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第1部:鮮血の王冠
第13話:屈辱の初夜
しおりを挟む【Side:ロゼノア】
(……来る)
私は膝の上でギュッと手を握りしめる。
大丈夫。私は「悪役令嬢」よ。アルカディアスになんて、絶対に屈したりしない。
ただの初夜。義務として、淡々と終わらせればいいだけなんだから。
そう決意していたのに。
「……ようやく、捕まえた」
ゾクっとする低音。耳元で囁かれ、鼓動が落ち着かない。
見上げると、アルカディアスが私を見下ろしている。
飢えた獣のような、その黄金の瞳。
……違う。私に転がされていた、以前のアルカディアスとは違う。
(そんな目で見ないで。私のペースが乱される……!)
アルカディアスは、ナイトドレスのリボンに指をかけ、わざと時間をかけて、じれったく解いていく。
はらり、と絹が滑り落ち、胸が露わになった瞬間――彼に押し倒された。彼の長い銀の髪が私の頬を掠める。
「あっ――」
「……ほう」
(……ッ! じろじろ見ないでよ……!)
視線だけで愛撫されているようだ。
恥ずかしい。見られているだけなのに、胸の先が勝手に熱を持ち、キュッと引き締まっていくのが自分でも分かる。
身体が、彼の視線に反応している? 嘘でしょう?
「……ずいぶんと淫らな果実を隠し持っていたんだな」
「……ッ」
彼の大きな手が伸びてきて、先端を指でそっとなぞる。
「あ……んッ……!」
「もう感じているのか?」
彼は嘲笑うように私を見下ろし、両手で私の膨らみを寄せ、顔を近づけた。
左の突起を親指の腹で小刻みに擦られ、右は熱い口腔に含み込まれた。舌先で転がされ、吸われ、音を立てて愛でられる。
「……あ……ンッ……や……ん……ッ」
(ダメ……! 感じちゃう……ああ……!)
「……はぁ、たまらないな」
わざと淫らな音を立てながら、私の胸を弄ぶ。
(……ああ、もう……トロけそう……)
彼の手が下腹部へと私の体を這っていく。
ネグリジェの裾を捲り上げられ、彼の指が下着の上から触れる。
「正直な身体だ。……もう、こんなに濡れている」
秘部を触られた瞬間、頭が沸騰しそうになった。
(嘘、やだ……そんなに濡れてるなんて、知らない……ッ!)
そっと下着を脱がされる。何も身につけていない無防備な状態が、こんなに心許ないとは。
彼の手が私の太ももを掴み、大きく広げる。
(いやっ、見ないで……恥ずかしい)
「よく調べないとな……」
彼が顔を近づける。
次の瞬間、ぬるりとした熱い塊が、私の秘部に押し当てられた。
「ひゃうッ……!?」
(舌……!? 私のあそこを舐めてるの……!?)
彼は一番敏感な部分を、舌で押し潰すように、ねっとりと舐め上げた。
「ん……っ、ぁ……!」
(熱い、怖い……でも、気持ちよすぎて……!)
彼は、ゆっくりと舌を動かす。
まるで味見をするように。あるいは、自分の唾液でマーキングをするように。
「あ、や、そこ……やめて……っ」
「……やめて欲しいのか?」
(うっ――!)
彼は一度顔を離すと、濡れた唇を舌でなめずり、妖しく呟いた。
「口では拒んでも、身体はこんなに正直だ……。いいザマだな、ロゼノア」
ゾクリ、と背筋が震えた。
彼は再び顔を埋めた。今度は、より深く、より激しく。
長い舌が、秘部の奥まで割り入ってくる。
ジュルッ、と音を立てて愛液を啜り上げ、敏感な突起を唇で挟んで吸い尽くす。
「はぁ……やぁんんッ……あンッ!」
(あ、あ、だめ……っ! 食べられる、食べられちゃう……!)
巧みすぎる舌使い。
強弱をつけて責められるたびに、私の理性は粉々に砕かれていく。
イきそうになると、彼はピタリと動きを止める。
焦らされ、弄ばれ、私は涙目でシーツを握りしめるしかない。
「欲しいか? ……そんないやらしい体で誘ってるくせに」
「……ッ」
「言え。俺のものが欲しいと。……一生、俺の玩具になりますと」
なんて酷いことを言わせるの。
でも、身体は限界だった。奥が疼いて、彼に埋めてもらわなければ狂ってしまいそうだった。
私は涙目で、悪魔のような彼に屈服した。
「お願い……っ……あなたの、ください……ッ! 私を、めちゃくちゃにして……ッ!」
(言っちゃった……もう、戻れない……!)
私の敗北宣言を聞いた彼は、狂喜に満ちた笑顔を浮かべた。
「……いい子だ。一生、離さない」
重い衣擦れの音がして、熱く大きく昂った彼の楔が現れた。
そして、ゆっくりと、彼が私の中に侵入してくる。
「ん、ぅ……ッ……」
(ああ……大きい……ッ!)
私の中の隙間という隙間が、彼で埋め尽くされていく。逃げ場はない。
私はこの夜、美しい檻の中で、彼に飼いならされたのだ。
【Side:アルカディアス】
ようやく――ようやく、この時が来た。
どれだけ俺はこの日を待ちわびたことか……!
