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25 帰還
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盗賊のリーダーだけ、証人として口を塞ぎ目隠しをし、両手両足を拘束し、足の腱を切り馬車の隅に転がした。レオンが。怖いが再犯を防ぎ、アルテナの商人を罰するためには必要だ。
男の子は泣いて俺に謝ってきた。俺が勝手にしたことだから、謝らなくても大丈夫だと伝えたが、ずっと「ごめんなさい、ありがとう」を繰り返し伝えてきた。父親も謝罪と感謝を何度も伝えられたが、こちらも気にしなくて良いと返した。
おそらく保護魔法が発動したと思われるが、俺は男の子を庇っていて発動の瞬間を見ていないし、男の子は言わずもがな。父親の商人も怖くて目を閉じていたらしい。御者は馬車の中。残るはレオンだが……。
今まさに強く抱き締められている。苦しいくらいぎゅうぎゅうに。
「レオン……ごめんね」
「……………」
「レオン……心配かけて、無茶して、ごめんなさい」
「………目の前で、エレンが切られそうになった時のオレの絶望と胸をえぐられるような辛く悲しい気持ちが分かるか?」
「……本当にごめんなさい……」
「生きてきて、こんなに堪えたのは初めてだ。守るって言ったのに。こんな危ないことして……。守りきれなかったオレも、不甲斐なくて……」
「レオンは悪くない! 俺が……俺が勝手に動いたから……」
「それも含めて守るのがオレの役目だ。これからは自分のことも、そばに居るオレのことも考えて動くこと。約束して」
「うん。約束する」
「よし」
頭をぐちゃぐちゃに撫でられる。一応俺成人してるんだけどな。保護魔法のこと、聞きたいけどここじゃ人目があるからアキュレに着いてからだな。レオンが魔法発動の瞬間を見てないにしても、野盗が急に気絶した状態で遠くに飛ばされているなんて異常事態、不思議に思うことは当たり前だ。さて、どう説明しようか……。
今は商人の男が、御者の代わりに馬を引いている。もう既に明け方で、数時間もすればアキュレに到着しそうだ。御者と男の子、アマービレは疲れて眠っている。
「エレンも少しは眠った方が良い。盗賊の奴はオレが見張っているから」
「ううん、なんだか眠くなくて……」
「神経が高ぶってるのかもな。オレにもたれかかって目だけでも瞑っておけ。少しは回復する」
「うん……レオン。守ってくれて、ありがとう……」
「……ああ。これからは絶対守りきってみせるよ」
レオンのいつもと変わらない優しい声に心ゆるび、言われるがまま目を瞑った。目から一粒涙が零れた。目元にレオンの唇が寄せられる感触がした。
「エレンの涙は甘いな…。───今日は頑張ったな。ゆっくりお休み」
そのまま抱き寄せられ、レオンの胸に凭れた。星はもう見えない。レオンと朝の匂いがした。
数時間後。アキュレに到着した。すぐさま憲兵に盗賊を引き渡し、詳しい事情を聞くため商人父子は同行し、御者は病院へと移送された。俺とレオンは後日参考人として呼ばれる可能性があるということだった。その場合、レオン宛に冒険者ギルドに言付けるとのこと。
俺は疲弊しているものの、レオンと話がしたくて、だがどう誘おうか分からず困っていた。あまりにも何も言わなすぎて怖い。俺が何しても興味ないとか……? いや、あれ程俺の無事を喜んでくれたのだから無関心な訳では無い……? 分からない……。俺がうんうんと唸っていると、レオンから声を掛けてきた。
「エレン、疲れていると思うが、まだ時間大丈夫か?」
「え!? うん! 大丈夫だよ」
レオンから誘ってくれるのなら万々歳だ。どう説明するかはまだ考えてないけど。
「オレの家に来ないか」
男の子は泣いて俺に謝ってきた。俺が勝手にしたことだから、謝らなくても大丈夫だと伝えたが、ずっと「ごめんなさい、ありがとう」を繰り返し伝えてきた。父親も謝罪と感謝を何度も伝えられたが、こちらも気にしなくて良いと返した。
おそらく保護魔法が発動したと思われるが、俺は男の子を庇っていて発動の瞬間を見ていないし、男の子は言わずもがな。父親の商人も怖くて目を閉じていたらしい。御者は馬車の中。残るはレオンだが……。
今まさに強く抱き締められている。苦しいくらいぎゅうぎゅうに。
「レオン……ごめんね」
「……………」
「レオン……心配かけて、無茶して、ごめんなさい」
「………目の前で、エレンが切られそうになった時のオレの絶望と胸をえぐられるような辛く悲しい気持ちが分かるか?」
「……本当にごめんなさい……」
「生きてきて、こんなに堪えたのは初めてだ。守るって言ったのに。こんな危ないことして……。守りきれなかったオレも、不甲斐なくて……」
「レオンは悪くない! 俺が……俺が勝手に動いたから……」
「それも含めて守るのがオレの役目だ。これからは自分のことも、そばに居るオレのことも考えて動くこと。約束して」
「うん。約束する」
「よし」
頭をぐちゃぐちゃに撫でられる。一応俺成人してるんだけどな。保護魔法のこと、聞きたいけどここじゃ人目があるからアキュレに着いてからだな。レオンが魔法発動の瞬間を見てないにしても、野盗が急に気絶した状態で遠くに飛ばされているなんて異常事態、不思議に思うことは当たり前だ。さて、どう説明しようか……。
今は商人の男が、御者の代わりに馬を引いている。もう既に明け方で、数時間もすればアキュレに到着しそうだ。御者と男の子、アマービレは疲れて眠っている。
「エレンも少しは眠った方が良い。盗賊の奴はオレが見張っているから」
「ううん、なんだか眠くなくて……」
「神経が高ぶってるのかもな。オレにもたれかかって目だけでも瞑っておけ。少しは回復する」
「うん……レオン。守ってくれて、ありがとう……」
「……ああ。これからは絶対守りきってみせるよ」
レオンのいつもと変わらない優しい声に心ゆるび、言われるがまま目を瞑った。目から一粒涙が零れた。目元にレオンの唇が寄せられる感触がした。
「エレンの涙は甘いな…。───今日は頑張ったな。ゆっくりお休み」
そのまま抱き寄せられ、レオンの胸に凭れた。星はもう見えない。レオンと朝の匂いがした。
数時間後。アキュレに到着した。すぐさま憲兵に盗賊を引き渡し、詳しい事情を聞くため商人父子は同行し、御者は病院へと移送された。俺とレオンは後日参考人として呼ばれる可能性があるということだった。その場合、レオン宛に冒険者ギルドに言付けるとのこと。
俺は疲弊しているものの、レオンと話がしたくて、だがどう誘おうか分からず困っていた。あまりにも何も言わなすぎて怖い。俺が何しても興味ないとか……? いや、あれ程俺の無事を喜んでくれたのだから無関心な訳では無い……? 分からない……。俺がうんうんと唸っていると、レオンから声を掛けてきた。
「エレン、疲れていると思うが、まだ時間大丈夫か?」
「え!? うん! 大丈夫だよ」
レオンから誘ってくれるのなら万々歳だ。どう説明するかはまだ考えてないけど。
「オレの家に来ないか」
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