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第八十六話【二人きりの観光】後
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不意に心がざわめく経験がある人は世の中に何人ぐらいいるのだろうか。きっと物語でみるほど多くはないのだろう。
自分自身力也と出会うまでそんな物を感じたことはないし、信じたこともない。物語の中や、人づてに聞くことはあってもそれは現実味がなく、憧れを抱くほどの純粋さも自分にはなかった。
それが力也と出会い、現実味を帯びていた。例えば、力也がピンチに陥ったとき、知らせるようにざわめくことがある。早く、早くと心が急がせるあの感覚、急がないと間に合わないと思わせるようなあの感じ、冬真は本人よりも強い危機感を持っていた。
それ以外にも心がざまめくときがある。例えば、ふとした力也の笑顔や、同じSub達に囲まれている姿など、不思議なざわめきを感じる事がある。それはきっと恋なのだろうと思っていた。勢いで関係に持ち込んでしまったが、力也を知る度に自分は恋をしているのだと。
石段を一段一段上りながら、二人は天守閣を目指して歩いていた。もう夕方に近くなっているからか先ほどの施設とは違い、観光客は少なくすれ違う人もいない。
「レンタカー延長安くしてもらって助かったね」
「だな」
今日中には返せないから明日何時に返せばいいか確認したところ、友人と言うことで延長も融通を利かせてくれるらしく明日返すにしても時間を気にしなくてよくなった。
「お礼にお土産買って帰らないとな」
「そうだな」
「・・・・・・冬真? 疲れてる?」
軽快に歩いていた力也にそう聞かれ、冬真は顔を上げた。見上げれば、心配そうな顔をした力也と目が合う。
「やっぱさっきのキツかった?」
「・・・・・・あ、ああ。いや、大丈夫、平気!」
結局わりと早い段階でギブアップをしてしまった冬真は、それに付き合わせてしまった事を若干気にしていた。
本人は十分楽しめたと言っていたが、気遣ってくれていたのはわかっている。
「ほんと?」
「ほんとだって、ちゃんと休んだし、力也も褒めてくれただろ? もう大丈夫だって」
「ならいいけど」
疑いながらも、それ以上は聞かれなかったことで、ほっとしてため息をつく。実際具合が悪いという感じではなくなんとなく気が重かっただけだ。
「そう言えば力也はこういうとこで撮影とかしたことあるのか?」
話をそらすように、思いついたことを尋ねれば力也もあっさりとそれに乗ってきた。
「あるよ。時代劇のエキストラとか引き受けたことあるし、殺陣もしたことあるし」
「そう言えば殺陣できるんだよな。見てみたいな、お前の殺陣、きっとすげぇかっこいいんだろうな」
肉弾戦をする姿は撮影でも何度か見たことがあるが、生き生きと、楽しそうにさえ見えた。力也自身も楽しいらしく、負ける役の時も、手を抜くことなど一切なかったように感じた。
おそらく殺陣は殺陣で違うかっこよさを見ることができるのだろう。
「今のとこ時代劇の話はないけど、そんときは見に来る?」
「行きたい。楽しみにしてる」
かっこいい殺陣の姿を見れば、また惚れ直してしまうのだろう。着物姿で刀を振るう姿を思い浮かべるだけで、心がざわめく気がするのだから。
「高いな」
「高いな」
天守閣に登った二人は、眼下に広がる景色を見下ろしていた。先ほどみた案内では、ここは多くの人々が暮らす町だったようだ。この後回る予定の古い町並みはその頃の物を再現しているらしい。
「あ、あれが古城があったって山かな」
「確かに、近いな」
神月が言っていた古城跡がある小さな山はこの城と目と鼻の先にあった。先ほど案内係の男性が教えてくれたが、その古城はこの城よりも古く、この城の城主とは関係がないらしい。時代が違うのか、それとも一度ついえたのか、それも資料にないらしい。
「行ってみるか」
「そうだな」
なんてことない小さな山なのに目を離すことができない、不思議な感覚を覚えつつ、二人は天守閣を降りた。
古城跡は本当になんてことのない小さな山だった。先ほどの城とは比べものにならないほどの山の階段を登ればすぐに開けた広場に出た。
ここに本当に城などあったのだろうかと思うほどの何にもない場所だが、小さなお堂とその傍に井戸のような物が一つだけポツンとあった。
「何にもないな」
「だな」
