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・阿須崎くんと優太くん(友情)
ケンカはだめだよ
しおりを挟む「せんちゃん! さっきから言い過ぎだよ。そんなに言ったら阿須崎くんがかわいそうでしょ」
「……かわっ! え!?」
「やーいやーい、怒られてやんのぉー」
どうしてオレを叱るの──ショックすぎてフリーズしちゃった隙に、アホは例のお肉をぱくり。
たいして美味しくもなさそうに口先だけでもぐもぐして「レモン味の輪ゴムみたいやぁ!」と、どうしようもない食レポをする始末。
(……クソ崎ッ!!!)
やっぱりオレはコイツが苦手だ。
真面目な優兄がどうしてこんなおふざけちゃらんぽらんバカとつるんでいるのか。
本当に本当に心の底からサッパリ理解できない。
知らず知らずのうちに妙なキャンディ食べさせられたり、夢だったラジオ番組を横取りされたり、全体的に損しかしていないじゃないか。
優兄は優しすぎる。
「二人とも仲良くしてね。ケンカはダメだよ」
「オレは仲良くしたいんやけど、デカセンがツンデレだから困っとんやないか! なっ、ツンデカ」
「……ぐ」
そのエセ関西弁なんとかなんねぇのかと言ってやりたい──が、優兄のことを想えば想うほど言い返せない。
阿須崎は口の端を上げ、オレを見下しながらへらへら笑う。イタズラを反省しないクソガキの態度。
優兄が見えてないのをいいことに、あっかんべーをする始末。メロンソーダ色に染まった舌。つくづくガキだ。
汚ぇもん見せてんじゃねぇぞと殺意をこめて睨みつける。
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