ウェーレイキオルは微笑んでいる

綿入しずる

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十 待っていた女(後)

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 時間はかかった。乙女の奮闘により無事二回戦が成って、今日のところはと落ち着いた。婚約者とはいえ未婚の女と寝室に二人きりはよくないと、エドアルドも多少惜しみながらも守護天使が待ついつもの部屋へと移った。
 改めて茶も運ばせ、二人と、二羽の天使は向き合う。
 気が済んで、服や髪もリリアンリヴに整えさせて澄ました雰囲気に戻っていたソフィアはしかし、茶を二口程飲んで語り出すと語気を強めた。
「貴方からの一報が無かったら、――天使が降りていなかったら。向こうで結婚させられていたのよ、私。信じられる? 信じられない!」
 本当に信じられない! ともう一度声を上げて憤慨して、所作ばかりはいつもどおりを意識して落ち着ける。隣で、リリアンリヴは沈痛な面持ちである。
 エドアルドは酷く衝撃を受けたが、ビヒ家の者たちがこの婚約について揺らいでいたこと自体は既知の話だった。本当なら二十歳の頃にはもう結婚しているはずが、天使が来ないが為に血統や才覚を怪しまれて保留されていたのだ。ソフィアの父や兄が破談に備えて、他の相手を探しているのは分かっていた。しかし本当に寸前まで行ったと聞けば、改めて動揺した。
「それは、ああ、信じられないな……よかった、間に合って」
 当人たちは愛し合って、クラウス家が今更反故にはさせまいと躍起になって、誰よりソフィアが強く願って、続いた関係だった。――それで今日のことというわけだ。
「どうしてもと仰るから仕方なく、私だって務めと思って行ったのに、そんな罠みたいに」
 ソフィアとその家族が隣国のサレイに行っていたのは、同盟の大規模な医師の集いに出席する為だった。エドアルドの誕生日、今年こそ――と思えばソフィアは多少渋ったが、儀礼的な側面もある、外せない大事な行事であることも確かだった。
 ビヒ家は先の戦いの頃より長く続く医師の家系だ。守護天使も多くついているし、貴族と等しい地位があり、外交でも重要な役割を担う。
 そんな家にとっては婚姻も強い手札だ。恋や愛だけでは決まらない。ソフィアは十二年前、十一の頃に六氏族クラウス家とビヒ家の縁を結ぶ為にエドアルドと婚約したが、彼に守護天使が来なかったことで立場が浮ついていた。クラウス家は最高の相手と思えたが、そうなってくると他の者も秤にかかる――ビヒ家の当主がそう考えるのも無理はないほどには、天使の不在は大きかった。
「お父様は不満なのよ。そのくせ、やっぱりクラウスとの繋がりも捨てがたいって、ふらふらして、腹が立つったら」
 ソフィアは父を詰った。エドアルドと引き裂かれそうになったことも、縁談を隠して嫁がされそうになったことも――優柔不断で強欲なところも、すべてが許せない。
 怒りのあまり震える卓上の手を、エドアルドの手が握った。優しく擦って、見つめる。
「君は俺の妻だ。守るとも。もう誰にも文句は言わせない。天使だって来たのだから」
 今までは、さすがのエドアルドも臆するところがあった。もし、天使が来なければ――それでソフィアを繋ぎとめるのはならないことかも知れないと思っていた。しかし今、自信を持って言いきれる。天使が居ない間も支えてくれた女は、この先もずっと、彼の伴侶だ。
 菫色の瞳に涙の膜が張っている。リリアンリヴがそうっと背を撫でた。
「お二人にはすぐ式を挙げて頂くようにお願いするわ」
 二人、というのはこの後会うだろうエドアルドの父母、オリヴァーとパウラである。
「歴史あるクラウス家の婚儀がそれでは、示しがつかない?」
 彼女はエドアルドの言葉を先取りして小さく笑ってみせた。そういうのはよくないと窘める顔をしながらも、エドアルドは息を吐いた。
「いや、俺も正直同意見だ。早いほうがいいだろう」
「意外ね」
「……先の議会で、砦の総督の交代について言われた。俺の所為で先送りにし過ぎている。父上は猶予を設けたがっているが……他の家にばかり任せていては、それこそ示しがつかない。父に任せるつもりもない。ならば、結婚も何も、すぐ済ませて向かうべきだろう」
