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本章
第2章 徴兵
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「まあ、SNSと並行して普通にビラ配りとかして仲間集えばいいんじゃない?」
結局更紗のこの言葉でお開きとなった。
まあ、慌てても仕方ないよな。
時刻はまだ夕方だが、特に何する訳もなく俺達は解散した。
しかし、事態が急変したのは3人で集まった日からたったの1週間である。
「政府は18歳以上の男子に対し、徴兵を課す案を可決、来月より実行に移す見通しです。」
朝に何気なくニュースを見ていると、目に飛び込んだのがこれである。
「政府は正気か?」
確かに徴兵制度の導入は以前から政府内部で話し合われていた議題の1つであった。
導入の流れは確かにごく自然な流れである。流れであったが......
「これは偶然なのか......?」
政府が徴兵制度を施行したタイミングが悪すぎる。
俺達が日本を昔の安全な日本に戻す活動をしようと志したタイミングで徴兵制度である。
「考え過ぎなのか?いや......」
今回の政府の動きがやけに引っかかった。
※
それから更に1ヶ月が経った。
「おい、ニュース見たか?俺達も運が悪いよな。」
「ん?なんの話だ?」
きっかけは真司からの電話だった。
「見てないのかよ......政府が徴兵制度について新たに発表しているぞ。」
真司に言われ、俺は急いでテレビをつける。
「政府は徴兵制度を実施に移すにあたり、20歳以上の男性で所謂フリーターや現在無職の者を対象に徴兵を行うと発表しました。」
どうにも嫌な事は続く。
つまり、俺と真司は近々徴兵に送られるのだ。
「糞、徴兵にそのまま送られては俺達の今までの話し合いが全て無駄じゃないか!」
まるで政府は俺達の手の内を読むかのようである。
※
「......どうする?」
俺達は直ぐに集まった。
無論、徴兵制度の事についてである。
このまま俺と真司が徴兵に行くと2年は戻れない。そうなると国に向けての活動ができなくなる。
「何か良い方法ない?更紗。」
わらを掴む想いで更紗に相談してみる。
「無いことはないけど......」
歯切りが悪いが、更紗には考えがあるらしい。
「国が徴兵制度を定めたということはもはや日本はいつ戦争をやりだしてもおかしくない。1分1秒無駄にはできない。方法があるなら教えてくれ。」
藁にもすがる思いで更紗にお願いする。
「大したことではないけど徴兵に行く前までに現時点で徴兵の対象外となっている人。例えば女性や老人で仲間になってくれそうな人を探すのが一番じゃない?」
「まあ、確かにそれしかないか。」
真司も更紗の意見に納得する。
「だが、聞くところによると徴兵制度の始まりまで1ヶ月もない。その短期間で仲間を増やすのは中々に難しくないか?」
「確かにな。仲間集めについては何か考えはないか?更紗」
俺と真司は更紗に尋ねてみた。
すると、意外な返答を更紗は返してきた。
「そこに関しては実は当てがあるの。まあ、絶対とは言えないけど任せてくれる?」
「マジか!そういう事なら任せるわ。」
更紗が何を考えているのかは分からない。
ただ、自信があるようなので俺と真司は更紗に一任する事にした。
「俺の彼女はやっぱりカッコイイぜ。」
※
数日後、更紗が連れてきたのは思いもよらないメンツであった。
更紗が連れて来たのは地元の老人会の皆さんや更紗の女友達であった。
「どう?このメンバーなら今の所徴兵の対象外だから二人がいない間も活動はできるよ。」
「更紗ちゃんに頼まれたら断る訳にもいかんわい。」
老人会の1人の男性が口を開く。
「他ならぬ更紗ちゃんの頼みじゃからのう。」
何故か老人男性達にモテモテの更紗。
思えば更紗の彼氏になってから割と経つけど更紗の私生活っていまいち掴めないんだよなぁ。
「えと、では俺達が徴兵行く間活動の方よろしくお願いします。」
「おう、頑張れよ。」
それから数日後、俺と真司は自衛官となった。
といっても2年間の内、最初の3ヶ月は研修を行うらしい。
場所は市ヶ谷の駐屯地に決まった。
まずは市ヶ谷の駐屯地で基本を学び、その後各自配属先が決まるのだ。
市ヶ谷の駐屯地では真司とも再会できた。
真司もまた同じ市ヶ谷で研修を受けるそうだ。
「班が違うからいつでもとはいかないがこの3ヶ月は時間を作って話す事はできそうだな。」
「ああ、夜に上手く時間を作ればいけそうだな。」
......そんな事を考えていた時期が俺達にはありました。
だが、それはほぼ不可能でした。
「訓練キツすぎる......」
俺達のスケジュールは以下の通りである。
まず、朝の6時起床。(予定表にはそうなっているがそれでは支度に間に合わないので実質は5時半)
※次回更新は11/24(日)になります。
結局更紗のこの言葉でお開きとなった。
まあ、慌てても仕方ないよな。
時刻はまだ夕方だが、特に何する訳もなく俺達は解散した。
しかし、事態が急変したのは3人で集まった日からたったの1週間である。
「政府は18歳以上の男子に対し、徴兵を課す案を可決、来月より実行に移す見通しです。」
朝に何気なくニュースを見ていると、目に飛び込んだのがこれである。
「政府は正気か?」
確かに徴兵制度の導入は以前から政府内部で話し合われていた議題の1つであった。
導入の流れは確かにごく自然な流れである。流れであったが......
