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それでも、幕は上がる(1)
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部室には、しんとした空気が張り詰めていた。
午後の陽が差し込む窓際にはカーテンの影が揺れ、机に散らばった台本やメモが、誰にも触れられないままそこにあった。
椅子に腰掛けてうつむく部員たちの誰もが、口を開こうとしない。
──遥登が県大会に出られない。
その事実は、練習の中心を担ってきた彼の存在の大きさを、あらためて皆に突きつけていた。
「……台詞回し、変えたほうがいいのかもな」
誰かがぽつりと呟いた声すら、やけに重く響く。
そのとき。
勢いよく部室の扉が開いた。
「失礼しまーすッ!」
勢いよく飛び込んできたのは、坂本蓮真だった。
顔には汗の跡。さっきまでどこか走っていたのか、肩で息をしている。
「──遥登さんに、会ってきました」
みんなの視線が、ばっと集まった。
「……病室で、相変わらずバカみたいに漫画読んでて、ずっとヘラヘラしてて……俺、ちょっと拍子抜けしたくらいで……でも」
蓮真は、一歩、みんなの中心へ進み出て、机の上に両手をついた。
「──それでも、あの人は俺たちの舞台、めちゃくちゃ楽しみにしてたッス!
“ごめんねぇ”とか言ってたけど、本心じゃねぇんスよ。
本気で、俺らがやりきること期待してんスよ!」
その声には、感情がにじんでいた。
それでも蓮真は、誰にも目をそらさずに言い切った。
「だから、落ち込んでる場合じゃねぇッス。
遥登さんがいないのは悔しい。でも、それでもやるんスよ。やりきるしかないッス!
……彼の分まで!」
しばしの沈黙のあと。
「……そうだな」
静かに、けれどはっきりと、桔平が頷いた。
「俺らが止まってどうする。あいつの“楽しみにしてる”って言葉、無駄にしちゃいけない」
翠心も続けて、立ち上がった。
「代役、立てよう。そんで、練習やり直す。まだ時間はある」
「……誰がやる? 猫又の代役」
誰かが尋ねると、凌央が迷いなく答えた。
「──中嶋怜央でいこうと思ってる」
「えっ、俺ですか!?」
部室の隅で座っていた1年生・中嶋怜央が、まんまるな目で跳ね起きた。
「えっ……あ、いや……あの、うれしいですけど、俺で……本当に大丈夫でしょうか……?」
「大丈夫じゃねぇと困るんだよ」
凌央が笑って肩を叩いた。
「怜央って素直だし、覚えも早い。遥登とは真逆だけど、あんたには“怜央の猫又”を作ってほしい」
「……俺なりの猫又……」
怜央は、自分の胸に手を当てて小さく息を吐いた。
「……はい、わかりました。やってみます。全力でがんばります」
その声は震えていたけれど、真っ直ぐだった。
---
蓮真の声を皮切りに、沈んでいた空気が少しずつ動き出す。
誰かが立ち上がり、誰かが台本を手に取る音が、部室に少しずつ広がっていった。
「……代役って言っても、まるっとコピーしようとすんなよ」
桔平が怜央の肩に手を置いて言った。
「遥登の猫又じゃなくて、お前にしかできない猫又を作るんだ。な?」
「……はいっ。俺、俺なりに……ちゃんと演じてみます」
怜央の声はまだ硬かったが、その目はしっかりと前を向いていた。
「それじゃ、今日の練習、全体で台詞合わせから始めよう」
翠心が台本をめくりながら立ち上がる。
「演出も構成も、変わる部分が出るかもしんねぇ。先生にも相談しないとだな」
「俺、照明のほうチェックするわ。動き変わるなら、明かりも再調整しねぇと」
桔平が軽く手を挙げる。
「衣装、猫又のサイズ合わせとか、持ち道具の調整も要ると思います」
別の部員もすぐに動き出した。
自然と役割が割り振られていき、誰かが命じなくても全員がやるべきことを思い出していく。
その中心に、怜央は少し緊張した面持ちで立ち続けていた。
「……なんか、俺、めっちゃドキドキしてきた」
怜央がぽつりと呟くと、蓮真がにっと笑って肩を組んだ。
「大丈夫だって。お前、根性だけはあるしな」
「それ……褒めてる?」
「褒めてんだよ。もちろん」
そのやり取りに、小さな笑いが生まれ、部室の空気が少しだけゆるんだ。
---
こうして、燈ノ杜学園演劇部は、新しい形での再スタートを切った。
遥登の不在という現実に打ちひしがれていた空気は、まだ完全には晴れていなかったが、それでも誰もが前を向こうとしていた。
――遥登の分まで、舞台に立つために。