 黒き星の目覚めのこともあったが。今慎重に事を進める中で、守護天使の侍る身、妻になる女と言えど、この場で告げるのは躊躇われた。ソフィアが取り乱すとは思わないが――オリヴァーと確認して後で話すことに決めた。エドアルドはウェーレイキオルに目配せする。天使は意を解して小さく顎を引くように頷いた。
「そうね、そういう予定だったわね」
「君が他の男に嫁がされるかもしれないと聞いて、黙っていられるほど腰抜けでもない。もう、安心してほしい」
 ソフィアは先程よりも明確に微笑んだ。そこで手を緩めて、エドアルドも紅茶を飲んだ。思えば、と口にする。
「……君と共に砦へという話も出ていたんだが」
「それも一案ね。悪くないわ。北も一度行ってみたいし。我が家は反対するかと思うけれど、私個人としては、ありよ」
 悩まず、家の反対などむしろ望むところという雰囲気でソフィアは言いきる。それから、ふと思い至って眉を寄せた。 
「ああ、そうするとさっきので子供ができたら……もっと早く言ってくれれば考えたのに」
「止まりそうな雰囲気でもなかっただろう……」
 ぼやくエドアルドに肩を竦める。彼女はまったく、後悔はしていない。
「赴任先で出産も大変ね。何処でも子は産まれるけれど。悩みどころだわ」
「……子供ができたら、此処で育てるのが一番安全なんだろうが。そっちを父上や母上に任せるのも、それはまあ、思うところがないでもないんだが……」
 エドアルドは慎重に言葉を選んだ。この先何がどうなるか分からないとはいえ、やはり砦の側は危険になるのでは。そう思えばソフィアにもログラに残ってほしいが――それを言って簡単に引き下がる女は、再会してすぐに婚約者を寝室に押しこんだりしないのだった。
 それに勿論、エドアルドだって我が子の顔が見たい。まず、一度で子供ができるとも限らない。他にも考えることが山積みのなか、すぐには決められなかった。
「ま。順番に、一つずつ決めるしかないわ。まずは結婚してみましょう。嬉しいわ、あのドレスを着られるの」
 憂いを吹き飛ばすように、ソフィアは明るい声で言った。
 クラウス家には祖母の代から着ている美しい婚礼衣装がある。ソフィアは一目見て憧れていたのだ。本当に嬉しそうに、年相応に溌溂と笑ったのでエドアルドも頬が緩んだ。
「……待たせたな。これまで支えてくれて、ありがとう」
 愛している――とは先程寝室で幾度と告げて口づけもしたので此処では控えて、はっきりと言う。温かな雰囲気が漂った。
「どういたしまして」
 そこまで話して、今度こそ、やっと落ち着けた。ソフィアとウェーレイキオルの目が合う。ウェーレイキオルは深々と頭を下げた。
「長らくお待たせいたしました。少しばかり苦労したのです、生まれるのに」
「あら――天使もそういうことがあるのね? 知らなかったわ。無事でよかった。私も昔から、貴方に会えるのを楽しみにしていたの。この人の天使はどんなだろうって」
 あまり無事ではないことを知っているエドアルドは一瞬目を伏せたが、ウェーレイキオルは余裕綽々である。エドアルドの元へと降り立った今、昔の苦労などどうでもよいのだ。
「このようでした」
「……黒いのも、苦労したのが原因?」
「ええ」
 詳しく説明してもよいものかと惑いエドアルドを見る彼を、ソフィアは話し慣れていないのだろうと解釈した。追及せず、話を少しずらす。
「変わっているけど、いいわね。黒髪って高貴で好きよ。王家も、クラウスも黒髪だし。――翼も黒いのよね?」
 黒髪ではないエドアルドはちらと気にした視線を向けたが、ソフィアに母譲りの美しい金赤毛ヘリオル―を褒められたこともあるので口にはしなかった。エドアルドもソフィアの豊かな銀髪をかねてより好ましく思っているし、ウェーレイキオルの長い黒髪も自慢に思っているので、物言いできることでもなかった。エドアルドは多くの男がそうであるように、美しい長い髪が好きである。
 エドアルドに促され、ウェーレイキオルは立ち上がり少し離れて翼を広げた。ソフィアが歓声を上げる。
「あら、随分大きい翼ね! トラウゴットの御方の天使より大きいのではない?」
 ウェーレイキオルは――エドアルドも、得意気に笑った。
