164 / 693
11
11-8
しおりを挟む
あのお兄ちゃんが”お兄ちゃん“だと認めるくらいの”普通“ではない男子高校生、安倍さん。
その男子高校生が”中華料理屋 安倍“から”公認会計士 安倍“になった。
”煩くて面倒でヤバい“、お兄ちゃんが住むアパートの住人であった松戸先生が立ち上げた会計事務所に誘われ、安倍さんは二十歳の年に”中華料理屋 安倍“から外の世界へと足を踏み出したから。
お兄ちゃんは、ソレに秘書生命を懸けた。
一美さんが心の奥底でずっっっと好きだった相手であるその男の子が一美さんの相手として相応しい立場の人間になれる為に、その小さな小さな可能性に懸けた。
そして、譲社長も代表取締役になり増田財閥を整え始めた時、お兄ちゃんも予想していなかったことが起きた。
なんと、譲社長はこれまでの税理士法人を切り新たに契約を結んだのは、安倍さんがいる松戸会計事務所だった。
「お兄ちゃんが懸けた小さな小さな希望は、間違っていなかった。
安倍さんは必ず増田財閥を支え、増田財閥の為に動ける男になれる。
今はまだ増田財閥の担当にはなれていないけれど、いつか必ずなれる。
それでいつか必ず・・・うちのお嬢様の相手として・・・」
「”いつか必ず“、かよ。」
私の言葉の途中で青さんが口を挟んできた。
「”いけないコト“をしたお嬢様は確かに一平よりは優秀なのかもしれないけどな、俺にはただの美人でエロい女にしか見えなかった。
とてもじゃないけど、他の分家の奴らの上に立てるような女ではなかった。」
「はい、だから青さんにお願いをしたんです。
まだまだ一美さんは弱い。
安倍さんと離れた後、1人では安倍さんの所にまた歩いて行けなかったくらいに・・・お兄ちゃんが裏で手を回さなければ安倍さんと再会出来なかったくらいに弱い。」
美しくて綺麗で、私のお姉さんのような存在である一美さんの姿を思い浮かべながら青さんにもう1度言う。
「一美さんのことを強くしてください、青さん。
うちのお嬢様が綺麗で正しく生きながらも、女なのに他の分家の1番上に立つという”いけないコト“も出来るようなお嬢様になれるように。」
真剣に言った私に青さんはまたご飯を食べながら何でもない顔で聞いてきた。
「俺のチ◯コ使って良い?」
「・・・・・ダメに決まってるじゃん。」
「じゃあ、やらない。
あんなに良い女で、しかもあの女ぜっっったいエロい女だって分かってるのに、チ◯コ使わない以外で俺どうやったら良いか分かんねーし。」
「えぇ~・・・・、やってくれるって言ってたのに。」
「お前だって、妊娠してたら俺と結婚するって言ってた。」
それを聞き、今のこの全ての流れはコレだけの為にあったものだとやっと分かった。
それには呆れた顔を作りながら青さんに言った。
「妊娠してたら青さんと結婚するから、うちのお嬢様のことをお願いできますか?」
絶対に妊娠することはないと分かっているのでこの言葉を口にした私に、青さんはめちゃくちゃ嬉しそうに、めちゃくちゃ満足そうに頷いた。
「俺は5時間は寝ないと起きられない奴だからな。
今日も仕事だし絶対に起きないといけないから、これ、一睡もしないで朝まで考えたやつ。
その言葉が望から聞けてマジでよかった。」
「青さんって本当にバカだよね。
そんなことを考えてる時間があったら普通に寝なよ。」
そう言いながら私もまたご飯を食べ始めた。
あんなに味がなくなっていた私のご飯はまたちゃんと味がしていて。
食べ始めた時よりももっと美味しく感じるくらいの味までしてきて。
昨日の夜も今朝もあんなに”幸せ“だったのに、また”幸せ“が増していった。
怖いくらいに、”幸せ“だと思えた。
暗示と洗脳による”愛“だと分かっているのにこんなに”幸せ“になってしまう私は、やっぱりこんなにも”ダメ秘書“だった。
その男子高校生が”中華料理屋 安倍“から”公認会計士 安倍“になった。
”煩くて面倒でヤバい“、お兄ちゃんが住むアパートの住人であった松戸先生が立ち上げた会計事務所に誘われ、安倍さんは二十歳の年に”中華料理屋 安倍“から外の世界へと足を踏み出したから。
お兄ちゃんは、ソレに秘書生命を懸けた。
一美さんが心の奥底でずっっっと好きだった相手であるその男の子が一美さんの相手として相応しい立場の人間になれる為に、その小さな小さな可能性に懸けた。
そして、譲社長も代表取締役になり増田財閥を整え始めた時、お兄ちゃんも予想していなかったことが起きた。
なんと、譲社長はこれまでの税理士法人を切り新たに契約を結んだのは、安倍さんがいる松戸会計事務所だった。
「お兄ちゃんが懸けた小さな小さな希望は、間違っていなかった。
安倍さんは必ず増田財閥を支え、増田財閥の為に動ける男になれる。
今はまだ増田財閥の担当にはなれていないけれど、いつか必ずなれる。
