喰われて、供えて、繋がって

藤 時生

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契り【R18】

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 拓己の身体は、完全に支配されていた。金縛りは続いている。だが、それはもう“動けない”という単純な意味ではなかった。

「ぁ゛♡あ゛は……♡ア゛っ♡」

 男の指が這うたびに、皮膚の下が熱を持ち、血が沸騰するような痺れが走る。その痺れはまるで身体に染み入るように広がっていき、内側から別の何かに書き換えられていくような感覚を拓己に齎した。

「……我が印、深く刻もう」

 耳元で囁かれる。だが、その声は耳ではなく、脳髄に直接に染み込んでいく。土地神の顔が近づく。拓己の目を、覗き込む。逃げられないと示すように。

「ぃ、やだ……♡」

 最後の矜持でもって呟くのに、体がピクリとも動かない。触れられる度に湧き上がる興奮に、体の奥が熱くなる。

「逃がしはしない」
「っ……あ、ぃやだ……!♡」

 羞恥が襲う。だけど、遅すぎた。
 拓己の身体は、もうすでに土地神の指先だけで敏感に反応してしまうほど、異常なほどに“出来上がって”いた。触れられただけで、喉が勝手に喘ぐ。理性が、崩れていく。

「は、ふ……ぁ……♡」

 グラ、と身体が揺れる。膝から力が抜けそうになって、男の方に倒れ込んだ。難なく受け止められ、そのまま抱き寄せられる。

「ん゛……っぁ゛は♡」

 密着した体から伝わる体温は低い。けれど、触れているだけでじりじりと痺れるような快楽が込み上がってくる。それをどうにか逃がしたくて吐きだした吐息は、すでに甘く蕩けて媚を含んでいた。
 男が拓己の体を片腕で軽々と抱え、驚く間もなく店内の奥、拓己の背後にある休憩スペースへ連れ込まれる。俯せに投げ出され、起き上がって振り返ろうとする前に首の後ろを掴まれて押さえつけられた。

「っは、なせ……ッ!」

 畳敷きで3畳ほどの休憩スペースは、仮眠をとったり事務作業をする場所だった。今は照明も落とされて、薄暗い。
 さして強く力を込めている様子でもないのに、男は腕一本で拓己を押さえつける。身を捩っても男の手を引っ掻いても全く揺らがなかった。それどころか反対の手が、拓己のワークパンツのウエスト部分から中に入ってくる。

「ッや、めろ!ヘンタイ!」

 身体を捩って逃れようと抵抗したのに、ボクサーパンツの内側に入ってケツを握られた。強く指が食い込んだだけで、ゾクゾクとした快感が脊髄を伝って脳を犯す。

「ぁ゛……!ん、んぅっ♡」

 こんなことおかしい。男の指先が触れると不自然なほどに気持ちいい。オカシな薬でも盛られたのかと思うような感度だ。もぞもぞと膝を畳に擦り付けながら、それでも逃げ出そうと腕を前に伸ばす。

「ん゛ッぉ゛っ……!?♡♡♡」

 ぬるぅ゛……♡と男の指先が、前置きもなく拓己のアナルに挿入される。尾てい骨の辺りから一気に駆け上がってくる気持ちよさに、目の前でチカチカと光が明滅する。

「ぁ、あ゛……っ?♡ぁひ……ッぃ゛♡♡」

 異物が入ってきたはずなのに、内壁がまるで歓迎するみたいに吸い付くような動きをしている。硬い指を締め付ける度に、ぞっ♡ぞっ♡と鳥肌の立つような感覚が走った。

「ん゛っ、……あ゛♡や、めろぉ……っひ、ぃ♡……ッ♡ん゛、ぉ♡お゛っ♡」

 男の指が、ぬち♡ぬち♡とゆっくり動く。潤滑油もない乾いた指は苦痛を感じるはずなのに、ただ抜き差しをされるそれだけで、拓己は腰が砕けそうなほど感じてしまっていた。指の動きに合わせて勝手に声が出る。それが恥ずかしくて口を閉じたいのに、力が入らない。
 もう男の手は拓己の後頭部を押さえてはいないのに、逃げることもできず、むしろ膝を広げて強請るような仕草すらしてしまっていた。