神月が言った通り景色はよく、登ってくる途中には紅葉や花見が期待できそうな木々もあったが、あいにく今は青い葉が生い茂るだけだった。
ここがどういった場所だったのかを示す石碑や立て札も見当たらず、二人はとりあえずお堂と井戸を覗き込んだ。
どちらも古く、中に何があるのかもわからなかった。
「結局なんなんだろ?」
お堂をじっと見ていた力也が、立ち上がり冬真を見れば、冬真はどこか遠くを見ていた。
「冬真?」
呼びかけても返事をすることもせずに、冬真周りを見渡し、その瞳は広場の奥の方をとらえていた。
「冬真!」
「え?」
再度呼びかければ冬真はやっと力也を見ると、一瞬驚くように目を見張った。
「どうかした?」
「・・・・・・いや、なんか・・・・・・ちょっと懐かしくなっただけ」
「懐かしく? 昔来たことあったとか? それとも他の場所の話?」
「それがわかんないんだよな。力也はなにも感じない?」
逆に問い返されてしまい、力也は辺りを見渡した。特に懐かしいという感じはしなく、すっきりと何もなくなってしまった状態に清々しさまで感じる。
「うーん、風が気持ちいいかな」
両手を広げ全身で風を浴びている様子を見た冬真は隣へ並んだ。同じように両手を広げ、全身に風を感じる。
「確かに気持ちいいな」
そう言いながら目を閉じた瞬間、先ほどの城とは違う古い大きな建物が浮かんだ。
古い建物を背に美しい庭園を見つめる自分の視線は、何故か地面ばかりを映していた。
不意に視界が真っ暗になった。息が苦しくなるほどの閉塞感と暗闇に慌てて目を開けば、そこは元の通り何もない広場のままだった。
「冬真?」
「降りよう、降りて買い物でもしよう」
「うん」
涼しい風を浴びたのに、不思議と体が熱く感じる。冬真は、額の汗を拭い、力也の手をつかんだ。登りとは逆に早足で山から下りると、古い町並みを手をつかんだまま歩いた。
「冬真?」
先ほどからどこか様子がおかしい冬真に戸惑いつつも、力也はそう呼びかけた。
「あ、なに?」
その呼びかけで早足になっていたことに気づいたらしい、冬真は足を止めると力也を見つめて笑みを浮かべた。
「えっと・・・・・・休憩しない?」
「休憩?」
「うん、あそこ! お団子売ってるから食べよう」
様子のおかしい冬真をどうにかしようと、辺りを見回せば一件の古いお団子屋さんが目に入った。丁度いいかと思い指させば、冬真もそのお団子屋さんを見つけ苦笑した。
「お団子かいいな」
「いこう」
手を掴まれたまま、引っ張っていき、団子が並ぶショーケースの中を見つめる。おいしそうないくつもの団子に、嬉しそうな表情を浮かべる力也の横に座った。
「どれ食べる?」
「あんこと蜜、冬真は?」
「俺はこの焼き団子にしようかな」
二人でお団子を注文すると、それを持ち近くの椅子へと座った。
「「いただきます」」
二人してお団子を食べる。かなり昔からあるお店らしく、今は一人でやっているようだが、しっかりとした店構えだ。
「うまい」
「うまいな」
つくりたてのお団子を味わいつつ、冬真は力也を見つめていた。穴が空きそうなほどに、じっと見つめているのに、力也はお団子に夢中になっているのかそんな視線に気づかなかった。
「力也」
「うん?」
「ついてる」
口の端についていた蜜を、口を近づけて舐めとれば、驚いたように固まってしまった。道端の椅子でするには大胆な行為だったが、口の周りに残っている分をしっかりと舐めとり、冬真は口を離した。
「なにするんだよ」
「だからついてたんだって」
恥ずかしそうな様子の力也の頭を笑いながら撫でると、冬真は甘えるように見つめた。
どうしてだろう、もうここにいたくない、二人きりでいるのにもっと二人きりになりたい。誰も邪魔ができない、他の人の気配がない場所に行きたい。
「ごめん、やっぱマンションに帰りたい」
「もう?」
「そう、帰り着くの夜遅くなるけど、お前と二人きりの家に帰りたい」
「運転は?」
「頑張るから」
そんな風にご主人様に言われて、断れる者がいるだろうか。ここに来る前はみたいところが他にもあったし、お土産も買いたかったが、力也は頷いた。
「わかった。帰ろう」
少し申し訳なさそうな表情を浮かべる冬真に笑い返すと、その手を掴み立ち上がった。Domらしい表情とはまた違う、縋るような表情に大丈夫だと笑い返すと車を止めた場所に向かい歩き出す。
「俺運転するから、冬真は寝てもいいよ。疲れたんだろ?」
「ありがとう」
やはりなんだかんだ疲れが溜まっていたのか、そうお礼を言った冬真の瞳は、二人でいつもいるときのような楽しそうなものではなく、どこか力なく見えた。
自分自身力也と出会うまでそんな物を感じたことはないし、信じたこともない。物語の中や、人づてに聞くことはあってもそれは現実味がなく、憧れを抱くほどの純粋さも自分にはなかった。
それが力也と出会い、現実味を帯びていた。例えば、力也がピンチに陥ったとき、知らせるようにざわめくことがある。早く、早くと心が急がせるあの感覚、急がないと間に合わないと思わせるようなあの感じ、冬真は本人よりも強い危機感を持っていた。
それ以外にも心がざまめくときがある。例えば、ふとした力也の笑顔や、同じSub達に囲まれている姿など、不思議なざわめきを感じる事がある。それはきっと恋なのだろうと思っていた。勢いで関係に持ち込んでしまったが、力也を知る度に自分は恋をしているのだと。
石段を一段一段上りながら、二人は天守閣を目指して歩いていた。もう夕方に近くなっているからか先ほどの施設とは違い、観光客は少なくすれ違う人もいない。
「レンタカー延長安くしてもらって助かったね」
「だな」
今日中には返せないから明日何時に返せばいいか確認したところ、友人と言うことで延長も融通を利かせてくれるらしく明日返すにしても時間を気にしなくてよくなった。
「お礼にお土産買って帰らないとな」
「そうだな」
「・・・・・・冬真? 疲れてる?」
軽快に歩いていた力也にそう聞かれ、冬真は顔を上げた。見上げれば、心配そうな顔をした力也と目が合う。
「やっぱさっきのキツかった?」
「・・・・・・あ、ああ。いや、大丈夫、平気!」
結局わりと早い段階でギブアップをしてしまった冬真は、それに付き合わせてしまった事を若干気にしていた。
本人は十分楽しめたと言っていたが、気遣ってくれていたのはわかっている。
「ほんと?」
「ほんとだって、ちゃんと休んだし、力也も褒めてくれただろ? もう大丈夫だって」
「ならいいけど」
疑いながらも、それ以上は聞かれなかったことで、ほっとしてため息をつく。実際具合が悪いという感じではなくなんとなく気が重かっただけだ。
「そう言えば力也はこういうとこで撮影とかしたことあるのか?」
話をそらすように、思いついたことを尋ねれば力也もあっさりとそれに乗ってきた。
「あるよ。時代劇のエキストラとか引き受けたことあるし、殺陣もしたことあるし」
「そう言えば殺陣できるんだよな。見てみたいな、お前の殺陣、きっとすげぇかっこいいんだろうな」
肉弾戦をする姿は撮影でも何度か見たことがあるが、生き生きと、楽しそうにさえ見えた。力也自身も楽しいらしく、負ける役の時も、手を抜くことなど一切なかったように感じた。
おそらく殺陣は殺陣で違うかっこよさを見ることができるのだろう。
「今のとこ時代劇の話はないけど、そんときは見に来る?」
「行きたい。楽しみにしてる」
かっこいい殺陣の姿を見れば、また惚れ直してしまうのだろう。着物姿で刀を振るう姿を思い浮かべるだけで、心がざわめく気がするのだから。
「高いな」
「高いな」
天守閣に登った二人は、眼下に広がる景色を見下ろしていた。先ほどみた案内では、ここは多くの人々が暮らす町だったようだ。この後回る予定の古い町並みはその頃の物を再現しているらしい。
「あ、あれが古城があったって山かな」
「確かに、近いな」
神月が言っていた古城跡がある小さな山はこの城と目と鼻の先にあった。先ほど案内係の男性が教えてくれたが、その古城はこの城よりも古く、この城の城主とは関係がないらしい。時代が違うのか、それとも一度ついえたのか、それも資料にないらしい。
「行ってみるか」
「そうだな」
なんてことない小さな山なのに目を離すことができない、不思議な感覚を覚えつつ、二人は天守閣を降りた。
古城跡は本当になんてことのない小さな山だった。先ほどの城とは比べものにならないほどの山の階段を登ればすぐに開けた広場に出た。
ここに本当に城などあったのだろうかと思うほどの何にもない場所だが、小さなお堂とその傍に井戸のような物が一つだけポツンとあった。
「何にもないな」
「だな」
神月が言った通り景色はよく、登ってくる途中には紅葉や花見が期待できそうな木々もあったが、あいにく今は青い葉が生い茂るだけだった。
ここがどういった場所だったのかを示す石碑や立て札も見当たらず、二人はとりあえずお堂と井戸を覗き込んだ。