それでいつか必ず・・・うちのお嬢様の相手として・・・」
「”いつか必ず“、かよ。」
私の言葉の途中で青さんが口を挟んできた。
「”いけないコト“をしたお嬢様は確かに一平よりは優秀なのかもしれないけどな、俺にはただの美人でエロい女にしか見えなかった。
とてもじゃないけど、他の分家の奴らの上に立てるような女ではなかった。」
「はい、だから青さんにお願いをしたんです。
まだまだ一美さんは弱い。
安倍さんと離れた後、1人では安倍さんの所にまた歩いて行けなかったくらいに・・・お兄ちゃんが裏で手を回さなければ安倍さんと再会出来なかったくらいに弱い。」
美しくて綺麗で、私のお姉さんのような存在である一美さんの姿を思い浮かべながら青さんにもう1度言う。
「一美さんのことを強くしてください、青さん。
うちのお嬢様が綺麗で正しく生きながらも、女なのに他の分家の1番上に立つという”いけないコト“も出来るようなお嬢様になれるように。」
真剣に言った私に青さんはまたご飯を食べながら何でもない顔で聞いてきた。
「俺のチ◯コ使って良い?」
「・・・・・ダメに決まってるじゃん。」
「じゃあ、やらない。
あんなに良い女で、しかもあの女ぜっっったいエロい女だって分かってるのに、チ◯コ使わない以外で俺どうやったら良いか分かんねーし。」
「えぇ~・・・・、やってくれるって言ってたのに。」
「お前だって、妊娠してたら俺と結婚するって言ってた。」
それを聞き、今のこの全ての流れはコレだけの為にあったものだとやっと分かった。
それには呆れた顔を作りながら青さんに言った。
「妊娠してたら青さんと結婚するから、うちのお嬢様のことをお願いできますか?」
絶対に妊娠することはないと分かっているのでこの言葉を口にした私に、青さんはめちゃくちゃ嬉しそうに、めちゃくちゃ満足そうに頷いた。
「俺は5時間は寝ないと起きられない奴だからな。
今日も仕事だし絶対に起きないといけないから、これ、一睡もしないで朝まで考えたやつ。
その言葉が望から聞けてマジでよかった。」
「青さんって本当にバカだよね。
そんなことを考えてる時間があったら普通に寝なよ。」
そう言いながら私もまたご飯を食べ始めた。
あんなに味がなくなっていた私のご飯はまたちゃんと味がしていて。
食べ始めた時よりももっと美味しく感じるくらいの味までしてきて。
昨日の夜も今朝もあんなに”幸せ“だったのに、また”幸せ“が増していった。
怖いくらいに、”幸せ“だと思えた。
暗示と洗脳による”愛“だと分かっているのにこんなに”幸せ“になってしまう私は、やっぱりこんなにも”ダメ秘書“だった。
0
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。
すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。
そこで私は一人の男の人と出会う。
「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」
そんな言葉をかけてきた彼。
でも私には秘密があった。
「キミ・・・目が・・?」
「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」
ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。
「お願いだから俺を好きになって・・・。」
その言葉を聞いてお付き合いが始まる。
「やぁぁっ・・!」
「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」
激しくなっていく夜の生活。
私の身はもつの!?
※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
では、お楽しみください。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
黒瀬部長は部下を溺愛したい
桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。
人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど!
好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。
部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。
スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる