【R18】清掃員加藤望、社長の弱みを握りに来ました!

Bu-cha

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急に号泣した私に驚いたのかお父さんもお兄ちゃんもしばらく何も言わなかった。



私は必死にザワザワどころではない心を落ち着かせようとする。
手で涙も鼻水も拭って必死に落ち着こうとする。



でも、落ち着かなくて・・・。



全然落ち着くことなんて出来なくて・・・。



さっき星野さんから割られてしまった私の心は、こんなにも“苦しい”。



こんなにも“悲しい”。



こんなにも“虚しい”。



「一平さんが父さんと俺を説得してきた。」



お兄ちゃんの冷静な声に顔を少しだけ上げると、そこにはやっぱりお兄ちゃんの冷静な顔があった。



そのお兄ちゃんが私に続ける。



「望、お前学校の“友人”と日曜日や放課後まで関わるのはやめろ。」



お兄ちゃんが私にそんなことを続けてくる。



「なんで・・・っっ!?なんで・・・・!!!!?」



「お前の学校にはお前の“友達”になれる奴はいそうにない。」



「“友達”だよ・・・!!
私が審査した・・・・っっちゃんと転んで審査したの・・・・っっ!!!」



「分かってる。
あの学校の中ではある程度は良い友人なのも分かってる。
でも、俺の審査ではお前の友人は絶対に通らない。」



「なんで・・・・っっなんで、ひどい・・・っ酷い・・・っっお父さん・・・・っっ」



私のことを認めてくれるお父さんに、お兄ちゃんに注意をしてくれるお父さんに、私はいつぶりか分からないけれど泣き付いた。



そしたら、お父さんは・・・



お父さんは、凄く苦しそうな顔をした。



泣いている私よりもずっと・・・ずっと苦しそうな顔をした。



「きっといるから。」



お父さんが苦しそうな顔をしながらもそう言って・・・



「加藤の・・・望の“家”のことも理解して、それだけじゃなくて力にまでなってくれるような“友達”がきっといるから・・・。」



「・・・・・っっ」



「だから何度でも転ぶんだよ、望。」



「・・・・・・っっ」



「どんなに恥ずかしくても何度でも転べば必ず現れる。」



「・・・・・・・っっ」



「転んだ望のことを本気で心配してくれて、転んだ望に迷うことなく手を差し伸べてくれる“友達”が必ず現れる。」



「・・・・・・っっ」



「何度でも、何度でも、何度でも転んで・・・」



「・・・・・・・っっ」



「“友達”を見付けておいで。」



お父さんの言うことは分かる。



お兄ちゃんの言葉よりもずっと分かる。



分かるけど・・・



分かるけど・・・



「そんな子いないよ・・・・っっ!!」



そう叫び、私はお父さんの部屋を出ようとした。



出ようとした、その時・・・



「明日から星野青が増田清掃でバイトをすることになった。」



それには驚き、お兄ちゃんのことを振り向いた。



「一平さんから説得されたからな。
あの一平さんが父さんと俺のことを本気で頷かせにきた。
綺麗で正しいだけじゃない、強い男にちゃんと成長出来てる。」



お兄ちゃんが嬉しそうな顔で、満足そうな顔でそう言って・・・



「家になるべく帰りたくない成金家系の男子高校生だからな、星野青は。
またここにも遊びに来たいと言っているらしい。
だからバイトの後はここで一緒に夕飯まで食べさせる。」



「ここで・・・?
でも、一平さん・・・。」



「“自分は話に加わらないから、星野君と鎌田君が家に来るのを許して欲しい”、だそうだ。
だから望・・・」



お兄ちゃんが真剣な目で私のことを見詰める。



「一平さんが話に加わらないようにお前があの2人の対応をしろ。
そして星野と鎌田を常に審査してろ。
その目でよく見て、ちゃんと審査しろ。
問題があると父さんや俺が判断した時はまた検討する。」







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