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「“ある程度のことなら対処”出来る、か。
それはそうだよな、望はあの“お兄ちゃん”の妹で、あの“お兄ちゃん”から俺よりもずっと昔から指導されてきた。」
青さんの高校2年生の12月、“あの日”から高校卒業まで、私のお兄ちゃんの下で増田清掃の清掃員として青さんは“掃除”のバイトをしていた。
「私は掃除をしたことはない・・・。
家政婦中にも出来る仕事しかしたことがない程度だよ?」
「“お兄ちゃん”はさ。」
青さんが私のお兄ちゃんのことを“お兄ちゃん”と呼ぶ。
お兄ちゃんからそう呼ぶよう言われていたらしいけれど、青さんは今でも私のお兄ちゃんのことをそう呼んだ。
「凄い人だよな。」
「最近会いましたか?」
「いや、俺が増田清掃を辞めてからは会ってない。
俺が怒鳴りまくって殴りそうになったことろをあいつに止められたのが最後だった。」
青さんは少しだけ苦しそうな顔をしてから下を向いた。
「あれだけ凄い人だと“可哀想”だとは思えなかった。
あんなにちっこくて可愛い顔をした男の子なのに、チ○コが縮みまくるくらい怖い人だった。」
「確かに怖いけど、そこまでかな?」
「めちゃくちゃ怖いだろ。
バイト初日に“お兄ちゃん”から聞かされた話は冬なのに怪談話かよってくらい怖かった。」
「それ何の話を聞いたの・・・っ?」
笑いながら聞いた私に青さんは凄く優しい顔で笑って。
「ごめんな?」
青さんが私に謝罪をしてきた。
「初めて会った日、頬っぺたを引っ張って無理矢理笑わせてごめんな?」
「大丈夫だよ?」
「何も大丈夫じゃねーだろ。」
青さんがそう言って片手を私の顔に・・・頬に伸ばしてきた。
私の頬に青さんの指先が少しだけ触れた瞬間、私の身体はピクリと小さくだけど動いた。
「赤くなってる。」
「そっか・・・。」
「すげー荒れてる。」
スルッと、青さんの大きな手が私の頬全体を包み、私が擦った頬を親指で優しく撫でてくれた。
「増田清掃にいる秘書達は何でもアリだからな?」
「うん。」
「頬にキスをするのも口にキスをするのも前戯もアリで、セックスだけが“アウトじゃねーか、それ!”くらいのアリで。」
「それをすることで掃除が出来るのならその方法も使うよ。」
「“お兄ちゃん”はそんな手を使わなくても良いくらい凄い人だった。」
「・・・青さんは使った?」
「俺は秘書じゃないから使わねーよ。
ただのバイトの男子高校生だぞ?」
「そっか。」
「“お兄ちゃん”、今はその方法を使った?」
「・・・・・・言えない。」
「使ったのか。」
「・・・・・・。」
「“お嬢様”の為に使ったか。
“お兄ちゃん”の身体も人生も“お嬢様”の為にあるからな。
あの凄い人は小関の“家”の為に動いているんじゃない。
あの人の全ては“お嬢様”の為に・・・愛してる女の為にある。」
「うん・・・・・。」
「すげーよな。」
「うん・・・・・。」
「“お兄ちゃん”はさ、望の“お兄ちゃん”なんだよな?