「私との交合は皆そうなる……、恐れるな」
「ぁ゛……♡あ゛ぁ゛……ッ♡」

 男は拓己の上に覆いかぶさり、首筋に顔を埋めてべろりと肌を舐め上げる。もう拓己の体は、この男の指先ひとつでどうにでもできるようなものになっていた。
 ぐりゅ♡と突然圧された場所から強い感覚が弾けて、拓己の体が跳ね上がる。腰が反って尻が上がり、カクカクと無様に揺れる。

「ひっ!?♡ィ、ぎ、ぃ゛あ゛っ♡♡あ゛ッあ゛♡そこ♡それだめ♡」
「ここがお前の泣き所か」
「っは、ぉ゛♡♡ぉお゛ッ♡お゛♡う゛♡ぅお゛ッ♡」

 男の声にわずかな笑みが含まれ、反射的に指を締め付ける肉壁をこじ開けながら立て続けにその場所を刺激される。

「ひっ♡やだっ♡だめっ♡それっ♡ぁ゛ーっ♡♡」
「お前の身体はここがいいと言っている」
「っはぁっ♡ぁああ゛っ♡お゛っ♡ほっ♡ぉ゛っ♡」

 拓己の喉からは濁った声が上がり続ける。拒否するような言葉を吐くも、これ以上なく快楽が溶け込んだ声音では意味がない。男の指を締め付ける肉壁も、キュン♡キュン♡と阿るように痙攣を繰り返し始める。男は拓己の耳元に口を寄せ、低く囁く。

「私に身を任せろ」
「っ~~~~~~!!!♡♡♡♡♡」

 その言葉は催眠のようだった。途端に全身から力が抜けた。男の指を咥えこんだアナルが、みっちりと狭まっていく。身体の奥底から熱が迫り上がってくる。男の指が腸壁を擦ると目の前に火花が散る。身体中の細胞が歓喜しているのが分かる。拓己はもうどうにもできなかった。心身ともに屈服してしまう。してしまってもいいと、一瞬でも思ってしまった。

「あ゛……ぁ……♡」

 思ってしまった瞬間、ダメになった。生ぬるい湯のような多幸感が溢れ出して、爪の先まで全身をどっぷり浸す。男が指を動かして肉壁を摩ると腰が跳ね、脳が溶け落ちそうになる快感が突き抜けた。

「ぁ゛ー……っ!!!♡なに♡これ♡あ゛っ♡これ♡あ゛っ♡あ゛っ!♡」

 快感の奔流は、止まらない。男の指に合わせて腰が踊る。揺れる尻を突き出すように、勝手に体が動く。男の指は容赦なく拓己の内側を責め立てる。腰を揺らすたびに男の指先が前立腺を掠め、全身を貫くような快楽が押し寄せる。

「ぉ゛♡♡お゛っ♡♡っ♡ぎも゛ぢい゛♡」
「うまく気をやれたな。いい子だ」

 初めての感覚に混乱し、体を捩って悶え、もどかしく頭を抱えて髪の毛を掻きむしる。男の指が齎す刺激は拓己には強すぎる。そのうち頭の奥まで快楽漬けになってわけがわからなくなる。身体が浮くような快感に飲み込まれる。溺れるように喘ぐ。口の端から唾液が零れる。目を白黒させながら何度も射精を伴わない絶頂に達する。

「なんっ♡なんれ♡ぇあ゛っ♡あ゛ー……っ♡♡」
「気持ちがいいなぁ、ん?」
「あ゛っ♡♡ぎも゛ぢい゛♡ぎも゛ぢい゛♡ぃ゛ッあ゛っ♡あ゛っ♡」

 吹き込まれる声に促されるまま口走りながら、何度も身体を跳ねさせた。挿入されている指はたった一本であるのに、容赦なく拓己の内側を蹂躙した。前立腺をぐりっと強く押し潰されて頭の中でバチッと光が弾ける。また快感が爆発する。思考が蕩ける。
 男の片手がワークパンツのボタンを外し、ずるり、と下着ごと全て引き下ろされる。力の入らない体で、拓己はひざ下に絡まった衣服を自分から脱ぎ落した。もうまともにものを考えることなどできなかった。頭の中を占めるのは男の指から与えられる圧倒的な快感だけ。男が脱がそうとしているなら、それに従うほかなかった。

