【完】お兄ちゃんは私を甘く戴く

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お父さんは私が産まれる前に死んじゃった。



お母さんは私が3歳の時に死んじゃった。



お父さんの記憶はないし、お母さんのことも何も覚えていない。



とにかく、私は小さかったから何も覚えてはいなくて。



なんとなく覚えているのは、幼稚園に入ってからだと思う。



私はいつも何かに怒っていた。



いつも何かにイライラしていた。



いつも何かを不安に思っていた。



いつも何かを怖いと思っていた。



早く死んで、お父さんとお母さんに会いたいとも思っていた。



いつも誰かに怒られているような私と会って、お父さんとお母さんは喜んでくれるかは分からないけど・・・。



皆から嫌われているような私を見て、お父さんとお母さんは私を好きになってくれるかは分からないけど・・・。



でも、私はお父さんとお母さんに会いたかった・・・。



会って、抱き締めて貰いたかった・・・。



会って、強く強く、抱き締めたかった・・・。




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