 リリアンリヴは翼を張るように胸を張った。――今は仕舞われているが、彼女もそれなりに大きい、水鳥のような優雅な翼を持っているのだった。
「実戦はまだ?」
 翼が大きいなら力も強いはずだと問うソフィアに、エドアルドは頷いた。
「ああ。君が居ない間は何処も大人しかったようだ。どの隊も大きな任務はなかった」
 四百年前に黒き星が落ち、世界を分かつ戦いは終わった。しかしながら兵として戦ってきたものたちは残って、今なお騒ぐことがある。近頃は大分減ってはいたが、それでも消えぬものであるし――今回は特に、嵐の前の静けさかも知れないと思えばなお、油断はできなくなったが。
「そう。それは何よりだけど――貴方は逸ることでしょうね」
「……まあ、ないとは言わない」
 戦いがないのはよいことだと頭では思うのに、早くウェーレイキオルの真価を見てみたい――人々に知らしめたい気持ちもある。それをソフィアが見透かし目を細めるのに、エドアルドは素直に頷いた。やっと天使が来た男のそわつきに、ソフィアは吐息でも笑った。
「これからよろしくね、ウェーレイキオル」
「ウェールと」
 エドアルドが仇名を教えるとウェーレイキオルはにこりとした。ソフィアはなんとなく、この黒い天使を気に入った。横で茶を飲む自身の天使に問いかける。
「リリー、彼とは仲良くなった?」
「はい、ちょっとは……」
 返事はすぐだが、見るからに自信がなさそうだ。臆した雰囲気で、長身の割に縮まっている。それもいつもの様子ではあったので、ソフィアは軽く言った。
「今後一緒に暮らすのだから、慣れないといけないわよ。しゃんとなさい、リリー」
 ――そうだった。
 リリアンリヴははっとした。今日会って話して終わりではない。彼女たちの主人は、これから夫婦になるのだ。守護天使も一緒に暮らすのである。
 エドアルドも向かいで、真剣に彼女を見つめて言った。
「リリー。それは変わっているが、……よろしく頼む。何かあれば俺にも言え。遠慮するな」
 ――言えないよう……!
 リリアンリヴは咄嗟に頷きながらも、心で嘆いた。
 主人の婚約者は若い頃から付き合いがあって、優しいが、どうも気安くはない。彼女が来てから今までというのは天使が来なかった間でもあるから、どこか触れづらかったものだ。今回、隣にウェーレイキオルが来たことでそれはそれで接しづらくなった。ずっと待ち望んでいた主人の結婚はとても嬉しいのに、不安もいっぱいである。
 ソフィアは隠せもせず困り顔の天使に笑った。さっきとは逆にその背を擦って、抱き締めた。

 それから彼らは両親と共に夕食をとった。オリヴァーもパウラも機嫌よく、気立てよく親しい娘と語らった。――途中、エドアルドは静かに、ウェーレイキオルが黒い理由、戦いの予兆があることを彼女に打ち明けた。ソフィアはやはり取り乱さずに受け止め、むしろ納得して、改めて、戦士の妻として立つ誓いを口にした。ウェーレイキオルの意識を共有したリリアンリヴのほうが多少狼狽えたくらいだったが、彼女もソフィアの優しい叱咤にすぐ立ち直った。彼女たちはそうして振る舞うことでより強くなっているところがあった。
 二人は惜しみながらも一度は自宅に帰ることにした。父兄のことで気が重く不安ではあったが、彼女はまだビヒの娘である。有無を言わさず抱え込もうにも、今のクラウス家では評判が落ちきっている。これ以上悪い噂は立てられなかった。
「なにかあったら、すぐにまたこちらに来なさいね。私たちは貴女を守りますから」
「はい、パウラ様」
 それでもパウラはソフィアに言った。ソフィアは微笑みを浮かべて頷いた。
「平気よ、エド。何を言われても突っぱねてくるし、私にはリリーが居るわ。侍女も私に味方してくれるし、平気」
 そうして気丈に言いきり、そのときばかりはリリアンリヴも凛としてエドアルドに頷いて見せた。
 エドアルドとオリヴァーは彼女を丁重に送り届け、直接、ビヒ家の当主に礼を伝え今後の両家の結束を確かめた。当主はおもねり笑んで頷いた。彼はエドアルドが従えた天使が噂どおりに黒いのを見たが、同時にその翼の大きさも見たようだった。
 エドアルドはあらゆる怒りを抑え、ソフィアをこれまでにも増して愛することを誓った。
