか」
「悩みとか聞くだけだ」
「人に悩みを言うと、ストレスが減るとかなんとか言いますもんね。」
「そう!そう言うことだ。
言いたい範囲まで遠慮なく言ってくれ。
どうせ、君の周りの大人たちは理解したフリばっかだろう?」
お姉さんがニヤニヤした顔で言う。
まるで、私の全部を知ってるみたいだ。
この人にはなんでもお見通しなんだ。
「なんで、そんなことわかるんですか?」
「私もそうだったから、といえば
納得してくれるか?」
「はい」
「おっと、いけないいけない。
私の人生を語るみたいになっちゃいそうだ。
君の全て、教えてよ」
お姉さんは優しく微笑む。
「私、中学の頃は学校行ってなかったんです。
周りと合わせることに疲れてしまって、全てが嫌になったんです。
不登校になって一ヶ月後、お母さんに言われたことがあるんです。」
「それは、なんと?」
「普通じゃなくなったねって。」
「お母さんの普通は君の普通と違ったんだな。」
「まぁ、確かにそうです。
私は普通じゃない、異常なんです。
何者にもなれなくて、全てを諦めて生きてる」
「私はこんな歳になっても、
何者にもなれてないよ。
てか、君ぐらいの歳で私はそんなに大人びてなかったよ」
お姉さんは私をじっと見つめる。
「だって、こんなところにいる時点で
精神年齢子供じゃないですか」
「きみ、失礼な事言ってない?」
「言ってます」
「素直に答えるなよ」
「じゃあ、言ってません。」
「今更、否定しても遅いだろ」
お姉さんは、口を大きく開いて笑った。
こんな姿は初めてみた。
いつも、引き攣っている笑い方をしているのに
さっきの笑い方は偽りじゃない。
「あの、お姉さん」
「え、何?
突然、真面目な顔されても困るんだけど」
「お姉さんの名前、教えてくれませんか。」
「名前?忘れちゃった~」
「じゃあ、私がつけます」
「きみ、ネーミングセンスあるの?」
「失礼ですね、それぐらいはあります」
私が怒った顔で言うと、
お姉さんはまた笑った。
どれだけ笑うのだろう、この人は。
私もこんなに笑ってみたい。
「じゃあ、名前、つけてよ」
「"白"でいかがですか」
「うーん、どっかの犬の名前みたい~
でも、君がつけた名前ならなんでもいいよ」
「失礼じゃないですか、犬に」
「私に失礼だろ」
「犬の方が社会的地位は高いです」
「まぁ、確かに…」
お姉さんは納得した顔をする。
本当に納得してるのだろうか?
てか、なんでこれで納得するの?
「さぁ、そろそろ家に帰ろうか、きみ」
「その呼び方やめませんか」
「いや~人の名前とか呼んだことないからさ~
恥ずかしいというか、照れちゃって」
「その気持ち、わからなくもないですけど。
呼んでくれるまで帰りませんよ」
「てんりはめんどくさいなー」
「…家に帰ります」
「あはは、またね~」
お姉さんは笑顔でいった。いつも笑顔だ。
なんで、あんなに、笑えるのだろうか。
いや、そもそも、笑ってない…?
また眠れなかった。
いつもみたいに寝ずに学校に行くことにした。
本当は、学校なんて行きたくない。
教室に入りにくいし、英語のグループワークやペアワークが嫌だった。
みんなが大人数でご飯を食べる中、
一人でご飯を食べている自分が惨めだった。
ただ、行ってもしんどいだけだった。
そして、家にいても苦しいだけだ。
お母さんとお父さんはいつも喧嘩している。
きっと、私のせいだ。私の学費、教育費とか。
だから、家にいるのも学校にいるのも苦しい。
私にはどこにも居場所なんてない。
だけど、昨日の夜、
私はやっと居場所を見つけれてた気がした。
あのお姉さんが私の全てを理解してくれているような、そんな感じがした。
何も知らない、初対面の人間なのに、
誰よりも理解してくれてたんだ
あのお姉さんも、私と一緒で、
異常なんだ。
私は、今日も眠れない。
だから、また外に出た。
今日は、気分転換ではなく、あのお姉さんと会うために外に出て、公園にきた。
わたしが公園についたころには、
お姉さんはベンチに座り、スマホを触っていた。
「やっほ~
一日ぶりだけど、元気にしてた?」
「こんにちは、今日も元気ですね」
「うーん、その様子だと何かあったみたいだね
お姉さんが君の人生相談を聞いてあげようか?」
「人生相談ってなんですか」
「悩みとか聞くだけだ」
「人に悩みを言うと、ストレスが減るとかなんとか言いますもんね。」
「そう!そう言うことだ。
言いたい範囲まで遠慮なく言ってくれ。
どうせ、君の周りの大人たちは理解したフリばっかだろう?」
お姉さんがニヤニヤした顔で言う。
まるで、私の全部を知ってるみたいだ。
この人にはなんでもお見通しなんだ。
「なんで、そんなことわかるんですか?」
「私もそうだったから、といえば
納得してくれるか?」
「はい」
「おっと、いけないいけない。
私の人生を語るみたいになっちゃいそうだ。
君の全て、教えてよ」
お姉さんは優しく微笑む。
「私、中学の頃は学校行ってなかったんです。
周りと合わせることに疲れてしまって、全てが嫌になったんです。
不登校になって一ヶ月後、お母さんに言われたことがあるんです。」
「それは、なんと?」
「普通じゃなくなったねって。」
「お母さんの普通は君の普通と違ったんだな。」
「まぁ、確かにそうです。
私は普通じゃない、異常なんです。
何者にもなれなくて、全てを諦めて生きてる」
「私はこんな歳になっても、
何者にもなれてないよ。
てか、君ぐらいの歳で私はそんなに大人びてなかったよ」
お姉さんは私をじっと見つめる。
「だって、こんなところにいる時点で
精神年齢子供じゃないですか」
「きみ、失礼な事言ってない?」
「言ってます」
「素直に答えるなよ」
「じゃあ、言ってません。」
「今更、否定しても遅いだろ」
お姉さんは、口を大きく開いて笑った。
こんな姿は初めてみた。
いつも、引き攣っている笑い方をしているのに
さっきの笑い方は偽りじゃない。
「あの、お姉さん」
「え、何?
