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第4章 『水とともに生きる:後編』
第5話 読みたい
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善利さんの件で建物だけは目にしていた図書館へやって来た。
図書館と言うより、どこかのイベント会場やホールのような見た目をしている。
入り口前の銅像周りには水も張ってあって、モダンな造りのように思えるけれど、しかして中は想像通りの図書館なものだから、ギャップにやられてしまいそうになる。
色々と見て回りたいところではあるのだけれど、今日はしっかりと目的がある。
また今度、お散歩がてらに立ち寄ることとしよう。
「すみません、お尋ねしたいのですが」
クリスさんが、受付の若いお姉さんに尋ねる。
「はい、どういったご用件でしょうか?」
「ここ近江八幡市、そして出来ればイタリアはヴェネツィア、その二つの地図を閲覧したいのですけれど」
「市内とヴェネツィア、ですね。少々お時間を頂きますが、大丈夫ですか?」
「ええ、お願いいたします。私はここで待っていますから、お二人はご自由に回っていてください」
クリスさんは、振り返りそう言った。
申し訳ないことだけれど、確かに受付付近で三人も溜まっているのもあまり良くはないかな。
「分かりました。行こっか、ジブリールさん」
「はい、おねえさん」
ジブリールさんが頷くのを受けて、私たちは一度、その場を離れる。
そうして少し歩いたところで、ジブリールさんが私の袖を引いた。
「おねえさんは、本をよむしますか?」
「読むします……ああ、うん、多少はね。そこまで詳しい訳じゃないけど」
「しょうせつ、読みますか?」
「漫画とか実用書よりはね。どうして?」
「ニホンゴのべんきょう、したい思います。だから、わたしでも読めるな本、おしえてほしい」
「うっ、難しい話を……」
何か簡単な日本語で書いてある小説ってあったかな。
児童書なら読み易いかな……?
なんて考えていたところで、私はふと、クリスさんが以前言っていたことを思い出した。
「そう言えばクリスさん、小説を出版してるって……」
「クリス? あそこにいるクリスですか?」
「う、うん、あのクリスさん。確か、過去に五作品だか世に出してるって言ってたよ」
そう口にした瞬間、ジブリールさんの表情がパッと明るくなった。
興味深々といった様子である。
「わたし、それがいいです! クリスの本、よみます!」
「あー待って待って、簡単には見つからないと思う。その話を聞いた時、タイトルを尋ねても『恥ずかしいです』って教えてくれなかったんだよね」
「むぅ、そうですか……クリスの本、よみたいです」
「だよね。あのおっとりぽわぽわでいて大事なところでは頭の切れる人から、どんな物語が作られてるのか、私も気になる」
「……わたしが聞くと、おしえてくれないですか?」
「うーん、どうだろ。ジブリールさんが尋ねてる時点で、私から聞いたんだろうってことは容易に想像つくし。誰か、他に知ってる人から教えてもらうしかないかな」
「だれか……あっ! ケーキくれたひと! ノンナ!」
「ノンナ、が何かは分かんないけど、ケーキってことは珠子さんのことかな? 確かに、あの人が知らない筈はないけど……」
クリスさんが孫とは言え、自分でない誰かのことをそうおいそれと教えるような人ではないとは思う。
一朝一夕にはいかないだろう。
でも……知りたい。
何とかして教えてくれるなら、是非とも何とかしたい。
「よしっ! 今度お仕事の時に、珠子さんにかけあってみるよ」
「ほんとですか!」
「もちろん。私も知りたいし、読みたいからね。協力して欲しいことが出来たら言うよ」
「ありがと、おねえさん!」
大いに喜びながら、ジブリールさんは私を強く抱擁した。
未だ何が進展した訳でもないけれど、その道標だけでも見えたことに歓喜しているのか……こういう素直というか真っ直ぐなところは、やっぱり年下なんだなって思う。
……年下?
