上 下
16 / 236
1

1-16

しおりを挟む
その日の定時



18時になった瞬間に立ち上がった元気さんを見て、私も慌てて立ち上がった。



「元気さん!!」



私が元気さんを呼ぶと、元気さんは無表情で私のことを見てきた。
そんな元気さんの顔にはショックを受けながらも続ける。



「一緒に帰りませんか?」



そう言った私に元気さんは無表情のまま聞いてきた。



「じいちゃんから俺に近付けって言われたの?」



そんな言葉に私は慌てて首を横に振る。
そして慌てながら口を開こうとしたら、元気さんが私をバカにしたような顔で笑ってきた。



「玉の輿狙ってた?
ごめんね、俺は本家の次男だけど増田財閥とか何も興味がないし、偉くなるつもりもない。
ここに来てるだけでいいって言われてるからここに来てるだけ。
期待外れだったでしょ、ごめんね。」



「玉の輿なんて狙ってません・・・。
元気さんが増田財閥の人だったことも知りませんでした・・・。」



そう伝えてから泣きそうになるのを我慢しながら聞いた。



「忘れちゃったんじゃなくて、なかったことにしたんですか・・・?
私が玉の輿を狙ってると思ったから、なかったことにしたんですか?」
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

だから女装はしたくない

BL / 完結 24h.ポイント:241pt お気に入り:5

悪役令息の義姉となりました

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:23,365pt お気に入り:1,382

女装人間

現代文学 / 連載中 24h.ポイント:255pt お気に入り:12

異世界に行ったらオカン属性のイケメンしかいなかった

BL / 連載中 24h.ポイント:426pt お気に入り:200

役目を終えて現代に戻ってきた聖女の同窓会

恋愛 / 完結 24h.ポイント:4,460pt お気に入り:78

外絵夢予報

エッセイ・ノンフィクション / 連載中 24h.ポイント:71pt お気に入り:0

処理中です...