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お兄ちゃんより先に家に帰り、私は自分の家の方に帰った。
そして・・・アルバムを広げる・・・。
“お父さん”と“お母さん”のアルバムを広げる・・・。
“お父さん”と“お母さん”が笑顔で写っている写真・・・。
そして、“お父さん”と“お母さん”と小さい頃の私のお兄ちゃんが3人で写っている写真・・・。
そして・・・“お父さん”が病院のベッドでどんどん痩せていく写真・・・。
そこに、大きなお腹の“お母さん”と私のお兄ちゃんが写っている・・・。
そして・・・
そして・・・
“お父さん”はいなくなってしまった写真・・・。
“お母さん”とお兄ちゃん、赤ちゃんの頃の私が写り始める・・・。
そして、私を育ててくれている“お母さん”も写り始めて・・・。
幸せそうで・・・。
皆、とても幸せそうで・・・。
でも・・・
それで、終わった・・・。
このアルバムはそれで、終わった・・・。
“お母さん”が死んでしまって、終わった・・・。
覚えていない・・・。
私は何も覚えていない・・・。
“お父さん”と“お母さん”のことを、何も覚えていない・・・。
そう思いながら、茶色いボロボロのノートを両手でこの胸に抱き締める。
「でも、知ってる・・・。」
私は、知ってる・・・。
“お父さん”と“お母さん”を、ちゃんと知ってる・・・。
そして・・・アルバムを広げる・・・。
“お父さん”と“お母さん”のアルバムを広げる・・・。
“お父さん”と“お母さん”が笑顔で写っている写真・・・。
そして、“お父さん”と“お母さん”と小さい頃の私のお兄ちゃんが3人で写っている写真・・・。
そして・・・“お父さん”が病院のベッドでどんどん痩せていく写真・・・。
そこに、大きなお腹の“お母さん”と私のお兄ちゃんが写っている・・・。
そして・・・
そして・・・
“お父さん”はいなくなってしまった写真・・・。
“お母さん”とお兄ちゃん、赤ちゃんの頃の私が写り始める・・・。
そして、私を育ててくれている“お母さん”も写り始めて・・・。
幸せそうで・・・。
皆、とても幸せそうで・・・。
でも・・・
それで、終わった・・・。
このアルバムはそれで、終わった・・・。
“お母さん”が死んでしまって、終わった・・・。
覚えていない・・・。
私は何も覚えていない・・・。
“お父さん”と“お母さん”のことを、何も覚えていない・・・。
そう思いながら、茶色いボロボロのノートを両手でこの胸に抱き締める。
「でも、知ってる・・・。」
私は、知ってる・・・。
“お父さん”と“お母さん”を、ちゃんと知ってる・・・。
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