【完】死神にウェディングドレスを

Bu-cha

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それに俺は笑う・・・。
天野さんといるのに、苦しくなりながら笑う・・・。



「母親と息子ですよ、あり得ませんよ・・・。
何もセーフじゃありませんから・・・。」



「血が繋がってねーならセーフだろ。
・・・半分とかも繋がってねーんだろ?」



「そうですね・・・。」



「それならセーフだろ。
俺の母親も血の繋がってない息子と結婚したしな。」



その言葉には、驚く。
今日は驚いてばかりいる。



驚きながら天野さんを見ていると、天野さんは俺の顔を見て大笑いをした。



「たまに会社に来てる“男”いるだろ、天野男(おとこ)。
俺の10人きょうだいの1番上の兄貴、調査会社の社長の天野男。
あの人、俺の母親と結婚してるぞ。」



「それは・・・凄いっすね。」



そんな感想しか言えなかった・・・。



「社長が小学校3年、俺の母親が25歳の時に2人は出会った。」



「そこからどうやって・・・恋愛したんですかね・・・。」



「そこまでは知らねーや、流石に母親のそういう話はいらねーから。
きょうだい全員、たぶん誰も聞いてねーな。」



天野さんがそう言って笑うので、俺は苦しくなってきた胸を右手でおさえた。



そして、言葉を出した。



「俺は、いいんです・・・。
もう、“あれ”でよくて・・・。
あれ以上は、いらなくて・・・。
相手、いますから、あの人・・・。
ずっと昔から・・・あの人、相手がいますから・・・。」



「・・・それ、お前じゃねーの?
部屋に入ってから一瞬、死神がちゃんとそういう動きしてたけどな。」



「まあ・・・息子としては愛してくれてますよ、凄く。」



俺の言葉に天野さんが少し考えた様子になった。
そんな天野さんに、今度は俺が聞く。



「あの人が死神なの、何で知ってるんですか?」



俺がそう聞くと天野さんは普通に答えた。
やっぱり、普通に答えた。



「社内でそう呼ばれてるらしいぞ、死神って。」



そう、普通に答えた・・・。



雷(かみなり)が落ちたようだった・・・。



それくらいの衝撃だった・・・。



それくらいの、衝撃だった・・・。
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