「痛い痛いって……それよりジブリールさん、貴女っていくつ? そう言えば名前と出身地以外知らないなって」
「いくつ? ねんれい、ならディチオットです」
ジブリールさんは、私から離れつつ答えた。
「でぃち……なんて?」
「あっ……えっと、じゅうはち、ですね」
「うそ、同い年!?」
驚きに大きな声を出してしまった。
慌てて見回す周囲に人はいないようだったけれど、しまったと口を強く閉じる。
私のことを『おねえさん』と呼ぶものだから、年下だと思っていた。そのつもりで、私も砕けた話し方をしていたけれど……そっか。
ジブリールさん、お顔はとても整っていて身長もあるから大人びて見えるのに話すほどに幼さを感じる、という印象だったけれど、私の感じたあの幼さは、天真爛漫さゆえの素直さだったんだ。
「おないどし、とはなんですか?」
「えっと、私も十八歳ってこと。ディチオット、だっけ?」
「おー! ホントですか! じゃあアミーカですね!」
「あ、アミーカ……?」
「あぅ…ニホンゴで、『ともだち』のいみですね。シズクはともだちです!」
「ともだち……うん、友達。改めてよろしくね、ジブリールさん」
「はい、シズク!」
パッと明るく笑って、うんうんと頷くジブリールさん。
こういうところが幼く見える理由なんだろうな。
「さて、そろそろ――」
「ええ。こちらの準備も整いましたよ」
背後からクリスさんが声を掛ける。
振り返ると、大きな紙を二つ、手に持っていた。
力なく項垂れるそれを一つ受け取り、共用スペースにある机へと持ってゆく。
クリスさんは、それらを横に並べて見比べ始めた。私たちも倣って見てみるけれどヒントの一つも分かりはしない。
ここの地図は日本語、ヴェネツィアの地図はイタリア語だ。
やがてクリスさんは、ジブリールさんの持っていた地図をも机上に開けさせると、ますます険しい表情でそれらを凝視した。
「桜を見ている神父さんの絵……ジブリールさん、ヴェネツィアの何処かで桜を見られる場所はございますか?」
ジブリールさんは、意外にもすぐに頷いた。
「さくら見れる、あります。でも、ただの広場です。とくべつなこと、ありません」
「場所はどの辺りになるか分かりますか?」
「はい。ここですね」
ジブリールさんの指すそこには、ローマ広場という文字が書かれていた。
イタリア本土よりヴェネツィアへと至る電車の停車駅、サンタ・ルチア駅から橋を渡った、すぐの場所だ。
しかし、そこには特別何があるという訳ではないらしい。
「ここについて、何か思い当たることはございますか?」
「思い当たる……あっ、そういえばここ、マコトといった気がします。たぶん、ですね」
「例の男の子と?」
「はい。でも、何をしてもないと思います。さくらのもじ? が、何かとまちがえるねって、マコトは言ってました。何かは、おぼえてないですね」
「――なるほど。『桜』の謎は、一旦置いておきましょうか」
クリスさんはそこで、小さく息を吐いた。
「『聖職者』については心当たりがありますが、はっきりとは申し上げられません。『漁師と墓場』も……考え方を変えましょう。ジブリールさん、貴女がその男の子とどのようなことをしたか、あるいはどこへ行ったか、といった思い出話を、差し支えない範囲で教えていただけませんか?」
クリスさんはそう言うけれど、ジブリールさんは渋い顔。
どうしたのかと横から尋ねると、
「あまり、おぼえてないですね……」
とのことだった。
あちこち回ったことは覚えているが、具体的にどこかと問われると分からない、というのがジブリールさんの答えだった。
古い記憶というのも理由なのだろうけれど、それ以上に、当時はそのマコトさんと遊ぶことそれ自体が楽しく、どこで何を、という具体的なことは二の次だったのだそうだ。
それだけ、マコトさんのことを本気で慕っていたんだ。
「さくらのことも、さっきだけ思いだしたから……すみません、です」
「いえ。では、話しながら思い出していきましょう。この二つの地図も、印刷して頂いたものなので、このまま持って帰っても差し支えありませんし。お店へ戻りつつ、お散歩しましょうか」
「あっ! なら、八幡宮の方から帰りませんか?」
「構いませんが、またお勉強の続きですか?」
「じゃなくて、ほら、あそこのお堀に掛かってる橋、ヴェネツィアの『溜息の橋』でしたっけ、あれと似ているってジブリールさんが話してたから。あそこらへんぶらぶらしてたら、何か思い出せることもあるんじゃないかなって」
クリスさんは、一瞬間考えた後で、なるほど、と笑った。
「雫さん、ナイスアシストかもしれません。今日はこれから雨の予報もありませんし、舟も稼働していると知り合いが言っていましたから」
「ふね……?」
「小さな屋形船だよ。ヴェネツィアにもゴンドラがあるでしょ? あれと同じようなもの」
「ゴンドラ……わたし、それたしかめたいです。あの水路とゴンドラあじわったら、何か思いだすかも」
真剣な面持ちで言うジブリールさんに、クリスさんはふわりと笑って頷いた。
「では、八幡宮経由で『水郷めぐり』をさせていただきましょうか」
図書館と言うより、どこかのイベント会場やホールのような見た目をしている。
入り口前の銅像周りには水も張ってあって、モダンな造りのように思えるけれど、しかして中は想像通りの図書館なものだから、ギャップにやられてしまいそうになる。
色々と見て回りたいところではあるのだけれど、今日はしっかりと目的がある。
また今度、お散歩がてらに立ち寄ることとしよう。
「すみません、お尋ねしたいのですが」
クリスさんが、受付の若いお姉さんに尋ねる。
「はい、どういったご用件でしょうか?」
「ここ近江八幡市、そして出来ればイタリアはヴェネツィア、その二つの地図を閲覧したいのですけれど」
「市内とヴェネツィア、ですね。少々お時間を頂きますが、大丈夫ですか?」
「ええ、お願いいたします。私はここで待っていますから、お二人はご自由に回っていてください」
クリスさんは、振り返りそう言った。
申し訳ないことだけれど、確かに受付付近で三人も溜まっているのもあまり良くはないかな。
「分かりました。行こっか、ジブリールさん」
「はい、おねえさん」
ジブリールさんが頷くのを受けて、私たちは一度、その場を離れる。
そうして少し歩いたところで、ジブリールさんが私の袖を引いた。
「おねえさんは、本をよむしますか?」
「読むします……ああ、うん、多少はね。そこまで詳しい訳じゃないけど」
「しょうせつ、読みますか?」
「漫画とか実用書よりはね。どうして?」
「ニホンゴのべんきょう、したい思います。だから、わたしでも読めるな本、おしえてほしい」
「うっ、難しい話を……」
何か簡単な日本語で書いてある小説ってあったかな。
児童書なら読み易いかな……?
なんて考えていたところで、私はふと、クリスさんが以前言っていたことを思い出した。
「そう言えばクリスさん、小説を出版してるって……」
「クリス? あそこにいるクリスですか?」
「う、うん、あのクリスさん。確か、過去に五作品だか世に出してるって言ってたよ」
そう口にした瞬間、ジブリールさんの表情がパッと明るくなった。
興味深々といった様子である。
「わたし、それがいいです! クリスの本、よみます!」
「あー待って待って、簡単には見つからないと思う。その話を聞いた時、タイトルを尋ねても『恥ずかしいです』って教えてくれなかったんだよね」
「むぅ、そうですか……クリスの本、よみたいです」
「だよね。あのおっとりぽわぽわでいて大事なところでは頭の切れる人から、どんな物語が作られてるのか、私も気になる」
「……わたしが聞くと、おしえてくれないですか?」
「うーん、どうだろ。ジブリールさんが尋ねてる時点で、私から聞いたんだろうってことは容易に想像つくし。誰か、他に知ってる人から教えてもらうしかないかな」
「だれか……あっ! ケーキくれたひと! ノンナ!」
「ノンナ、が何かは分かんないけど、ケーキってことは珠子さんのことかな? 確かに、あの人が知らない筈はないけど……」
クリスさんが孫とは言え、自分でない誰かのことをそうおいそれと教えるような人ではないとは思う。
一朝一夕にはいかないだろう。
でも……知りたい。
何とかして教えてくれるなら、是非とも何とかしたい。
「よしっ! 今度お仕事の時に、珠子さんにかけあってみるよ」
「ほんとですか!」
「もちろん。私も知りたいし、読みたいからね。協力して欲しいことが出来たら言うよ」
「ありがと、おねえさん!」
大いに喜びながら、ジブリールさんは私を強く抱擁した。
未だ何が進展した訳でもないけれど、その道標だけでも見えたことに歓喜しているのか……こういう素直というか真っ直ぐなところは、やっぱり年下なんだなって思う。
……年下?
「痛い痛いって……それよりジブリールさん、貴女っていくつ? そう言えば名前と出身地以外知らないなって」
「いくつ? ねんれい、ならディチオットです」
ジブリールさんは、私から離れつつ答えた。
「でぃち……なんて?」
「あっ……えっと、じゅうはち、ですね」
「うそ、同い年!?」
驚きに大きな声を出してしまった。
慌てて見回す周囲に人はいないようだったけれど、しまったと口を強く閉じる。
私のことを『おねえさん』と呼ぶものだから、年下だと思っていた。そのつもりで、私も砕けた話し方をしていたけれど……そっか。
ジブリールさん、お顔はとても整っていて身長もあるから大人びて見えるのに話すほどに幼さを感じる、という印象だったけれど、私の感じたあの幼さは、天真爛漫さゆえの素直さだったんだ。
「おないどし、とはなんですか?」
「えっと、私も十八歳ってこと。ディチオット、だっけ?」
「おー! ホントですか! じゃあアミーカですね!」
「あ、アミーカ……?」
「あぅ…ニホンゴで、『ともだち』のいみですね。シズクはともだちです!」
「ともだち……うん、友達。改めてよろしくね、ジブリールさん」
「はい、シズク!」
パッと明るく笑って、うんうんと頷くジブリールさん。
こういうところが幼く見える理由なんだろうな。
「さて、そろそろ――」
「ええ。こちらの準備も整いましたよ」
背後からクリスさんが声を掛ける。
振り返ると、大きな紙を二つ、手に持っていた。
力なく項垂れるそれを一つ受け取り、共用スペースにある机へと持ってゆく。
クリスさんは、それらを横に並べて見比べ始めた。私たちも倣って見てみるけれどヒントの一つも分かりはしない。
ここの地図は日本語、ヴェネツィアの地図はイタリア語だ。
やがてクリスさんは、ジブリールさんの持っていた地図をも机上に開けさせると、ますます険しい表情でそれらを凝視した。
「桜を見ている神父さんの絵……ジブリールさん、ヴェネツィアの何処かで桜を見られる場所はございますか?」
ジブリールさんは、意外にもすぐに頷いた。
「さくら見れる、あります。でも、ただの広場です。とくべつなこと、ありません」
「場所はどの辺りになるか分かりますか?」
「はい。ここですね」
ジブリールさんの指すそこには、ローマ広場という文字が書かれていた。
イタリア本土よりヴェネツィアへと至る電車の停車駅、サンタ・ルチア駅から橋を渡った、すぐの場所だ。
しかし、そこには特別何があるという訳ではないらしい。
「ここについて、何か思い当たることはございますか?」
「思い当たる……あっ、そういえばここ、マコトといった気がします。たぶん、ですね」
「例の男の子と?」
「はい。でも、何をしてもないと思います。さくらのもじ? が、何かとまちがえるねって、マコトは言ってました。何かは、おぼえてないですね」
「――なるほど。『桜』の謎は、一旦置いておきましょうか」
クリスさんはそこで、小さく息を吐いた。
「『聖職者』については心当たりがありますが、はっきりとは申し上げられません。『漁師と墓場』も……考え方を変えましょう。ジブリールさん、貴女がその男の子とどのようなことをしたか、あるいはどこへ行ったか、といった思い出話を、差し支えない範囲で教えていただけませんか?」
クリスさんはそう言うけれど、ジブリールさんは渋い顔。
どうしたのかと横から尋ねると、
「あまり、おぼえてないですね……」
とのことだった。
あちこち回ったことは覚えているが、具体的にどこかと問われると分からない、というのがジブリールさんの答えだった。
古い記憶というのも理由なのだろうけれど、それ以上に、当時はそのマコトさんと遊ぶことそれ自体が楽しく、どこで何を、という具体的なことは二の次だったのだそうだ。
それだけ、マコトさんのことを本気で慕っていたんだ。
「さくらのことも、さっきだけ思いだしたから……すみません、です」
「いえ。では、話しながら思い出していきましょう。この二つの地図も、印刷して頂いたものなので、このまま持って帰っても差し支えありませんし。お店へ戻りつつ、お散歩しましょうか」
「あっ! なら、八幡宮の方から帰りませんか?」
「構いませんが、またお勉強の続きですか?」
「じゃなくて、ほら、あそこのお堀に掛かってる橋、ヴェネツィアの『溜息の橋』でしたっけ、あれと似ているってジブリールさんが話してたから。あそこらへんぶらぶらしてたら、何か思い出せることもあるんじゃないかなって」
クリスさんは、一瞬間考えた後で、なるほど、と笑った。
「雫さん、ナイスアシストかもしれません。今日はこれから雨の予報もありませんし、舟も稼働していると知り合いが言っていましたから」
「ふね……?」
「小さな屋形船だよ。ヴェネツィアにもゴンドラがあるでしょ? あれと同じようなもの」
「ゴンドラ……わたし、それたしかめたいです。あの水路とゴンドラあじわったら、何か思いだすかも」
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