突然、真面目な顔されても困るんだけど」
「お姉さんの名前、教えてくれませんか。」
「名前?忘れちゃった~」
「じゃあ、私がつけます」
「きみ、ネーミングセンスあるの?」
「失礼ですね、それぐらいはあります」
私が怒った顔で言うと、
お姉さんはまた笑った。
どれだけ笑うのだろう、この人は。
私もこんなに笑ってみたい。
「じゃあ、名前、つけてよ」
「"白"でいかがですか」
「うーん、どっかの犬の名前みたい~
でも、君がつけた名前ならなんでもいいよ」
「失礼じゃないですか、犬に」
「私に失礼だろ」
「犬の方が社会的地位は高いです」
「まぁ、確かに…」
お姉さんは納得した顔をする。
本当に納得してるのだろうか?
てか、なんでこれで納得するの?
「さぁ、そろそろ家に帰ろうか、きみ」
「その呼び方やめませんか」
「いや~人の名前とか呼んだことないからさ~
恥ずかしいというか、照れちゃって」
「その気持ち、わからなくもないですけど。
呼んでくれるまで帰りませんよ」
「てんりはめんどくさいなー」
「…家に帰ります」
「あはは、またね~」
お姉さんは笑顔でいった。いつも笑顔だ。
なんで、あんなに、笑えるのだろうか。
いや、そもそも、笑ってない…?
0
あなたにおすすめの小説
春に狂(くる)う
転生新語
恋愛
先輩と後輩、というだけの関係。後輩の少女の体を、私はホテルで時間を掛けて味わう。
小説家になろう、カクヨムに投稿しています。
小説家になろう→https://ncode.syosetu.com/n5251id/
カクヨム→https://kakuyomu.jp/works/16817330654752443761
私と先輩のキス日和
壽倉雅
恋愛
出版社で小説担当の編集者をしている山辺梢は、恋愛小説家・三田村理絵の担当を新たにすることになった。公に顔出しをしていないため理絵の顔を知らない梢は、マンション兼事務所となっている理絵のもとを訪れるが、理絵を見た途端に梢は唖然とする。理絵の正体は、10年前に梢のファーストキスの相手であった高校の先輩・村田笑理だったのだ。笑理との10年ぶりの再会により、二人の関係は濃密なものになっていく。
身体だけの関係です‐原田巴について‐
みのりすい
恋愛
原田巴は高校一年生。(ボクっ子)
彼女には昔から尊敬している10歳年上の従姉がいた。
ある日巴は酒に酔ったお姉ちゃんに身体を奪われる。
その日から、仲の良かった二人の秒針は狂っていく。
毎日19時ごろ更新予定
「身体だけの関係です 三崎早月について」と同一世界観です。また、1~2話はそちらにも投稿しています。今回分けることにしましたため重複しています。ご迷惑をおかけします。
良ければそちらもお読みください。
身体だけの関係です‐三崎早月について‐
https://www.alphapolis.co.jp/novel/711270795/500699060
せんせいとおばさん
悠生ゆう
恋愛
創作百合
樹梨は小学校の教師をしている。今年になりはじめてクラス担任を持つことになった。毎日張り詰めている中、クラスの児童の流里が怪我をした。母親に連絡をしたところ、引き取りに現れたのは流里の叔母のすみ枝だった。樹梨は、飄々としたすみ枝に惹かれていく。
※学校の先生のお仕事の実情は知りませんので、間違っている部分がっあたらすみません。
とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる