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・阿須崎くんと優太くん(友情)

真夏のハンカチ味

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 オレと阿須崎が焼けていく肉をはさんで睨み合っている間に、優兄はたいして美味しくないローストビーフ丼を箸でさぐっている。

 ほんのちょっとのお肉・かさ増しのキャベツ・たっぷりのお米という三層構造を自力で把握しようとしているらしい。
 そうしているうちに、どんぶりのフチからお米のかたまりがボトッとこぼれた。

「あ」

「おっと、もったいない!」

 テーブルに落ちたそれを紙ナプキンで拭こうとしたときには、阿須崎が拾い上げて自らの口へと放り込んでいた。意地汚すぎる。

「んー。たしかに……これは、イマイチやな……ぼやけてる……真夏のハンカチ味……。ゆったん、ちょっとそのどんぶり貸してみ」

 
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