【R18】清掃員加藤望、社長の弱みを握りに来ました！

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小関の分家の奴は秘書に何も渡さないとかいう、他の分家よりも過酷なルールを課した亀さん。
それは俺も知っているけれど、一平のこの返事はそれを意識してというのとは違うものだと俺は思う。



だって、一平は普通に甘い物が好きな奴だった。



アレは絶対に社交辞令なんかじゃなくて甘い物も普通に好きな奴の顔だった。



俺と出会う前は甘い物が苦手だったのかもしれないけれど今は絶対にそうじゃない。



だから・・・



凄くショックを受けている望の顔を見て、"バレンタインには普通に甘いケーキを作れよ！！”と言おうとした。



言おうとしたのに・・・



一平が不味いケーキの最後の一口を食べた瞬間、望がしっかりとした顔で一平のことを見詰めた。



真っ直ぐと・・・



真っ直ぐと、目に涙を溜めながら、見詰めて・・・



「甘さ控えめだけど美味しいスイーツを・・・身体にもちゃんと良いスイーツを・・・もっと・・・もっと美味しいスイーツを作ります・・・っ！！」



必死な顔と必死な声で、そう言った。



その顔もその声も"すんげー可愛い”と思うもので。



"俺の"ほぼ妹”で"ほぼ友達”、すんげー可愛いじゃん。”



まるで自分自身の自慢事のように・・・



いや、自分自身の自慢事以上に誇らしい気持ちになりながら、望のそんな顔を見て自然と笑顔になる。



"バレンタイン、 頑張れよ。”



めちゃくちゃ気合いを入れて、心の中だけでそう言った。