「お前の尻はすっかり女陰(ほと)となってしまったな」
「ぁう゛ぅ゛……♡♡ぅ゛、あ゛……♡」

 ずりゅ……♡と食い締める肉穴から指先が引き抜かれ、無意識に物足りない声が出る。茹った頭に浮かぶのは、もっと、という欲求だけだ。やや肉付きの良い尻の狭間を指で開かれ、男に弄ばれて真っ赤に熟れた肉輪が視線を感じて物欲しそうにヒクついている。

「っあ゛……ぁ゛っ♡」

 背後に立つ男が前を寛げる衣擦れの音がして、尻の割れ目を硬い熱が滑った。尻の谷間に押し当てられた熱さに喉を鳴らして身震いする。

「そら、指よりいいモノをやろうな」
「っあ゛……♡ゃ゛っ♡だめ……っ♡」

 ぬりゅ♡と尻肉の間に割り込んできた亀頭がヒクつく穴に押し付けられ、拓己は弱々しく首を振る。だが男は返事の代わりに、まるで拓己の身体を押し潰すように体重をかけてのしかかってきた。

「お゛っ♡ぉ゛~~~~っっ!♡♡♡」

 硬い亀頭が括約筋を押し拡げ、肉の塊がめり込んでくる。多少指で嬲られただけのアナルを太いチンポが擦りながら奥へ突き進んでくるそれに、拓己はピンと足を突っ張らせて仰け反った。

「ぉ゛……、っほ、ぉお゛♡」

 本当ならきっと、痛いしキツいはずだ。指一本で適当に探られただけの尻穴は、男の太いチンポを受け入れる準備など到底整ってはいなかったはず。

「あぁ……、いい具合だ」
「ぉ゛ふ……ッ♡ぅう゛……♡」

 なのに、拓己の肉は嬉々としてチンポを受け入れ、内壁が拓かれることに喜んで慄いている。腹の奥からねっとりとした甘い感覚が湧いて、混乱する拓己の意識を絡め取っていく。むちぃ♡と拓己の尻肉に男の下腹部が押し付けられ、中を探るように亀頭で奥の粘膜を擦られた。

「お゛っ♡んぉ゛っ!♡ぁ゛、あ゛ー……♡」
「はぁ……、奥が吸い付いてくる……」

 全身を震わせる拓己の上で恍惚のため息を漏らして呟いた男が、奥まで突き入れられたチンポを引き抜く。肉壁をごりごりと擦っていくだけで気持ちいい。カリ首がアナルの縁に引っかかった瞬間、腰が抜けそうになるほど気持ちよかった。全身が快感で強張って痙攣する。

「は……っ♡ぁ、ぁあ゛……♡ッお゛っ♡」

 ぱちゅん♡と一気に奥まで突き上げられて、目の前で火花が散った。押し出されるように漏れた声は、男のチンポに蹂躙されることを悦んでいるとしか思えない甘さが溶け込んでいる。

「善さそうだな……っ」
「ぉお゛っ♡お゛っ!♡お゛んっ!♡お゛っ!♡お゛ぉっ……!♡」

 男は拓己の反応に気を良くしたようで、そのまま激しい抽挿を始めた。ばちゅっ♡ばちゅっ♡と濡れた肉がぶつかる音が響く。太い肉棒がアナルを出入りするたびに、腹の奥から快感が湧き上がってくる。拓己は男の動きに合わせて腰を揺らした。もっと奥まで突いてほしい。

「あ゛っ♡お゛っ♡ぉ゛おっ!♡お゛ぅっ♡」

 ごちゅっ♡どちゅっ♡ぬぽっ♡ぐぼっ♡と繰り返し奥を突き上げられる。そのたびに目の前にチカチカと星が散り、体が痙攣する。男が上から伸し掛かって体を添わせる。男の長い髪が拓己の首筋を撫でながら垂れ落ち、その感覚にすら腹の底がざわつく。