そして数日後。
一行は、県大会へと向かうため、会場への“前乗り”を迎えることになる。
その日、演劇部の全員が揃って、少し早めに校門をくぐっていった。
朝の空は高く澄み、どこまでも続くような青が広がっていた。
---
会場に到着したのは、昼前だった。
燈ノ杜学園の演劇部員たちは、大きな遠征用のバスを降りると、見上げるような文化会館の建物を前に一様に立ち止まった。
「……デッッッッカ……」
怜央が素直すぎる声を漏らすと、桔平が苦笑しながら頷いた。
「県大会ともなると、会場も桁違いだな……」
ホールの入り口には、すでにいくつかの学校が出入りしており、ロビーには衣装ケースや照明機材が所狭しと並んでいた。地方の演劇部といえど、どこも気合が入っている。
「緊張してきた……」
小さく呟いたのは翠心だったが、その表情に弱音はなかった。
「行くぞ。まずは会場内の導線確認。仕込みの時間も限られてる」
桔平が指示を出し、全員が声を上げて応える。
「はい!」
ステージ袖へと続く廊下には、昨日仕込まれたばかりの書き割りなどの背景セットが積み上がっていた。
そのすぐ向かいの導線で、ちょうど別の学校が入ってくる。
「……久賀女だ」
翠心の小さな声に、蓮真もふと顔を向けた。
ホールに入ってきたのは、久賀原女子高等学校、通称「久賀女」の演劇部。
制服は端正で、揃った歩幅と姿勢が、まるで訓練された舞台の一部のようだった。
先頭に立つ部長と思しき女子が、部員たちにてきぱきと指示を出している。
目が合いそうになって、翠心は思わず視線を逸らした。
「すげぇ……なんか、オーラがあるな」
蓮真が低く呟く。
「ま、気後れすんなよ。ライバル意識しても、俺らは俺らの芝居をやるだけだ」
桔平の言葉に、誰もが小さく頷いた。
久賀女の姿は、たしかに圧を持っていたが、萎縮する理由にはならなかった。
彼らには、遥登の想いがある。
代役として懸命に台詞を覚えた怜央がいる。
それぞれが、誰かのために舞台に立とうとしていた。
会場リハーサルは午後から。
各校が持ち時間の中で照明や音響、演出の確認を進めていく。
燈ノ杜学園の番が来るまで、部員たちは機材室横の控えスペースで、緊張感を抱えながらも穏やかに準備を進めていた。
「これ、怜央の持ち道具。確認しとけよ」
翠心が手渡した小道具を、怜央が受け取りながらぺこりと頭を下げた。
「ありがとうございます、翠心先輩。……あ、はい、大丈夫です。確認します」
「そんなにかしこまらなくてもいいのに」
「す、すみません……でも、やっぱり先輩だし…落ち着かなくて……」
「お前が一番緊張すんの、そこかよ」
肩をすくめる翠心に、蓮真が笑いながら割り込んだ。
「さすが翠心先輩ッスね。ツッコミのキレが違うッス」
「は? なに褒めてんだよ。おだてたって何も出ねぇぞ」
「え~、先輩ってチョコとか好きそうッスけど」
「なんでそんなイメージなんだよ。甘党って言ったことねぇし」
くだらないやり取りが、自然と空気をほぐしていく。
誰かが笑えば、誰かの肩の力も抜けていった。
控え室の空気は、意外にも落ち着いていた。
それは、遥登があの病室でヘラヘラと笑って「楽しみにしてる」と言ってくれたこと。
その言葉が、今もずっと部員たちの背中を押しているからだ。
やがて、舞台袖にスタッフからの呼びかけが届く。
「燈ノ杜学園、準備お願いします」
部員たちは立ち上がった。
――いよいよ、県大会の舞台が始まる。
午後の陽が差し込む窓際にはカーテンの影が揺れ、机に散らばった台本やメモが、誰にも触れられないままそこにあった。
椅子に腰掛けてうつむく部員たちの誰もが、口を開こうとしない。
──遥登が県大会に出られない。
その事実は、練習の中心を担ってきた彼の存在の大きさを、あらためて皆に突きつけていた。
「……台詞回し、変えたほうがいいのかもな」
誰かがぽつりと呟いた声すら、やけに重く響く。
そのとき。
勢いよく部室の扉が開いた。
「失礼しまーすッ!」
勢いよく飛び込んできたのは、坂本蓮真だった。
顔には汗の跡。さっきまでどこか走っていたのか、肩で息をしている。
「──遥登さんに、会ってきました」
みんなの視線が、ばっと集まった。
「……病室で、相変わらずバカみたいに漫画読んでて、ずっとヘラヘラしてて……俺、ちょっと拍子抜けしたくらいで……でも」
蓮真は、一歩、みんなの中心へ進み出て、机の上に両手をついた。
「──それでも、あの人は俺たちの舞台、めちゃくちゃ楽しみにしてたッス!
