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“鎌田の幸せだけを願って、この案件を進めて欲しい“。
”青さんからの依頼“を無理矢理でも自分の中に戻し、気合いを入れまくる。
「みっ君って昔は同時進行の彼女を何人も作るタイプだったのに、29歳になってからは1人ずつとしか付き合ってくれないって有名なんです~!
信じられないことに、私の番が来た♪」
「こんなに可愛い女の子を待たせるとか、店長悪い男ですね~。
そして昔はもっと悪い男でしたね~。」
“マナリー~・・・!!!
めっっっちゃ上手だよぉぉぉ!!”
「俺こういう見た目だけど昔は性欲強めだったからさ。
でも彼女達もみんなそれを受け入れてくれてたから悪いことはしてないよ?」
「いや、店長、それめっちゃ悪いから。
それで傷付いていた女の子も絶対いたと思いますよ?」
“マナリー、大好き!!大好き!!!”
マナリーが名演技というか、絶対に本心からそう言った後、自分の目の前に座っているお客様に向かって声を掛けた。
「ね!!店長のお姉さん!!!」
さっきからピクリとも動かないままの愛姉さんに、マナリーは同意を求める声まで掛けてくれた。
「愛姉さんは1番下のお姉様なんですよね~?
上2人のお姉様とは違って、恋多き女どころか恋愛経験がゼロでエッチの経験もない・・・えっと、可哀想なお姉様だっけ?みっ君。」
“みっ君”との打ち合わせ通り、私から愛姉さんに話し掛けると、愛姉さんはやっぱりピクリとも動かずに口だけを小さく動かした。
「みっちゃんがそう言っていたんですか・・・?」
小さな小さな声がそう言ってくる。
これは演技なのか何なのか・・・。
青さんからは“鎌田さんからの依頼”についての指示しか細かく出されていない。
だから愛姉さんからどんなことを言ってくるかは全く分からない。
でも・・・
“この短期間で徹底的に指導した。”
青さんからのその言葉を思い浮かべ、心の中で何度も頷きながら清掃をしていく。
「はい!!
私がみっ君に結婚の話を出したら、1番下のお姉様の結婚相手が見付かれば自分も結婚するって言われた時に、色々と聞いたんです~。」
やっぱりピクリとも動かない横顔には心配になるけれど、それよりも何よりも、“愛姉さんって横顔が凄く綺麗だな”と思った。
美しい“みっ君”には全然似ていないと思ったけれど、横顔はみっ君よりも美しいと思う。
“みっ君”のようにサラッサラの髪の毛ではない、パーマがかかっているような長い黒髪。
それも似合っていないわけではないけれど、なんだか暗く重い印象を更に持ってしまう髪型に思えた。
「みっ君、愛姉さんのことを凄く心配してるんですよ~?
お仕事も上のお姉様達が立ち上げた会社で働いていて、そこでも雑用しかさせて貰えていなかったり~。
あとは、みっ君の実家では家事だけはなく、未婚の上のお姉様達の子どもの無料ベビーシッターにもなってるって!」
「それは・・・、子ども達のことは・・・私が望んでしていることにも今ではなってるから・・・。」
「子どもに掛かっているお金だけではなくて、ベビーシッター代くらいは貰ったらどうですか?」
「お金なんていらないよ・・・。
あの子達のお世話が出来て私は凄く嬉しくて・・・。
私・・・」
愛姉さんが初めて動き、ゆっくりと”みっ君”のことを見上げた。
「私、凄く幸せだよ?
あの子達がいてくれて、私は凄く幸せだよ?
みっちゃんも知ってるでしょ・・・?」
表情はやっぱりピクリとも動かなかったけれど、何だか心にグッとくる声と言葉だった。
“みっ君”の気持ちも愛姉さんの気持ちも青さんから聞いているからか、泣きそうになるくらいの声と言葉に感じた。
そんな愛姉さんの声と言葉に、“みっ君”は・・・
「今もそうなの?
俺が実家を出てから結構経ったけど。」
“演技下手くそすぎだって、みっ君!!!!”
苦しそうな顔で、泣きそうな顔でそんなことを言うくらいなら、気持ちを伝えてしまえば良いのにと思ってしまう。
でも、私だって知っている。
鎌田さんもとても優しい人だから、従姉である愛姉さんにその気持ちは伝えない。
愛姉さんが“普通”に幸せになる為に、その気持ちは伝えない。
“バカだなぁ、みっ君。
女の子の心だけじゃなくて身体まで知り尽くしているような、男子校みんなのヤリ◯ン先輩なのに。
1番近くにいた1番愛している女の子の心だけは分からないとか、ヤリ◯ン先輩の名前は返上だよ?”
