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元気さんに謝られ、私は首を横に振った。



「“2人で”ご飯を食べる約束ではありませんでしたし、“社員食堂ではない”という約束でもありませんでした。
一緒に帰るのも“会社の下まで”は帰って貰いました。
それに・・・」



言葉を切り苦笑いをしながら元気さんに伝える。



「私は1年後に元気さんと付き合えないことは分かっていました。
だから“付き合えない”と答えていて。」



「え・・・マジで?」



「はい、でも私は約束をしちゃいました。」



「うん、約束してくれたよね・・・?」



「付き合えないことは分かっていました。
でも、私は元気さんと付き合いたかったから・・・。
いつも私が約束を忘れちゃうけど、私が約束を忘れなければ付き合うことが出来るのかもしれないと思ってしまいました・・・。」



「そっか・・・。
付き合えなかったのは俺のせいだったのにね、ごめん・・・。」



元気さんが苦しそうな顔で言葉を出すので、私は左手の薬指を元気さんに近付けた。



「増田財閥で偉くなっていくという約束を守り続ける元気さんと付き合うっていう約束をします。」



元気さんは怖いくらい真剣な顔で頷き、それから左手の小指を私の小指に近付けてきた。



元気さんの小指と私の小指がゆっくりと繋がり、そしてキツく結ばれる。



そしたら・・・



「・・・ゎっ」



私の小指を元気さんの小指が強く引いたかと思ったら、元気さんが私の唇を強引に塞いだ。
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