“ごめんねぇ”とか言ってたけど、本心じゃねぇんスよ。
本気で、俺らがやりきること期待してんスよ!」
その声には、感情がにじんでいた。
それでも蓮真は、誰にも目をそらさずに言い切った。
「だから、落ち込んでる場合じゃねぇッス。
遥登さんがいないのは悔しい。でも、それでもやるんスよ。やりきるしかないッス!
……彼の分まで!」
しばしの沈黙のあと。
「……そうだな」
静かに、けれどはっきりと、桔平が頷いた。
「俺らが止まってどうする。あいつの“楽しみにしてる”って言葉、無駄にしちゃいけない」
翠心も続けて、立ち上がった。
「代役、立てよう。そんで、練習やり直す。まだ時間はある」
「……誰がやる? 猫又の代役」
誰かが尋ねると、凌央が迷いなく答えた。
「──中嶋怜央でいこうと思ってる」
「えっ、俺ですか!?」
部室の隅で座っていた1年生・中嶋怜央が、まんまるな目で跳ね起きた。
「えっ……あ、いや……あの、うれしいですけど、俺で……本当に大丈夫でしょうか……?」
「大丈夫じゃねぇと困るんだよ」
凌央が笑って肩を叩いた。
「怜央って素直だし、覚えも早い。遥登とは真逆だけど、あんたには“怜央の猫又”を作ってほしい」
「……俺なりの猫又……」
怜央は、自分の胸に手を当てて小さく息を吐いた。
「……はい、わかりました。やってみます。全力でがんばります」
その声は震えていたけれど、真っ直ぐだった。
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蓮真の声を皮切りに、沈んでいた空気が少しずつ動き出す。
誰かが立ち上がり、誰かが台本を手に取る音が、部室に少しずつ広がっていった。
「……代役って言っても、まるっとコピーしようとすんなよ」
桔平が怜央の肩に手を置いて言った。
「遥登の猫又じゃなくて、お前にしかできない猫又を作るんだ。な?」
「……はいっ。俺、俺なりに……ちゃんと演じてみます」
怜央の声はまだ硬かったが、その目はしっかりと前を向いていた。
「それじゃ、今日の練習、全体で台詞合わせから始めよう」
翠心が台本をめくりながら立ち上がる。
「演出も構成も、変わる部分が出るかもしんねぇ。先生にも相談しないとだな」
「俺、照明のほうチェックするわ。動き変わるなら、明かりも再調整しねぇと」
桔平が軽く手を挙げる。
「衣装、猫又のサイズ合わせとか、持ち道具の調整も要ると思います」
別の部員もすぐに動き出した。
自然と役割が割り振られていき、誰かが命じなくても全員がやるべきことを思い出していく。
その中心に、怜央は少し緊張した面持ちで立ち続けていた。
「……なんか、俺、めっちゃドキドキしてきた」
怜央がぽつりと呟くと、蓮真がにっと笑って肩を組んだ。
「大丈夫だって。お前、根性だけはあるしな」
「それ……褒めてる?」
「褒めてんだよ。もちろん」
そのやり取りに、小さな笑いが生まれ、部室の空気が少しだけゆるんだ。
---
こうして、燈ノ杜学園演劇部は、新しい形での再スタートを切った。
遥登の不在という現実に打ちひしがれていた空気は、まだ完全には晴れていなかったが、それでも誰もが前を向こうとしていた。
――遥登の分まで、舞台に立つために。
そして数日後。
一行は、県大会へと向かうため、会場への“前乗り”を迎えることになる。
その日、演劇部の全員が揃って、少し早めに校門をくぐっていった。