 帰ってきて、家族でも少し話した。向こうがどう思っていようがエドアルドの意思には変わりないことを主張して、黒き星のこともあるので婚儀を速やかに行うべしと頷き合った。
「ウェール」
 今日もまた濃密な一日だった。ようやっと入浴を済ませて椅子に寛ぎ濡れた髪を拭かせるエドアルドは、そこで思い出して、背後へ声を投げた。
「……いいか、俺としたことを誰にでも喋るものではない。誰にでもというか、誰にも言うものではない」
 言葉は些か曖昧だったが、何を示しているかはウェーレイキオルにはすぐ分かった。夕方の失態を思い出し眉が下がる。
「申し訳ございません、私としたことが。お困りのようでしたので解決するかと思ったのですけれど」
 至極丁寧に赤い髪を扱いながら、心底の反省が声音に滲む。エドアルドは溜息を吐いた。
 ソフィアが気にしない――天使と主は特別な関係で親密なものであるし、他人ひとと事に及ぶくらいなら天使としているほうが清潔であるし、さらに掘って聞けば貞操は無事婚約者である彼女に捧げられたことを以て許されたので、エドアルドもウェーレイキオルを許すことができたが――否、もしこれで何かあったとしても、ウェーレイキオルに命じたのはエドアルドなので、責を負うのは彼しかありえなかったが、それはそれとして、心情として。
 今日のこと、あのときのことを思い出して、エドアルドは戻ってきた疑問も口にした。
「大体……したのは何日も前だろう、どうして……まだ持っているんだ」
「味わいたかったのです」
「味……」
 答えは簡潔に、しかしまた更なる疑問を呼ぶものだった。
 人と同じ形をしていても、中身は余程異なるらしい。天使とはこういうものなのだろうかと、エドアルドは考えた。昔から、常々、天使とそういうことをするにも憧れていたが――聞いた話は限られていてその全容は知れない。大分想像で補っていた。人とするのだって、あれと、今日が初めてだったのだ。
 エドアルドも多分、ウェーレイキオルが変わっているのだろうという気がしてはいたが。リリアンリヴの反応からしてもそうであろうと。これも個性だろうかと思う。こんなことは他に聞いてみるわけにもいかない。
「……天使にとっては美味いのか?」
 好奇心――欲とも言える――が勝って、エドアルドは己が天使に訊ねた。ウェーレイキオルは口を開いて、それからも少し考えてから、述べた。
「エドアルド様に触れると大変嬉しく、精液はその証、名残であります。ここにあると嬉しいのが続きます」
「そうか……」
 それを美味と言うかはおいても。待ち侘びた天使にそうも好意を主張されるのは、満更悪い気もしなかった。ただしソフィアの言うとおり、指導は要るが。
「とりあえず他に言うな。味わうな。それも、……なんだ、始末しておけ」
 エドアルドは次の間違いが無いように丁寧に言葉を重ねた。ウェーレイキオルは露骨に勿体ないという顔をしたが、命令なので従うことにした。主の命令の味わいは、残滓の甘露に勝る。
「リリーとも上手くやれよ。あまり困らせるな」
「はい」
 エドアルドはもう一度念を押しておいた。返事はよかった。よいのがまた問題である気がしたが、リリアンリヴもあのように引っ込み思案な気質であるから、両方を抑え込んでも上手くいかないと思った。どうあれこの先は共に過ごすことになる、上手くやってもらうしかないので、エドアルドは今悩むのはやめた。
 それにしても、この先である。
 ――結婚か。
 やっとと思い巡らせれば、これも十年以上の念願だった。他の男にソフィアを盗られるところだったと思えば安堵するやら腹が立つやらだが、それも天使が来なかったからだ。ウェーレイキオルが来たという一点は、こんなにも大きい。世界はまた荒れるかもしれないのに、ただ我がことを思えばこの数日は紛れもない好転だった。
 ――嬉しい。
 エドアルドは目を閉じて暫し、感じ入った。
 上機嫌のエドアルドを見てウェーレイキオルもにこにこした。ずっと厳しい顔をしていたエドアルドがソフィアと居て嬉しそうだったのも嬉しいし、初めて髪の手入れを任せてもらったのもとても嬉しくて、彼を笑顔にしていた。香油を擦り込んで綺麗に仕上がるのを大満足で梳くのは、本当に、互いにとって幸福な時間だった。
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