【完】花火の音が終わるまで抱き締めて(カットページのラブシーンも掲載済2023.4.23、詳細ページは内容欄に記載)

Bu-cha

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そして先生も・・・知っていた。
お母さんのことだけは知っていた。
中学3年生の時にお母さんがそうなってしまったから、先生はお母さんのことだけは知っていた。



でも、お父さんやお兄ちゃんのことは言えなかった。
26歳の時に先生の事務所に誘ってもらえて、いつでも言えたのに私は言えなかった。
先生には知られたくないと思ってしまった。



先生にだけは思われたくないと思ってしまった。



私が“重い女”だと思われたくないと思ってしまった。
私の大好きな家族のことを、先生にだけは“重い”と思われたくなかった。



先生にだけは知られたくなかった。
だから、やめてほしかった。
私に対して頑張ることをやめてほしかった。



それは私が良い女ではないという証明になってしまうから。
先生にとって私が良い女ではないとう証明だから。



先生を不幸にするのは私でない誰かであってほしかった。
それくらい、私は先生のことが好きだった。



それくらい先生のことが好きだったから、私は言えなかった。
私がどう良い女ではないのか言えなかった。
私がどう“重い女”なのか言えなかった。



だって、嬉しくもあったから。
好きな人から頑張ってもらえて、嬉しくもあったから。



だから濁したまま、抱いてもらった・・・。



幸せだった・・・。



女として私は、幸せだった・・・。




「よかった、私は良い女じゃなくて・・・。
だから先生に抱いてもらえた・・・。
初めてを、先生に貰ってもらえた・・・。」



 
自然と笑いながらスマホの画面を黒くした。
涙が流れたけど、これは悲しみの涙ではない気がする。




「寝よう・・・。」




寝れば忘れる。
私は引きずらないタイプで、色んなことも寝れば忘れられる。
どんなことも寝れば忘れてこられた。




お父さんとお母さんには期待させて可哀想なことをしてしまったけど、そこは仕方がない。
1人で“しっかり”は生きていけないけど、1人でなんとなくだったら生きていける。




そのことは家族全員が知っているので、大丈夫。
きっと、大丈夫・・・。
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