「……やっと、捕まえた」
(……長かった。本当に、長かった)
ベッドで震えるロゼノア。
俺を見て強がるそのアメジストの瞳。ああ、なんてそそる。
今夜からは、お前は俺だけのものだ。
リボンを解く。
その下に隠された肢体を露わにした瞬間、俺の視界が歪んだ。
豊満で美しい果実。雪のような肌に、桜色の蕾。
たまらず、押し倒してしまった。
(……汚したい。俺の色で、俺の匂いで、ぐちゃぐちゃに汚してしまいたい)
指先でなぞり、焦らし、彼女が困惑して顔を染める様を観察する。
両掌で彼女の豊満な胸を掬い上げ中央に寄せる。目の前には二つの果実。
思わず、しゃぶりつく。
(ああ……すごい、ロゼノア。なんて柔らかさだ……)
俺の楔はすでに限界まで硬くなっている。だが、もう少し我慢だ。俺は気の済むまで彼女の蕾を弄んだ。
手を下へと滑らせると、彼女の秘所はすでに信じられないほど濡れていた。
身体は正直だ。口では拒んでも、下半身は俺を求めて泣いている。
(……こんなに淫らな場所を隠し持っていたなんて……あぁ、耐えがたい……!)
俺は彼女の膝を開いた。
目の前には、露わになった彼女の秘め事。
透明な蜜が、太ももを伝って滴り落ちている。
(ああ、我慢できない……一滴残らず、俺が飲み干してやる)
俺は迷わず、その場所に顔を寄せ、舌を這わせた。
甘い雌の匂いと、蜜の味。
脳が痺れるほどの甘露だ。
『あ、や、そこ……舐めないで……っ』
「……やめて欲しいのか?」
(もっとだ。もっと鳴け。俺のためだけに声を枯らせ)
俺は彼女の太ももを掴んで固定し、さらに深く味わった。
敏感な核を舌先で転がし、ひだの奥まで舌を割り込ませる。
「……いいザマだな、ロゼノア」
俺の舌技ひとつで、気高い聖女が快楽に溺れ、理性を失っていく。
その無防備な姿を見られるのは、世界で俺だけだ。
その事実に、俺の歪んだ独占欲が満たされていく。
(ああ、もう、ダメだ……理性の限界だ――!)
「言え。俺のものが欲しいと。……一生、俺の玩具になりますと」
彼女が泣きそうな声で俺を求めた時、俺は勝利を確信した。
『……ほし、い……あなたの、ください……ッ! 私を、めちゃくちゃにして……ッ!』
ああ、なんて甘美な響きだ。
俺は彼女の秘部を押し広げ、自身のすべてをゆっくりと沈めた。
『ん、ぅ……ッ……』
(ああ……まだだ、まだ……すごい締め付けだ……!)
彼女の中は、狂いそうなほど熱く、俺に吸い付いてくる。
まるで、俺を離さないと言っているようだ。
(やっと、ああ、ロゼノア……)
奥まで潜り込み、彼女の内壁に俺の存在を刻み込むように腰を動かす。
愛している。愛している。誰にも渡さない。
俺は彼女を抱きしめ、耳元で呪いのような愛を囁きながら、ただひたすらに彼女を愛で、奥深くまで種を注ぎ込んだ。
この夜、ロゼノアは俺のものになった。
*
翌朝。
小鳥のさえずりと共に目を覚ますと、隣は冷たくなっていた。
王の激務ゆえ、すでに出立したのだろう。
「……んぅ……」
身じろぎした瞬間、全身に走る鈍い痛みと気だるさに、思わず変な声が漏れた。
腰が、重い。
足の付け根が、笑ってしまうほど力が入らない。
シーツをめくると、私の白い肌は、彼がつけたキスマークで斑点模様になっていた。首筋、鎖骨、胸、太もも……数え切れないほどの「所有印」。
(……あの、獣……ッ!)
昨夜の記憶が、鮮明に蘇る。
意地悪な言葉責め。巧みな指使い。そして、理性など吹き飛ばすほどの激しい楔。
『お前は俺のものだ』と、耳元で何度も囁かれた低音。
カァァッ……。
思い出しただけで、顔から火が出そうだ。
(あんなに泣いて、お願いするなんて……私の黒歴史よ……!)
私は枕に顔を埋め、バタバタと足を動かした――けれど、すぐに痛みが走って「うぐっ」と動きを止める。
悔しい。身体の節々が、彼の愛撫を覚えているのが癪に障る。
「……勘違いしないでよね、アルカディアス」
誰もいない寝室で、私は自分に言い聞かせるように独り言を呟く。
「昨日は、初夜だから『花を持たせてあげた』だけなんだから。……そうよ、あんなに必死な顔をしてたから、聖女の慈悲で受け入れてあげただけよ」
私はふらつく足取りでベッドから降りようとして――膝がカクンと折れ、その場にへたり込んだ。
「……うぅ」
床には、無残に放り出された高級シルクのナイトドレスが、ゴミのように転がっている。
まるで昨夜の私の敗北を嘲笑っているようだ。
私はそのドレスを拾い上げ、ムッとしてギュッと握りしめた。
「……次は、こうはいかないわよ」
鏡に映る自分を見る。
髪はボサボサ、目はトロンと潤んで、口元は少し腫れている。
どこからどう見ても「旦那様にたっぷりと愛された、幸せな新妻」の顔だ。
(……なにこのブス)
私は鏡の中の自分に向かって、強気にふんと鼻を鳴らした。
頬が緩みそうになるのを、必死に引き締める。
「……次は私が、あなたが泣いて縋るくらいにイジメてやるわ。覚えておきなさい……!」
こうして、波乱と甘い敗北の初夜は幕を閉じた。
―― 第1部 完 ――
《あとがき》
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
次話より、第2部『黒薔薇の覚醒』が始まります。
ここからは転生前のゲーム知識は通用せず、物語はよりダークな展開へと進んでいきます。
第2部からは、更新ペースを【毎週 火・木・土の週3回】に変更いたします。
次回更新は【1/8(木)20:10】です。
引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
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