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18歳になったよ!
波乱の夜会 2
しおりを挟むそっと扉を開いて向こう側を見る。
目線の先には煌びやかなホールが見える。
ヤバい…胃が痛い。
今世で胃が痛くなったのなんて初めてだよ!
だって夜会ってさ、あれだよね?狸と狐の化かしあいだよね?
「ルーチェ、胃薬いるか?それから言いたいことは分かる。だが本音がバレるのはよくない」
「そうだな。ルーチェフルールは答えたくないことは、答えなくていい」
「え?そんなの許されるの?」
「あぁ。この会場の中で、一番位が高いのは愛し子だ。横暴な振る舞いはダメだが、ルーチェフルールが答えたくないと思う質問等は答える必要はない。無理強いをすればそれこそ精霊の怒りを買う」
「そうですね。その辺りは私が判断して、皆に協力してもらいましょう」
なんとも爽やかに言ってくれたロワさん。
後ろの皆様もヤル気に満ち溢れております。
「いや…出来れば何もないのが一番なんだが…」
これぞ時は既に遅し!ってやつかな?
* * * *
「皆様、愛し子様と契約精霊様。エルタニン王国、国王陛下のおなりです」
従者が声高に入場宣言をする。
勿論、私には薄っすらとしか見えませんけどね。
ヴェール越しだからね。
右手はシリウスにエスコートされております。
てか、シリウスが居ないと私だけで行動出来ん!!
そして何故だかこの状況にご機嫌のシリウス。
さっきなんて公務中はヴェールを着用しよう!とか言ってたし。
私が動きずらいわ!!
んで、私の後ろをロワ・ルスが付いて来る。
流石に全員がぞろぞろ付いてくるのには問題がある…とのことで、協議の結果、精々二人までになったのだが、そこからが熾烈の争いに…。
収集が付かなくなったから、じゃんけんで決めたのだけど…この二人が一番表に出ちゃダメなんじゃなかろうか?
皆様、お忘れかと思いますが、この二人に連なる精霊は居ない。
つまり、この世界でこの二精霊は一体のみなんだよ。(因みにレイナもだよ!今回めっちゃぐずりましたけどね!)
しかもこれまで契約している人が居ない。
もうなんだろね…なんとも言えないよ…既に私の疲れはピークさ!!
静々と歩き、平服している会場の人達より数段高い場所にあるソファに腰掛ける。
なぜにソファ?って思うでしょ?
通常って椅子だよね?って。
実はさ、直前までにゃんこ達は壇上に上がる予定はなかったの。
でもハイラントの事もあるから…って事で急遽壇上に一緒に居ることに。
でだ、どこに座る?ってなったんだよ。
精霊達は勿論私の横!となったのだが、そんなに椅子ばっかり並べんの?ってなり、ソファにして寛ぐことにした。
ソファは二つ。
ㇵの字型に設置して、壇上から左はシリウスが一人で座るソファ。
右側が私とロワとルスが座るソファになっております。
シリウスは私をソファに座らせて自分は中央に立ち、開催の言葉を述べる。
「今宵はよく集まって下さいました。こちらにおられるのは愛し子様とその契約精霊様になります。後ほど皆さんからの挨拶を受けますが、お言葉を交えることは難しいとお思い下さい」
そう、きっぱり言った。
ねぇ?そんなにきっぱり言う?会場中ざわめきが凄いですが…。
そんな中シリウスは話は終わったとばかりに、反対側のソファに座った。
「ねぇ、ロワ。これ大丈夫なの?」
「問題ないですよ。挨拶だけでもルーチェの負担になります。さらに話を…なんてなったら、何時開放されるか分かりませんから」
「そうそう。なんか既に不穏な空気なヤツが何人か居るし」
そう言ってご機嫌な斜めな二人が返事をした。
そして挨拶と言う名の行列が出来る。
「ご機嫌麗しく愛し子様、精霊様。エルタニン国王陛下。私は…」
てな感じで延々と続く。
ぶっちゃけよう。最初の十人ぐらいで飽きた。
皆が皆、ご機嫌麗しく…から始まってどこどこの誰々ですって続くんだもん。
時たま娘の…とかになって、娘がシリウスにむっちゃアピールをしてくる。
シリウスはそんなご令嬢方には、無表情。
いいのか、これ?
で、招かざる客が来た。
「ご機嫌麗しく愛し子様、精霊様。エルタニン国王陛下。私はハイラント国のフィリップ・イリャントと申します。こちらはフォボス・モートン。本日はこのような祝いの席に出られたことを、光栄に思います。して…愛し子様は人間だとお聞きしました。我が国は人のみの国なのですが、人ならではの悩み等もありましょう。宜しければ私どもとお話が出来る一席を設け頂ければ…と思うのですが、ご一考して頂けますでしょうか?」
……ぶっこんできた。
ものっそいぶっこんできた。
いやいやいやいやいや、他国で喧嘩吹っ掛けんなよ!
返事しないって言ったじゃん。
いや、返事出来ても私の答えはNO!ですけれどね!
そして、父親は黙秘。
いったい何を考えてるんだ?
「そこの人間。我らが主の前に出たくば、その腐った部分を浄化してから出直しなさい」
右に座るロワさんから、聞いたことない重低音の言葉が放たれました。
「あぁ、それは良いね!なら僕が、チリも残さないようにしれあげよう」
左に座るルスさんから、いつもの明るいトーンで最上級の滅殺方法が言われました。
ちらりと反対側を見ると、(顔は見えないが)足を組み替えたシリウスが
「ハイラント国?おかしいな…貴国には招待状を送った記憶がないのだが?それに開会の時に私は言ったはずだが?『愛し子様とは言葉を交わすのは難しい』と。…もしや、貴殿はその場に居なかったのか?」
聞いただけでも凍えそうな声で話す。
いやぁ、現在ここは立ち入り禁止区域だよ。
普通の人は居ちゃダメだよ。
従って私は何処かに行っても良いかね?
……ダメですよね。
あー……寒いぃぃぃぃ。
誰かこの場所を温めてくれませんか?
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