33 / 71
7.ロゼッタと火災現場
33.-8-
しおりを挟むツンととがった艶やかな薄ピンクの先を男らしい指がつまむ。ぞくんと腰に熱が駆けて、肩がぴくんと跳ねた。彼は熱っぽく、形を変える胸の尖りを見て──ぱくりと銜えた。
(え、えええ!????!?)
急な熱さに驚いたのは一瞬で、彼の舌で胸の先をくにくに転がされ、息がなぜか上がる。
(あられもない、声が……出そうに……っ)
太腿を撫で上げられて、懸命に結ぼうとした唇から甘えたため息が零れ出る。太腿と柔らかな腹筋は撫でられたところから熱くなって、身を焼くように悶えさせる。
どうしてか秘所がむずむずして、太腿を擦り合わせたくなった。
ちゅくちゅくと胸の先を吸われると、とくにむずむずと気持ちよさが湧きあがり、溜め息ともつかない小さな声があがる。
「ふ、あ、ぁ……。ま、マシューさん。は、恥ずか……いです」
「恥ずかしいのはこれからだと思うが?」
「しゃ、喋っちゃ、だめですって」
彼が喋ると銜えられた胸の先に歯が当たって、秘所がたまらなくむずむずするし、ゾクゾクが背筋を駆け下りる。それでいて、もっとしてほしい。もっとされたら、蕩けてしまいそうで、少し怖い。
「どうして?」
「いえ、ませ……あ」
カリッと軽く噛まれて、大きな声が出た口を押さえる。
わかってやられたと思っても、嫌ではない。もっと、とはしたなく思う。
「いい声だな」
ようやく胸から離れたマシューは、ロゼッタにキスをしながらシュミーズをすっかり脱がしてしまった。どうしてビスチェとストッキングを着てないのだろう? と、思ったが、彼の手がドロワーズに伸びたせいで考えが霧散する。
「そこ、は……だめですっ」
誰にも触られてことがない不浄は、ジンジンして触られたがっている。足に力を入れて彼の手の侵入を拒むが、柔らかな恥丘をふにふに押されて力が抜けてしまう。
「どうしてだめなんだ?」
「……そ、れは。ふ、不浄だらから、です」
「知識がありあまってるんじゃなかったのか?」
「でも……あっ、こんな……ふうになるなんて……ぇっ、ひゃ……あ、だめ」
秘所が濡れている。本には濡れると書いてあったが、まさかこんなにも体液が出てくるとは思いもよらない。
だめだと言っているのに、マシューの指を許してしまう。いや、その先を知りたい。
硬い指先が熱く蕩けた肉びらをかき分けて、出てくる体液をもっと溢れられるように軽く何度も引っかく。
「あ……、それ、……んんっ、変な……ああっ」
浅い場所は異物感よりも甘やかな痺れに支配されている。これまで得た快感とは違う快感がロゼッタを虜にしていく。
「気持ちいいだろう?」
「んぅ……、きもち、いい、です……あ、はぁっ。でも……その奥が、変なんです……ぅ」
「ここだな?」
ゆっくり入ってきたマシューの硬い指を処女の隘路が無意識で押し返してしまう。その奥をどうにかしてほしいのに。こんなことが長く続くのが逆に苦しくて泣いてしまいそうだ。
「たっぷり蜜を滴らせてる。いい子だ」
頬に、首筋にキスをされていると、濡れ襞をかき分ける異物感が薄らいでいく。ぴりぴりする秘所の一点、ひどく敏感になった女芯をツンと指でつつかれて、わっと身体中に快感が駆け回る。
「あ、ひゃうっ」
経験したことがない快感を与えられるたびに、ロゼッタは喘いで悶える。蜜壺を出入りする彼の指が奥の濡れ襞を掻くたび、鈍い快感を置いていく。それに、ピンと立った女芯をくちゅくちゅ擽られるのがたまらなく気持ちがいい。
「マシュー、さぁ、あんんんっ……あ、はぁ……、もう、やめてぇ……おかし、くな、ぁぁ」
ピリピリする身体のどこそこのどこかが、頭の中が、快感の濁流に呑まれてしまう。堰き止めている、なにかが、決壊してしまう。決壊するのが、怖い。なにも考えられなくなるのも、怖い。
「ロゼッタ。もっと感じろ」
キスをされると怖さが消えてしまい、ロゼッタは逆らうのをやめた。とたんに、堰き止めていた大きな快感に全身を呑まれた。
「あ、あうっ……もう、あ、ぁぁ────んんぅ、ふぁぁん」
弾ける。身体中。頭の中も。胸の奥も。
マシューが好きで好きでたまらないから、全部弾けてしまった。
「どうだ、絶頂感は?」
乱れたシーツの波間にくたりと身体を預けているロゼッタは、はーはーと整わない息を繰り返して、蕩けた頭の中であれが絶頂だとふわふわと思う。
果てしなく気持ちよかったが、腹の奥がまだ切ない。
「……き、もち…………ったです」
この後、マシューがまだ痺れるそこに男性器を入れるのだと、ぼんやりしながら火照った身体を起こす。足のあわいからとろりと蜜が垂れる。
マシューはシャツを脱ぎ、引き締まった身体でロゼッタを抱きしめた。
「あたたかい、です」
触れるところが温かくて、心地いい。ロゼッタは広い背中に手を回して、隆起する筋肉を触る。
(ごつごつしてます。……それに、絡んだ髪が、絹みたいに滑らか。……不思議です、マシューさんって)
「ロゼッタ」
「……ぁ、はい」
耳のそばで名前を呼ばれると心の奥がくすぐったい。
「まだ、無理をさせられない」
「むり?」
愛されることに無理はない。
「大切なんだ、ロゼッタ」
離れた彼の甘い顔は真剣だった。だから、ロゼッタもいつもの顔に戻りたいのに、身体の熱が引いていかなくて、うまく真剣な顔ができない。
マシューがベッドの脇のテーブルに手を伸ばして、小さなグラスを取ると、飲み干した。なんだか儀式めいていて、見逃すことができないでいると、キスをされた。
ロゼッタの口内にゆっくりと冷たくて甘い水が染み渡り、喉をおりていく。
(……性行の、おまじない?)