「これは偶然なのか......?」
政府が徴兵制度を施行したタイミングが悪すぎる。
俺達が日本を昔の安全な日本に戻す活動をしようと志したタイミングで徴兵制度である。
「考え過ぎなのか?いや......」
今回の政府の動きがやけに引っかかった。
※
それから更に1ヶ月が経った。
「おい、ニュース見たか?俺達も運が悪いよな。」
「ん?なんの話だ?」
きっかけは真司からの電話だった。
「見てないのかよ......政府が徴兵制度について新たに発表しているぞ。」
真司に言われ、俺は急いでテレビをつける。
「政府は徴兵制度を実施に移すにあたり、20歳以上の男性で所謂フリーターや現在無職の者を対象に徴兵を行うと発表しました。」
どうにも嫌な事は続く。
つまり、俺と真司は近々徴兵に送られるのだ。
「糞、徴兵にそのまま送られては俺達の今までの話し合いが全て無駄じゃないか!」
まるで政府は俺達の手の内を読むかのようである。
※
「......どうする?」
俺達は直ぐに集まった。
無論、徴兵制度の事についてである。
このまま俺と真司が徴兵に行くと2年は戻れない。そうなると国に向けての活動ができなくなる。
「何か良い方法ない?更紗。」
わらを掴む想いで更紗に相談してみる。
「無いことはないけど......」
歯切りが悪いが、更紗には考えがあるらしい。
「国が徴兵制度を定めたということはもはや日本はいつ戦争をやりだしてもおかしくない。1分1秒無駄にはできない。方法があるなら教えてくれ。」
藁にもすがる思いで更紗にお願いする。
「大したことではないけど徴兵に行く前までに現時点で徴兵の対象外となっている人。例えば女性や老人で仲間になってくれそうな人を探すのが一番じゃない?」
「まあ、確かにそれしかないか。」
真司も更紗の意見に納得する。
「だが、聞くところによると徴兵制度の始まりまで1ヶ月もない。その短期間で仲間を増やすのは中々に難しくないか?」
「確かにな。仲間集めについては何か考えはないか?更紗」
俺と真司は更紗に尋ねてみた。
すると、意外な返答を更紗は返してきた。
「そこに関しては実は当てがあるの。まあ、絶対とは言えないけど任せてくれる?」
「マジか!そういう事なら任せるわ。」
更紗が何を考えているのかは分からない。
ただ、自信があるようなので俺と真司は更紗に一任する事にした。
「俺の彼女はやっぱりカッコイイぜ。」
※
数日後、更紗が連れてきたのは思いもよらないメンツであった。
更紗が連れて来たのは地元の老人会の皆さんや更紗の女友達であった。
「どう?このメンバーなら今の所徴兵の対象外だから二人がいない間も活動はできるよ。」
「更紗ちゃんに頼まれたら断る訳にもいかんわい。」
老人会の1人の男性が口を開く。
「他ならぬ更紗ちゃんの頼みじゃからのう。」
何故か老人男性達にモテモテの更紗。
思えば更紗の彼氏になってから割と経つけど更紗の私生活っていまいち掴めないんだよなぁ。
「えと、では俺達が徴兵行く間活動の方よろしくお願いします。」
「おう、頑張れよ。」
それから数日後、俺と真司は自衛官となった。
といっても2年間の内、最初の3ヶ月は研修を行うらしい。
場所は市ヶ谷の駐屯地に決まった。
まずは市ヶ谷の駐屯地で基本を学び、その後各自配属先が決まるのだ。
市ヶ谷の駐屯地では真司とも再会できた。
真司もまた同じ市ヶ谷で研修を受けるそうだ。
「班が違うからいつでもとはいかないがこの3ヶ月は時間を作って話す事はできそうだな。」
「ああ、夜に上手く時間を作ればいけそうだな。」
......そんな事を考えていた時期が俺達にはありました。
だが、それはほぼ不可能でした。
「訓練キツすぎる......」
俺達のスケジュールは以下の通りである。
まず、朝の6時起床。(予定表にはそうなっているがそれでは支度に間に合わないので実質は5時半)
※次回更新は11/24(日)になります。
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