「お゛っ♡ぉほっ♡♡ぉっ♡んぉ゛……~~ッ!♡♡♡」

 一際強く突き上げられ、拓己の腹と男の腰が密着した。奥の粘膜をぐりぃっ♡と押し上げられて目の前が白く弾けた。奥が、腹の奥が気持ちいい。肉壁を擦られるのが堪らない。男のチンポが体内を行き来する度、理性がドロドロと溶けていく。また、さっきのあの感覚がクる。

「あ゛っ♡ぉおっ!♡ぁう゛♡ッい゛♡お゛っ……いぐッ♡♡ぃ゛あっ、ぁあ゛っ……~~~っっ!!♡♡♡」

 ごちゅっ♡と強く奥を叩かれ、アナルがぎゅうぅうっ♡と締まった。全身の毛穴から汗が噴き出すような強烈な快感だった。拓己は全身を突っ張らせながらメスイキした。

「は、ぁ゛……あ゛ぁ……!!!♡♡♡」

 頭の奥が白く融解して、全身から力が抜ける。そのくせチンポを咥え込んだ肉壁は喜んでその剛直をしゃぶり、蠕動し愛撫した。

「ッ……は♡♡ぁ゛あ゛……ッあ、ぁ♡♡」

 脳天までどっぷり浸かる絶頂感に、拓己はただただ翻弄されるしかなかった。

「お゛……っ♡ぉ、ほ……ッ♡♡」

 男のチンポがずるぅうっ♡とゆっくり引き抜かれていく。排泄感にも似た快感を、拓己は畳に額を押し付けて耐える。カリ首が括約筋に引っかかって止まると、アナルが収縮してチンポを離すまいと引き留めた。

「んぉ゛……っ♡」

 そしてまた、ずろぉっ♡と一気に奥まで突き入れられる。その衝撃だけでまた上り詰める感覚がある。もうすっかりメスイキの虜だ。

「あ゛ー……♡ぁ、あっ♡ぁう゛……♡」
「お前の肉は俺を気に入ったようだな……」

 体を起こした男が、拓己の片足を抱え上げて松葉崩しの体位をとる。奥の奥まで抉ってくるチンポの感触に、身体を丸めて逃げようとするが男の腕は拓己の足をとらえて離さなかった。

「これはどうだ?」
「お゛っ!♡ぉほッ♡♡ぉっ♡おぉ゛……~~っっ!!♡♡♡」

 ごりゅ♡と結腸の弁を捏ねられ、鈍い痛みにも似たねっとりと重い快感が滲み出してくる。衝撃に一瞬強く締まった腸壁は、すぐに緩んで受け入れた。

「お゛っ♡きもぢい゛っ♡あひっ♡すご、♡いっ♡きもちっ♡きもちぃっ♡」
「もっとしてやろうな」
「もっと♡お゛っ♡ぉぐっ!♡お゛ぐもっと……ぉ゛♡♡ぎもぢぃい゛……ッ♡」

 拓己は男のチンポに串刺しにされながら、無我夢中で喘ぎ散らした。もう自分が何を言っているのかもわからないし理解もできない。ただこの快感を貪ることしか考えられない。
 男は拓己の片足を抱え上げたまま腰を動かし始めた。結腸弁を捏ね回していたチンポがゆっくりと抜け、また深く突き入れられる。ただ抜き差しされているだけなのに、奥の弁と亀頭がくっつくと震えあがるような快感が溢れる。

「ぉ゛、お゛……ッ♡ち、んぽぉ゛……ぎもちぃ♡」
「うん?……あぁ、コレのことか」
「あ゛ッあ゛ッ!!♡♡ちんぽぎもぢぃ゛ッ♡ぃ゛ひ……っ!♡♡あ゛ー……ッ♡♡」

 ばちゅ♡ばちゅ♡と強く腰を叩きつけられ、拓己は畳に爪を立てて身悶える。夢中で何を口走っているのかも自覚しないまま、ただひたすら快楽に耽溺した。

「あ゛ー……っ♡んぉ゛♡♡お゛♡」

男の動きが緩慢になり、拓己の肉輪を味わうようなピストンへと変わる。もどかしい刺激に、拓己は身を捩って男を見上げた。

「も、っとぉ……っ♡」
「うん?」
「はっ、ぁ、もっと♡突いて、ぇ♡♡」

 男の長い髪を引いて催促する拓己の顔を見て、男は深い笑みを浮かべる。

「お゛ぉ゛ッッ!!♡♡♡」

 望んだとおり勢いよく腰を叩きつけられ、結腸弁を押し潰すように抉られた拓己は仰け反って喘いだ。脳天を突き抜けるような快感に目の前で火花が弾ける。

「あ゛ー……♡ぁ、あっ♡あぅう……っ♡♡」

 男は拓己の脚を肩に担いで腰を掴み、ばちゅんっ♡ばちゅっ♡と激しくピストンを繰り返した。強い力で腰を打ち付けられると腹の奥がきゅんきゅんと疼き、拓己は髪を振り乱して身悶える。