朝の空は高く澄み、どこまでも続くような青が広がっていた。
---
会場に到着したのは、昼前だった。
燈ノ杜学園の演劇部員たちは、大きな遠征用のバスを降りると、見上げるような文化会館の建物を前に一様に立ち止まった。
「……デッッッッカ……」
怜央が素直すぎる声を漏らすと、桔平が苦笑しながら頷いた。
「県大会ともなると、会場も桁違いだな……」
ホールの入り口には、すでにいくつかの学校が出入りしており、ロビーには衣装ケースや照明機材が所狭しと並んでいた。地方の演劇部といえど、どこも気合が入っている。
「緊張してきた……」
小さく呟いたのは翠心だったが、その表情に弱音はなかった。
「行くぞ。まずは会場内の導線確認。仕込みの時間も限られてる」
桔平が指示を出し、全員が声を上げて応える。
「はい!」
ステージ袖へと続く廊下には、昨日仕込まれたばかりの書き割りなどの背景セットが積み上がっていた。
そのすぐ向かいの導線で、ちょうど別の学校が入ってくる。
「……久賀女だ」
翠心の小さな声に、蓮真もふと顔を向けた。
ホールに入ってきたのは、久賀原女子高等学校、通称「久賀女」の演劇部。
制服は端正で、揃った歩幅と姿勢が、まるで訓練された舞台の一部のようだった。
先頭に立つ部長と思しき女子が、部員たちにてきぱきと指示を出している。
目が合いそうになって、翠心は思わず視線を逸らした。
「すげぇ……なんか、オーラがあるな」
蓮真が低く呟く。
「ま、気後れすんなよ。ライバル意識しても、俺らは俺らの芝居をやるだけだ」
桔平の言葉に、誰もが小さく頷いた。
久賀女の姿は、たしかに圧を持っていたが、萎縮する理由にはならなかった。
彼らには、遥登の想いがある。
代役として懸命に台詞を覚えた怜央がいる。
それぞれが、誰かのために舞台に立とうとしていた。
会場リハーサルは午後から。
各校が持ち時間の中で照明や音響、演出の確認を進めていく。
燈ノ杜学園の番が来るまで、部員たちは機材室横の控えスペースで、緊張感を抱えながらも穏やかに準備を進めていた。
「これ、怜央の持ち道具。確認しとけよ」
翠心が手渡した小道具を、怜央が受け取りながらぺこりと頭を下げた。
「ありがとうございます、翠心先輩。……あ、はい、大丈夫です。確認します」
「そんなにかしこまらなくてもいいのに」
「す、すみません……でも、やっぱり先輩だし…落ち着かなくて……」
「お前が一番緊張すんの、そこかよ」
肩をすくめる翠心に、蓮真が笑いながら割り込んだ。
「さすが翠心先輩ッスね。ツッコミのキレが違うッス」
「は? なに褒めてんだよ。おだてたって何も出ねぇぞ」
「え~、先輩ってチョコとか好きそうッスけど」
「なんでそんなイメージなんだよ。甘党って言ったことねぇし」
くだらないやり取りが、自然と空気をほぐしていく。
誰かが笑えば、誰かの肩の力も抜けていった。
控え室の空気は、意外にも落ち着いていた。
それは、遥登があの病室でヘラヘラと笑って「楽しみにしてる」と言ってくれたこと。
その言葉が、今もずっと部員たちの背中を押しているからだ。
やがて、舞台袖にスタッフからの呼びかけが届く。
「燈ノ杜学園、準備お願いします」
部員たちは立ち上がった。
――いよいよ、県大会の舞台が始まる。
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