”青さんからの依頼“を無理矢理でも自分の中に戻し、気合いを入れまくる。
「みっ君って昔は同時進行の彼女を何人も作るタイプだったのに、29歳になってからは1人ずつとしか付き合ってくれないって有名なんです~!
信じられないことに、私の番が来た♪」
「こんなに可愛い女の子を待たせるとか、店長悪い男ですね~。
そして昔はもっと悪い男でしたね~。」
“マナリー~・・・!!!
めっっっちゃ上手だよぉぉぉ!!”
「俺こういう見た目だけど昔は性欲強めだったからさ。
でも彼女達もみんなそれを受け入れてくれてたから悪いことはしてないよ?」
「いや、店長、それめっちゃ悪いから。
それで傷付いていた女の子も絶対いたと思いますよ?」
“マナリー、大好き!!大好き!!!”
マナリーが名演技というか、絶対に本心からそう言った後、自分の目の前に座っているお客様に向かって声を掛けた。
「ね!!店長のお姉さん!!!」
さっきからピクリとも動かないままの愛姉さんに、マナリーは同意を求める声まで掛けてくれた。
「愛姉さんは1番下のお姉様なんですよね~?
上2人のお姉様とは違って、恋多き女どころか恋愛経験がゼロでエッチの経験もない・・・えっと、可哀想なお姉様だっけ?みっ君。」
“みっ君”との打ち合わせ通り、私から愛姉さんに話し掛けると、愛姉さんはやっぱりピクリとも動かずに口だけを小さく動かした。
「みっちゃんがそう言っていたんですか・・・?」
小さな小さな声がそう言ってくる。
これは演技なのか何なのか・・・。
青さんからは“鎌田さんからの依頼”についての指示しか細かく出されていない。
だから愛姉さんからどんなことを言ってくるかは全く分からない。
でも・・・
“この短期間で徹底的に指導した。”
青さんからのその言葉を思い浮かべ、心の中で何度も頷きながら清掃をしていく。
「はい!!
私がみっ君に結婚の話を出したら、1番下のお姉様の結婚相手が見付かれば自分も結婚するって言われた時に、色々と聞いたんです~。」
やっぱりピクリとも動かない横顔には心配になるけれど、それよりも何よりも、“愛姉さんって横顔が凄く綺麗だな”と思った。
美しい“みっ君”には全然似ていないと思ったけれど、横顔はみっ君よりも美しいと思う。
“みっ君”のようにサラッサラの髪の毛ではない、パーマがかかっているような長い黒髪。
それも似合っていないわけではないけれど、なんだか暗く重い印象を更に持ってしまう髪型に思えた。
「みっ君、愛姉さんのことを凄く心配してるんですよ~?
お仕事も上のお姉様達が立ち上げた会社で働いていて、そこでも雑用しかさせて貰えていなかったり~。
あとは、みっ君の実家では家事だけはなく、未婚の上のお姉様達の子どもの無料ベビーシッターにもなってるって!」
「それは・・・、子ども達のことは・・・私が望んでしていることにも今ではなってるから・・・。」
「子どもに掛かっているお金だけではなくて、ベビーシッター代くらいは貰ったらどうですか?」
「お金なんていらないよ・・・。
あの子達のお世話が出来て私は凄く嬉しくて・・・。
私・・・」
愛姉さんが初めて動き、ゆっくりと”みっ君”のことを見上げた。
「私、凄く幸せだよ?
あの子達がいてくれて、私は凄く幸せだよ?
みっちゃんも知ってるでしょ・・・?」
表情はやっぱりピクリとも動かなかったけれど、何だか心にグッとくる声と言葉だった。
“みっ君”の気持ちも愛姉さんの気持ちも青さんから聞いているからか、泣きそうになるくらいの声と言葉に感じた。
そんな愛姉さんの声と言葉に、“みっ君”は・・・
「今もそうなの?
俺が実家を出てから結構経ったけど。」
“演技下手くそすぎだって、みっ君!!!!”
苦しそうな顔で、泣きそうな顔でそんなことを言うくらいなら、気持ちを伝えてしまえば良いのにと思ってしまう。
でも、私だって知っている。
鎌田さんもとても優しい人だから、従姉である愛姉さんにその気持ちは伝えない。
愛姉さんが“普通”に幸せになる為に、その気持ちは伝えない。
“バカだなぁ、みっ君。
女の子の心だけじゃなくて身体まで知り尽くしているような、男子校みんなのヤリ◯ン先輩なのに。
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