【R18】清掃員加藤望、社長の弱みを握りに来ました！

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「今回は私が担当になりましたので、私にお任せして貰えますか？
愛姉さんの魅力を引き出した可愛いヘアスタイルにします！
生まれ変わったくらいの可愛い女の人にしてみせます！！」



マナリーの言葉に、鏡の中の鎌田さんの顔が歪んだ。



「今は縮毛矯正じゃなくてもクセをおさえながら活かせるトリートメントもありますよ？
自然な仕上がりになるので私はこっちの方がオススメですし、まず愛姉さんって横顔とか首のラインが凄く綺麗だから、絶対にショートが似合う！！
それに絶対もっと明るい髪色が似合う！！」



大きく大きく、歪んでいく。



「ですよね？店長！！」



その顔はまるで子どものようで。



その顔はまるで、私の呆けたおばあちゃんが照之のことを求めて泣き叫ぶ寸前の顔で。



見ていられなかった。



いつだって綺麗で格好良い鎌田さんのそんな顔を、私はこのまま見ていられなかった。



”ダメ・・・。“



”ダメ・・・。“



”このまま鎌田さんのことを殺さないと・・・。“



頭ではそう思うのに、私はやっぱり”ダメ秘書“だからこの口が勝手に動いてしまう。



「愛姉さんのそのヘアスタイル、鎌田さんの思い出のヘアスタイルなんですか？」



私の彼氏の”みっ君“ではなく、鎌田さんに手を差し伸ばしてしまった。



殺さなければいけないのに、どうしても手を差し伸ばしてしまった。



「鎌田さん、ごめんなさい。」



鏡越しに鎌田さんに謝罪をする。



でも、絶対に幸せにする・・・。



私は鎌田さんのことも普通に大好きだから、鎌田さんのこともちゃんと幸せにする・・・。



「私、“ダメ秘書”だからやっぱり上手く掃除が出来なかったです。
愛姉さんに”結構良い”男の人を紹介することが出来ない、ごめんなさい。」



「うん、俺こそ望ちゃんを選んでごめんね？
愛姉に普通に結婚を勧めてみるよ。」



こんなに苦しそうな顔で、こんなにも泣きそうな顔で、鎌田さんがまだそんなことを言っているので、私は言った。



私は“ダメ秘書“だから迷わずに言った。



余計なことを、言った。



「そうですね、こんなに苦しそうで泣きそうなくらいなら、早く鎌田さんと愛姉さんが結婚した方が良いですよ。」