顔もよく似てるし、本物の“お兄ちゃん”なんだよな?」
「そうだよ?」
青さんが当たり前のことを言ってきて、青さんに頬を撫でられながらも首を傾げた。
そしたら・・・
「“ある程度のことなら対処出来るよう、望にも生まれた瞬間から指導を始めている。
中学に入った望にもキスと前戯の指導を始めた”とか、怪談話より怪談話だった。」
青さんがそんな本当のことではないことを口にしたかと思ったら、私のことを苦しそうな顔で見詰めた。
「いくら指導されているとはいえ、好きでもない奴から頬っぺただろうがキスをされたらそれは怖くて気持ち悪かったよな、ごめんな。
三山社長からも“凄く怯えた様子で固まってた”ってさっき聞いてきた。」
それはそうだよな、望はあの“お兄ちゃん”の妹で、あの“お兄ちゃん”から俺よりもずっと昔から指導されてきた。」
青さんの高校2年生の12月、“あの日”から高校卒業まで、私のお兄ちゃんの下で増田清掃の清掃員として青さんは“掃除”のバイトをしていた。
「私は掃除をしたことはない・・・。
家政婦中にも出来る仕事しかしたことがない程度だよ?」
「“お兄ちゃん”はさ。」
青さんが私のお兄ちゃんのことを“お兄ちゃん”と呼ぶ。
お兄ちゃんからそう呼ぶよう言われていたらしいけれど、青さんは今でも私のお兄ちゃんのことをそう呼んだ。
「凄い人だよな。」
「最近会いましたか?」
「いや、俺が増田清掃を辞めてからは会ってない。
俺が怒鳴りまくって殴りそうになったことろをあいつに止められたのが最後だった。」
青さんは少しだけ苦しそうな顔をしてから下を向いた。
「あれだけ凄い人だと“可哀想”だとは思えなかった。
あんなにちっこくて可愛い顔をした男の子なのに、チ○コが縮みまくるくらい怖い人だった。」
「確かに怖いけど、そこまでかな?」
「めちゃくちゃ怖いだろ。
バイト初日に“お兄ちゃん”から聞かされた話は冬なのに怪談話かよってくらい怖かった。」
「それ何の話を聞いたの・・・っ?」
笑いながら聞いた私に青さんは凄く優しい顔で笑って。
「ごめんな?」
青さんが私に謝罪をしてきた。
「初めて会った日、頬っぺたを引っ張って無理矢理笑わせてごめんな?」
「大丈夫だよ?」
「何も大丈夫じゃねーだろ。」
青さんがそう言って片手を私の顔に・・・頬に伸ばしてきた。
私の頬に青さんの指先が少しだけ触れた瞬間、私の身体はピクリと小さくだけど動いた。
「赤くなってる。」
「そっか・・・。」
「すげー荒れてる。」
スルッと、青さんの大きな手が私の頬全体を包み、私が擦った頬を親指で優しく撫でてくれた。
「増田清掃にいる秘書達は何でもアリだからな?」
「うん。」
「頬にキスをするのも口にキスをするのも前戯もアリで、セックスだけが“アウトじゃねーか、それ!”くらいのアリで。」
「それをすることで掃除が出来るのならその方法も使うよ。」
「“お兄ちゃん”はそんな手を使わなくても良いくらい凄い人だった。」
「・・・青さんは使った?」
「俺は秘書じゃないから使わねーよ。
ただのバイトの男子高校生だぞ?」
「そっか。」
「“お兄ちゃん”、今はその方法を使った?」
「・・・・・・言えない。」
「使ったのか。」
「・・・・・・。」
「“お嬢様”の為に使ったか。
“お兄ちゃん”の身体も人生も“お嬢様”の為にあるからな。
あの凄い人は小関の“家”の為に動いているんじゃない。
あの人の全ては“お嬢様”の為に・・・愛してる女の為にある。」
「うん・・・・・。」
「すげーよな。」
「うん・・・・・。」
「“お兄ちゃん”はさ、望の“お兄ちゃん”なんだよな?
顔もよく似てるし、本物の“お兄ちゃん”なんだよな?」
「そうだよ?」
青さんが当たり前のことを言ってきて、青さんに頬を撫でられながらも首を傾げた。
そしたら・・・
「“ある程度のことなら対処出来るよう、望にも生まれた瞬間から指導を始めている。
中学に入った望にもキスと前戯の指導を始めた”とか、怪談話より怪談話だった。」
青さんがそんな本当のことではないことを口にしたかと思ったら、私のことを苦しそうな顔で見詰めた。
「いくら指導されているとはいえ、好きでもない奴から頬っぺただろうがキスをされたらそれは怖くて気持ち悪かったよな、ごめんな。
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