エキゾチックアニマル【本編完結】

霧京

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第七十六話【【交差する想い】】後

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 入り口付近を何度も刺激すると、内部はまるで飲み込もうとするかのように収縮を繰り返す。奥まで欲しいというような貪欲な動きに笑みが浮かぶ。

「冬真・・・・・・」
「うん?」
「もっと中まで触って」

 待ちきれなくなったのだろう、可愛いおねだりに仕方ないなと笑みをこぼし、奥まで指を差し込む。グチャグチャと音を立て、中をこすれば、それでも足りないと言うように中がうごめく。

「はっ・・・・・・あっ・・・・・・」
「力也はここが好きだよな」

 誰よりも知っている敏感な場所を、指先でこするように触れば、それだけで声が漏れる。一本じゃ足りないだろう、十分広がってきた中に二本目の指を差し込み、指先で敏感な場所を挟めば、力也の性器からダラダラと液があふれ出す。

「もっと・・・・・・足りない。冬真のちょうだい」

 三本目を差し込んでもまだ足りないと、ねだる力也の首筋にキスをし、耳元に口を寄せる。

「そんなに欲しい?」
「欲しい」

 欲しくてたまらないと言うような口調に、中をかき混ぜていた指を抜き、少し体を離す。

「力也、後ろ向いてPresent」【晒せ】
「はい」

 グレアを込めそう命じれば、力也は嬉しそうな様子で後ろを向いた。両手を尻たぶに置き、濡れぼそる秘部が見えやすいように晒す。

「入れて、中まで沢山可愛がってください」
「Good Boy」【よくできました】

 こちらもじらされたおかげで、硬く剃り立つ自身を取り出し押し当て、一気に貫く。ビクッと震えた力也がまた達したのがわかる。

「はっ!」
「力也、手はここのまま」

 ドアにつこうとしていた両手を外し、もう一度しっかり開くように導く。しっかりと飲み込んでいるところがよく見えるように、手で開かせ、耳元で囁く。

「これでもう、力也の手は張り付いた。俺がいいって言うまで絶対取れない」
「え?」

 その言葉に驚いたように、振り返った力也は、手を動かそうとするも本当に動かないことに気づく。

「え? うっそ、マジで動かない」
「ぴったりと張り付いただろ」
「催眠術!?」

 驚き、はずそうとするが動かないことに若干楽しそうな声をあげる力也に笑い返す。

「違うって、応用編」

 力業でグレアとコマンドを破ることができる力也にとっては新鮮らしく、恥ずかしいことをしているのに逆に喜ばれてしまう。

(こういうとこも可愛いよな)

 無理な体勢をしいられるとわかっているのに無邪気な反応が愛おしく、背中にキスを落とすと、差し込んだ物を少し抜き出し、再び突っ込む。

「ほら欲しいならもっと締め付けろ」

 ドアに顔をこすりつけるようにしながらも、後ろを犯され喘ぐ力也の中深くこすり何度も突き動かす。

「いい、気持ちいい」
「頭ぶつけんなよ」

 勢いでぶつけてしまいそうな頭をかばうようにこちらに引き寄せ、もう何度目かわからないキスをする。

「とう・・・ま・・・・・・」
「うん?」

 今日はいつもよりよく呼ばれるなと思いつつ返事を返せば、とろんと幸せに満ちた表情を浮かべた。

「すき」

 その瞬間、突き動かしていた自分の物が更に硬く太くなったことに気づく。こんな時に落とされた素直な言葉に、中をえぐる腰の動きが速くなる。

「やっ、激しい・・・・・・」
「お前な、わざとだろ」
「ちが・・・・・・」
「違うならお前も十分タチ悪い」

 奥深くへ差し入れ、激しく打ち付ければ力也の口から誘うような、歓喜の嬌声が漏れる。

「そんなに声出すと、廊下に聞こえちゃうだろ? それとも聞かせてぇのか?」

 玄関のドアを一枚挟んだだけの場所で、こんな音を立てていれば廊下を通る人には何をしているかすぐにわかるだろう。いや、下手をすれば廊下を通り他の部屋にも聞こえるかもしれない。

「案外聞き耳立ててる奴とかいるかもな。力也、ちょっと覗いてみろよ」
「え?」

 そう言えば、ゴクリと唾を飲み込むようにして、力也はのぞき窓へ目を近づけた。

「誰かいるか?」
「あぁっ!!」

 その瞬間、一気に奥深く突き入れれば力也の体が勢いよく、しなる。

「どうだった?」
「いなかった」
「そうか、よかったな」

 そもそも、冬真がこれほどのグレアを放っている時点で、例えドアを隔てたとしても人がずっとその場にいるのは不可能に近い。ダイナミクス持ちはもちろん、ダイナミクスを持っていなくとも、よほどの鈍感でなければ嫌な気配は感じるはずだ。
 冬真はその事がわかっていながら、力也に尋ねていた。

(聞いてる奴いたら耳をちぎり取る)

 心の声が聞こえないことをいいことに、かなり物騒なことを考えている事に力也は気づいていない。

「聞かれたかった?」
「やだ」
「可愛がられてる声なのに恥ずかしいのか?」
「うるさいって言われる」

 恥ずかしいから嫌なのかと思えば、予想外の理由が帰ってきたことに苦笑する。確かに、どう考えても苦情を入れられそうな内容だ。

「じゃあ、声抑えなきゃな」

コクコクと頷き、声を抑えようとした瞬間えぐるように奥へと突き入れれば、大きな嬌声があがった。

「はぁっ!」
「あれ? 声抑えるんじゃなかったのか?」
「意地悪!」

 怒りながらも、両手を外すことができず、もっととねだるように突き出している姿が可愛く激しく突き動かす。

「でる。受け取れ」
「あ・・・・・・」

 奥深くに染みこませるように自分の欲を吐き出せば、力也の体が震えた。それでも力也の液がドアを汚すことはなく中で達したのだとわかる。

「手を離せ」

 中に入っていた自身を抜き出し、そう許可を出せば両手で広げていた事で中からあふれ出していた尻が閉じられる。

「はぁっはぁっ」

ガクッとその場に膝をついてしまった力也の横にしゃがみこみその顔を覗き込む。

「もうギブアップ?」
「ちょっと休憩」

 さすがに立て続けに達して疲れたのだろう、力也の様子に、労るように背中を撫でる。

「休憩なら中はいろう? 歩けるか?」
「歩けるけど・・・・・・」

 その言葉と共に、縋るような瞳を向けられ何かをねだっていることに気づく。期待に満ちた瞳に、それがなにかなど考える必要もない。

「力也、UP」【立て】

 SランクになったDomらしい強いグレアと声で命じれば、力也はすぐに嬉しそうに立ち上がった。

「Heel」【つけ】

 おそらく初めてだろうコマンドにも、反射的に反応し冬真の隣へぴったりと張り付く。

「いいこ」

 優しく褒め、グレアで包み込んでリビングへと移動する。移動してしながら、力也の表情を見れば、先ほどよりずっとぼんやりして焦点が冬真一人に向けられている事に気づいた。

(サブスペ入っちゃったかな)

 歩きながらも、スリスリと体を寄せてくる様子が無意識な感じがする。どうやら、サブスペースにはいってしまったらしい。

「今日はコロコロ変わるな」

 今日一日でいろんな一面を見せてくれた事を褒めるように、頭を撫でればより一層近づいてくる。

「ひとまず、ここ座ってろ」

 リビングへ着き、とりあえずソファーに座らせると、水をとるためにキッチンへ向かう。水分不足にならないように、水を持ち力也の傍に帰ってくると、自らの口に水を含んだ。
 そっと力也の顔を引き寄せ、唇を合わせ水を口移しで渡す。

「もう一度」

 コクコクと喉が鳴ったのを確認し、もう一度口に含み水を飲ませる。喉が渇いていたのか、唇を離せばもっととねだるように両手で捕まえようとしてくる。

「可愛い」

 今日だけで何度思ったのかもわからないほど、愛おしさが止まらない。
 冬真以外は嫌だと泣いた時も、Sランクになったときの歓喜に満ちた瞳も、その後の甘え方も、さっきのおねだりだって、どれもこれも愛おしい。
 出会った当初はこんな姿を見せてくれるなど思わなかったが、力也は本当に多くの姿を見せてくれる。
 仲間を守るために戦う姿も、時々見せる弱さも、大切な人達と笑い合う姿も全てが魅力的で、かけがえのないものだと思える。
 知れば知るほど魅了され、自分の方がとりつかれたかのように夢中になっていく。
 目を離したくない、ずっと見ていたい、力也が何を見て、何を感じるかを知りたい。そう思う度に、おそらく自分は力也の事を理解できるようになっていったのだろう。
 力也は望みを叶えたいといつでも訴えてくれるが、自分も力也の望みを叶えたい。二人で叶えたがっていては、終着点が見えなさそうだがそれでもいい。
 追いかけっこみたいな事をしていたい。

「力也、愛してる」

 ねだられるままに、水とキスを与え、愛情を込めたグレアで包み込む。
ああ、こんなことをしてしまうと、またグレアの食べ過ぎみたいな事になってしまうかもしれない。そう思うのに止められない。
 後で怒られてしまうかもしれないと思いながらも、どうしても抑えきれない愛情を込めたグレアは、おそらく力也の体の奥深くにまで染みこんでいる。

「ヤバいな」

 上と下両方から深く、深く入り込んだ己の欲に塗れた想いは、内側から力也を満たし、心臓さえも自分の物としようとするだろう。
 欲深すぎる愛に、うんざりとしながらも、その想像に歓喜し更に流し込んでしまう。

「ごめんな」

 後で沢山謝るから、今は許して欲しい。そう意識のない相手に詫びつつも、全ての想いの丈を込めた全力のグレアを発した。
 強すぎるグレアに、体の力が抜け、もたれ掛かってきた力也が熱に浮かされたような、蕩けた瞳で冬真を捕らえる。

「冬真・・・・・・愛してる」

 やっとの事で口にしたような、甘い口調と瞳に、心が温かくなる。この時を守るために自分がしてきたことは間違ってなかったとはっきりと思える。
 自然とこぼれる涙と共に、力也をしっかりと抱きしめた。
 離さない、絶対、何があっても、この幸せを守るため、自分は生きる。力也が幸せに暮らせるように、得た力だ。お前の為に、使う。

「ありがとう」

 口から自然に漏れた言葉は、もう一度重ねた唇の中に消えた。
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