すっかり水を飲んでしまうと、マシューの舌がロゼッタの口内を優しく隅々まで舐める。
深いキスがふわふわとさせて、力を抜いてしまう。
ゆっくりと再びベッドに押し倒され、とくとくと心臓が鳴るのに、だけど、眠たくてしかたがない。
何度も何度も頭を撫でてくれる手が、優しく眠りへ誘うよう。
「軽い睡眠薬だ。もう少し休め」
「……ま、しゅ……さん」
重たい手を伸ばして抱きついたけれど、眠たくてわからない。
重たい瞼も上がらない。彼の体温と心臓の音、香りに包まれてまどろむ。
まだ、眠りたくないのに。
大好きなマシューを感じたいのに。
(夢の中で、会えます……よね……?)
「……おやすみ、ロゼッタ」
0
あなたにおすすめの小説
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
魔性の大公の甘く淫らな執愛の檻に囚われて
アマイ
恋愛
優れた癒しの力を持つ家系に生まれながら、伯爵家当主であるクロエにはその力が発現しなかった。しかし血筋を絶やしたくない皇帝の意向により、クロエは早急に後継を作らねばならなくなった。相手を求め渋々参加した夜会で、クロエは謎めいた美貌の男・ルアと出会う。
二人は契約を交わし、割り切った体の関係を結ぶのだが――
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
「25歳OL、異世界で年上公爵の甘々保護対象に!? 〜女神ルミエール様の悪戯〜」
透子(とおるこ)
恋愛
25歳OL・佐神ミレイは、仕事も恋も完璧にこなす美人女子。しかし本当は、年上の男性に甘やかされたい願望を密かに抱いていた。
そんな彼女の前に現れたのは、気まぐれな女神ルミエール。理由も告げず、ミレイを異世界アルデリア王国の公爵家へ転移させる。そこには恐ろしく気難しいと評判の45歳独身公爵・アレクセイが待っていた。
最初は恐怖を覚えるミレイだったが、公爵の手厚い保護に触れ、次第に心を許す。やがて彼女は甘く溺愛される日々に――。
仕事も恋も頑張るOLが、異世界で年上公爵にゴロニャン♡ 甘くて胸キュンなラブストーリー、開幕!
---
【完結】目覚めたら男爵家令息の騎士に食べられていた件
三谷朱花
恋愛
レイーアが目覚めたら横にクーン男爵家の令息でもある騎士のマットが寝ていた。曰く、クーン男爵家では「初めて契った相手と結婚しなくてはいけない」らしい。
※アルファポリスのみの公開です。
「転生したら推しの悪役宰相と婚約してました!?」〜推しが今日も溺愛してきます〜 (旧題:転生したら報われない悪役夫を溺愛することになった件)
透子(とおるこ)
恋愛
読んでいた小説の中で一番好きだった“悪役宰相グラヴィス”。
有能で冷たく見えるけど、本当は一途で優しい――そんな彼が、報われずに処刑された。
「今度こそ、彼を幸せにしてあげたい」
そう願った瞬間、気づけば私は物語の姫ジェニエットに転生していて――
しかも、彼との“政略結婚”が目前!?
婚約から始まる、再構築系・年の差溺愛ラブ。
“報われない推し”が、今度こそ幸せになるお話。
完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい
咲桜りおな
恋愛
オルプルート王国第一王子アルスト殿下の婚約者である公爵令嬢のティアナ・ローゼンは、自分の事を何故か初対面から溺愛してくる殿下が苦手。
見た目は完璧な美少年王子様なのに匂いをクンカクンカ嗅がれたり、ティアナの使用済み食器を欲しがったりと何だか変態ちっく!
殿下を好きだというピンク髪の男爵令嬢から恋のキューピッド役を頼まれてしまい、自分も殿下をお慕いしていたと気付くが時既に遅し。不本意ながらも婚約破棄を目指す事となってしまう。
※糖度甘め。イチャコラしております。
第一章は完結しております。只今第二章を更新中。
本作のスピンオフ作品「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」も公開しています。宜しければご一緒にどうぞ。
本作とスピンオフ作品の番外編集も別にUPしてます。
「小説家になろう」でも公開しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる