【R18】清掃員加藤望、社長の弱みを握りに来ました!

Bu-cha

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拍手も笑い声も心配の声も何も起きない社内で、このままだと三山社長が何か行動を起こすかなと考えた時・・・



「大丈夫~?」



と、まるで子どもやネコに話し掛けるような高い声で話し掛けてくれた女の人がいた。



顔を上げてみると、見えた。



4つの島になっている1つの島、そこの責任者が座るであろうデスクの所に立っている綺麗な女の人が。



その綺麗な女の人がそんな声を上げた瞬間、私の近くに立っていた結構キツめの顔をした美人さん・・・青さんがタイプそうな女の人が私に近付いてきた。



「どうしたの?立てる?大丈夫?」



そう言ってしゃがんでくれ、私に手を差し出してくれた。



その顔は凄く心配をしているという顔ではないけれど、私に差し出してくれた。



その手を掴もうとそのキツめの美人さんに手を伸ばしたら・・・



「社長が“まだ来ないまだ来ない”って心配してたよ?
遅刻する時は遅刻をするって分かった時点で次から連絡した方が良いよ?」



そんな常識をわざわざ私に教えてくれ、それには自然と笑顔になりながら頷き・・・



私はキツめの美人さんの手を握った。



「はぁい♪」



キツめの美人さんの手により立ち上がった後、三山社長のことを振り向いた。



「ごめんなさい、遅刻しちゃった!」



「うん、心配していたよ。
迷ったかな?」



「ううん、車で送って貰ったから大丈夫!」



優しい優しい顔で笑っている三山社長に笑い返した後、三山社長から貰ったロングコートを見下ろした。



「オジサンから昨日買って貰ったクリスマスプレゼントのコート、汚れてないかなぁ?」



青さんからは観察をするように言われたけれど、私はここまで動いた。



私はお兄ちゃんのように優秀ではない”ダメ秘書“だから、ここまで動かなければよく見えないことだらけだと思うから。



チラッと確認をした社員達は、全員が驚いた顔をしていたので何の判断も出来ず、自分は”ダメ秘書“だなと再確認をしただけだったけど。
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