くすぐりジャック

藍子

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2章 女子高生 小林莉子 

狙われた女子高生 小林莉子

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「男3人組が女子大生を襲う。昨夜未明、都内の女子大生山縣藍子さんが3人組の男に監禁され数時間に渡り暴行された。男達は終始山縣さんの身体をくすぐり続けたとされる。街では最近女性を攫い、くすぐる事件が多発しており警察はその男を【くすぐりジャック】と称して行方を追っていた。今までの捜査では1人と思われていたが今回は複数犯の犯行。被害者から事情を聞き逮捕に全力を注ぐと警察は発表した。」

莉子「何よ!これ?!酷い!!」

ネットニュースを見ながら女子高生の【小林莉子】は怒りを露わにした。理由はニュースそのものも嫌悪感があったがコメント欄の酷さもまた莉子を不快にさせた。

「この時期にミニスカートとか狙われても仕方ない。」
「正直この女の子も自業自得でしょ?」
「二回も狙われるならこの子自身にも問題あり!」

何故か襲われた女の子に対する誹謗中傷、莉子はこれが許せなかった。それと同時に女の弱さを指摘する声もあった。所詮は女、男には勝てないのだと。

莉子「そんなんだから舐められるのよ。今の時代は女だって強くならなきゃ。」

莉子は小学校5年生の頃から空手を始め、今では全国ベスト4という実力の持ち主だ。170センチ近い大柄な体格で男子相手にも引けを取らない。
加えてそのルックスの為メディアからの取材も少なくない。美人女子高生空手家としてテレビにも出た事もあるくらいだ。
莉子が空手を始めたきっかけは小学校の時男子から受けた【くすぐり】だ。
小学校5年生の時に男子から受けたくすぐり。当時既に身体の大きかった莉子を男子は結託して5人でくすぐってきた。なす術がなかった。それにくすぐりが苦手な莉子は暴れ回ると面白がった男子のくすぐりはエスカレート。この日は泣きながら家に帰った。それと同時に強くなろう、男子に負けない、その気持ちで空手を始めたのだ。空手を覚えた莉子に男子は近づく事すら出来ずその日以来くすぐられる事はなかった。だがあの日の出来事はトラウマとして記憶に残っている。
だからこそこの“くすぐりジャック”を莉子はかなり嫌悪しているし、早く逮捕してほしいと思っている。数時間に渡り3人からくすぐられるなど想像しただけでぞっとするのだ。

担任「小林ー!来週からの【職場体験】だけどお前は警察でいいんだよな?」

莉子は将来的に警察官になろうと考えていた。それに警察なら空手の練習も出来る。

莉子「はい!警察でお願いします!!」

担任「うちみたいな進学校で警察、それも現場の方に行こうって思うのはお前ぐらいだよ笑」

莉子が通う東高は地元で有数の進学校。大学を出て警察官になるとしたらキャリア組だ。

莉子「勉強だけでなく、現場もしっかりと見れる警察官になりたいので。せっかくなので職場体験したいんです!」

この時の選択を莉子は後悔する事となる。
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