「ぉお゛ッ♡ん゛ぃ、……っ♡♡っぎも゛ぢぃ゛……♡」
「あぁ、ッ我もだ……」
「お゛ッ!♡♡ぉっ♡あ゛ーっ♡ぁう゛っ♡」

 言葉を裏付けるように、硬いチンポをグリグリと内壁に擦り付けられた。腹側の前立腺を亀頭で抉りながら奥を開かれ、拓己はがに股のまま仰け反って全身を震わせる。

「はぁ……そろそろか……」
「ぁひ♡あ゛……っ♡ぅ゛ん゛ん゛ッ!♡」

 男の脚の間に投げ出されていた拓己の片足も持ち上げて肩に抱えると、拓己の腰を掴んで自分の下へ敷くように引き寄せた。軽い体でもないはずなのに畳の上を簡単に引きずられ、膝を胸につくほど折り畳まれる。上向いた拓己の尻にのしかかるように男が上から腰を押し付け、チンポが結腸の弁に食い込んだ。

「ん゛っぐぅう゛♡♡ぉぐ、おぐにぃ゛……♡あ゛だ、ぁだっでる♡」

 亀頭を押し付けられているだけで、じゅぐじゅぐと鈍痛のような快感が腹の底で煮え滾る。煮立って溢れ始めるそれに恐怖すら感じて、拓己は自分の両足を抱える男の腕を掴んだ。だが逆に軽くピストンされてしまい、腹の奥で渦巻いていたそれが急速に広がって体が昇っていく。

「お゛っほ……ぉッ♡♡ぁう゛っ♡あっ♡お゛……ッ♡ぃ…ぐ♡ま゛だ、い゛っぢゃ゛……っ♡♡」
「肉が締まってきた……また気をやるか?」
「いぐ♡いぐぅ゛う゛っ!♡♡ぁ゛、あ゛ー……ッ!!♡♡♡」

 たった数回、ピストンされただけだ。それだけの動きで、じゅわぁ……♡と腹の奥から熱い波が広がっていく。ねっとりとしたそれは、あっという間に拓己の体を包み込んだ。途端、脳髄が蕩ける多幸感。意識が気持ちいいだけで塗り潰され、何もわからなくなる。

「ぁ゛は、ぁあ゛ッ♡♡ぎも゛ぢぃ……!♡♡げづでい゛ぐの♡ぉ゛♡ぎも゛ぢぃ゛っ♡」
「っんん、……ッ!」
「あッひ♡ぁあ゛ー……っ!♡」

 拓己の肉が男のチンポにしゃぶりつき、搾り取るようにうねった。その肉を押し退けるようにして、腰を引いた男が突如として激しいピストンを開始する。

「ほぉ゛っ……!?♡♡ぉご♡ま゛っで♡ぉっほ♡ぃ゛ま゛いっで……う゛ッ♡お゛ぉッ……~~っっ!!♡♡♡」

 拓己の身体が弓なりに反り返り、喉仏を晒して身悶える。顎の先から汗が滴った。淫らに乱れる拓己の姿を見下ろして、男の口元に笑みが浮かぶ。

「お前は本当に良い体をしているなぁ……」
「い゛♡い゛っでる゛♡っでぇ゛♡♡♡ぇあ゛ッ♡あッあ゛!♡」

 ばちゅん♡ばちゅ♡と拓己の尻の上で男の腰が跳ねるように打ち下ろされる。男のキンタマが尻に当たるほど激しく突かれる度、亀頭で結腸弁を叩く。メスイキの頂から降りれずに追い打ちをかけられ、ガクガクと拓己の体が痙攣した。