どちらも古く、中に何があるのかもわからなかった。
「結局なんなんだろ?」
お堂をじっと見ていた力也が、立ち上がり冬真を見れば、冬真はどこか遠くを見ていた。
「冬真?」
呼びかけても返事をすることもせずに、冬真周りを見渡し、その瞳は広場の奥の方をとらえていた。
「冬真!」
「え?」
再度呼びかければ冬真はやっと力也を見ると、一瞬驚くように目を見張った。
「どうかした?」
「・・・・・・いや、なんか・・・・・・ちょっと懐かしくなっただけ」
「懐かしく? 昔来たことあったとか? それとも他の場所の話?」
「それがわかんないんだよな。力也はなにも感じない?」
逆に問い返されてしまい、力也は辺りを見渡した。特に懐かしいという感じはしなく、すっきりと何もなくなってしまった状態に清々しさまで感じる。
「うーん、風が気持ちいいかな」
両手を広げ全身で風を浴びている様子を見た冬真は隣へ並んだ。同じように両手を広げ、全身に風を感じる。
「確かに気持ちいいな」
そう言いながら目を閉じた瞬間、先ほどの城とは違う古い大きな建物が浮かんだ。
古い建物を背に美しい庭園を見つめる自分の視線は、何故か地面ばかりを映していた。
不意に視界が真っ暗になった。息が苦しくなるほどの閉塞感と暗闇に慌てて目を開けば、そこは元の通り何もない広場のままだった。
「冬真?」
「降りよう、降りて買い物でもしよう」
「うん」
涼しい風を浴びたのに、不思議と体が熱く感じる。冬真は、額の汗を拭い、力也の手をつかんだ。登りとは逆に早足で山から下りると、古い町並みを手をつかんだまま歩いた。
「冬真?」
先ほどからどこか様子がおかしい冬真に戸惑いつつも、力也はそう呼びかけた。
「あ、なに?」
その呼びかけで早足になっていたことに気づいたらしい、冬真は足を止めると力也を見つめて笑みを浮かべた。
「えっと・・・・・・休憩しない?」
「休憩?」
「うん、あそこ! お団子売ってるから食べよう」
様子のおかしい冬真をどうにかしようと、辺りを見回せば一件の古いお団子屋さんが目に入った。丁度いいかと思い指させば、冬真もそのお団子屋さんを見つけ苦笑した。
「お団子かいいな」
「いこう」
手を掴まれたまま、引っ張っていき、団子が並ぶショーケースの中を見つめる。おいしそうないくつもの団子に、嬉しそうな表情を浮かべる力也の横に座った。
「どれ食べる?」
「あんこと蜜、冬真は?」
「俺はこの焼き団子にしようかな」
二人でお団子を注文すると、それを持ち近くの椅子へと座った。
「「いただきます」」
二人してお団子を食べる。かなり昔からあるお店らしく、今は一人でやっているようだが、しっかりとした店構えだ。
「うまい」
「うまいな」
つくりたてのお団子を味わいつつ、冬真は力也を見つめていた。穴が空きそうなほどに、じっと見つめているのに、力也はお団子に夢中になっているのかそんな視線に気づかなかった。
「力也」
「うん?」
「ついてる」
口の端についていた蜜を、口を近づけて舐めとれば、驚いたように固まってしまった。道端の椅子でするには大胆な行為だったが、口の周りに残っている分をしっかりと舐めとり、冬真は口を離した。
「なにするんだよ」
「だからついてたんだって」
恥ずかしそうな様子の力也の頭を笑いながら撫でると、冬真は甘えるように見つめた。
どうしてだろう、もうここにいたくない、二人きりでいるのにもっと二人きりになりたい。誰も邪魔ができない、他の人の気配がない場所に行きたい。
「ごめん、やっぱマンションに帰りたい」
「もう?」
「そう、帰り着くの夜遅くなるけど、お前と二人きりの家に帰りたい」
「運転は?」
「頑張るから」
そんな風にご主人様に言われて、断れる者がいるだろうか。ここに来る前はみたいところが他にもあったし、お土産も買いたかったが、力也は頷いた。
「わかった。帰ろう」
少し申し訳なさそうな表情を浮かべる冬真に笑い返すと、その手を掴み立ち上がった。Domらしい表情とはまた違う、縋るような表情に大丈夫だと笑い返すと車を止めた場所に向かい歩き出す。
「俺運転するから、冬真は寝てもいいよ。疲れたんだろ?」
「ありがとう」
やはりなんだかんだ疲れが溜まっていたのか、そうお礼を言った冬真の瞳は、二人でいつもいるときのような楽しそうなものではなく、どこか力なく見えた。
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