「お゛っ♡ぉ、ほぉ゛お゛……ッ!♡も゛、や゛ぁ゛♡♡あ゛ぁー……!!っ♡♡」

 拓己は涙で顔をぐしゃぐしゃにして男に懇願した。これ以上は気が狂ってしまう。だがそんな拓己の表情を見下ろして、男は興奮に瞳をギラつかせた。性欲のたっぷり滲んだその声に、ぞくり♡と意識が揺らぐ。

「あ゛、ひッ!♡ひッぃ゛♡ぃやぁあ……っ♡」

 男は抱えていた拓己の足を下ろすと、今度は拓己の脚を大きく拡げて覆い被さってきた。そのままのし掛かられ二人の上半身を密着させてくる。男はずっしりと体重をかけて拓己の肩を掴んで体を固定し、腰だけを振って叩き付けてくる。

「お゛っ♡ぉほッ!♡♡ぁぐ、んぎぃい……~~~~っっ!!♡♡♡」

 ピストンはいよいよ激しさを増して、男が射精するために拓己の肉壁でチンポを扱く。本能的にそれを察した拓己の脚は本人の意志とは裏腹に男の腰に巻き付き、ザーメンを搾り取ろうとチンポを絞り上げた。

「は……っ、出すぞ……!」

 男が低く唸りながら囁く声には、雄の性欲に満ち満ちて自分の快楽だけを追う乱暴さがあった。肩を掴む手の力強さも、活塞の強さも、だ。男の自分本位な種付けピストンなのに、それが気持ち良くて堪らない。

「あ゛っ、ぉん゛っ!♡ッ出じで……ぇ゛!!♡♡中でッ♡中出じ、ッじでぇ゛……~~ッ!!!♡♡♡」
「ん゛ぐッ……ぅ゛!」

 最奥の結腸弁を突かれた瞬間に、拓己は全身を引き攣らせてメスイキした。だが男は構わず奥ばかりを狙って突き入れてくる。その度に頭の中でチカチカと火花が散り、意識が飛びそうになった。

「あ゛ッ♡あ゛ー……!♡♡いぐっ♡またいぐッ♡♡いっでるぅう゛……っ!♡♡」
「っは、ぁ゛……っぐ――!!♡♡♡」

 殴りつけられるような強さでもってチンポを奥まで叩きつけた男が、喉の奥で呻いて全身を震わせる。衝撃に身を捩る拓己を逃がすまいと全身で掻き抱かれ、結腸弁に食い込んだ亀頭が脈動する。

「お゛ッ!♡♡♡ぉぐ♡ぎだッ♡ぉ゛あ゛ぁっ!!♡♡♡」

 びゅるるるる~~~っっ♡♡♡♡♡びゅぶっ♡♡♡♡びゅくっ♡♡どぷどぷっ……♡♡♡♡♡

「お゛ぁ、あ゛ッ~~~~……!!!♡♡♡♡♡」

 腹の中に熱いザーメンをぶち撒けられた瞬間、拓己は押さえ込まれた体を強張らせた。畳に後頭部を擦り付けるようにして反らした喉が、絶頂に慄いてヒクヒクと引き攣る。開いたままの唇があうあうと意味もなく開閉する。

「あ……♡♡♡ぇ゛……♡」

 ザーメンを飲み込まされる腹の奥が熱い。拓己を抱き締めたまま動かない男の背中に腕を回した時、ぐらり、と拓己の意識が霞む。酩酊する意識の中で、何かが自分の中に流れ込むのを感じる。

「なに……何だ……?」

 乾いた砂が流されていくような寂しさ、侘しさ、孤独感。静かに受け止めるしかないそれが、男の抱える感情だとなぜか分かった。空虚な感情に揺り動かされ、拓己は男の背中に回した腕に力を込める。この行為で、少しでもその感情が薄れただろうかと、そんな考えすら頭を掠めた。

「ん……」
「はっ、ぁあ゛……ッ♡」

 ずるぅう゛……ッ♡とチンポが引き抜かれて2人の体が離れると、さっきまで生々しく感じていたそれは掻き消えてしまう。

「ぁ゛……♡」

 残されたのは、ただぽっかりと開いた肉壺だけだった。


2025/5/7
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