魔術師ロゼッタの事件簿─色仕掛けなんて無理です!─

なかむ楽

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13.幕間。抜き差しならない

60.-3-

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「俺はそんなに気が長くない」

 小さな鼻をつまむと、ロゼッタが「ふぎゃっ」と色気のない声を上げた。

「まず、親代わりのボールドウィン卿に挨拶に行く」

「ボールドウィン先生に会ってくれるんですか?」

「嬉しそうだな」

「もちろんですよ。ボールドウィン先生は素晴らしい大魔術師でたいへん人柄もよくて、講義もおもしろくて、愛妻家でらして、それで……わたしをずっと見守ってくれていましたから」

「その後でおまえさんは俺の両親に会う」

「……はい?」

 ロゼッタはぱちくりとまばたきを繰り返す。まるでうさぎみたいだ。

「明日にでもボールドウィン卿に面会しよう。その夜に両親に時間を取らせる」

「急展開じゃないですか!? というか、公爵閣下がわたしのような下々に会ってくれるはずありませんよ」

「その夜に俺たちは心身共に恋人になるんだ」

「え……、それは。……その、心の準備を」

「選択肢は、“イエス”か“はい”のどちらかだ。紳士づらしてるのも限度がある」

「……マシューさん。おっぱいを見ながら言わないでくれますか?」

 細い腕と小さな手が乳房を抱いて、背を向けようとする。マシューは彼女の肌に優しくキスをして、隠すのを阻止する。

「隠すな」

「だって、見すぎですよ! 明るいですし!」

 抱きかかえそうにしていたクッションを遠ざけてやると、ロゼッタは手で顔を隠す。
 ロゼッタが身体と合ってないバッスルドレスを着ていたときから、もしかしたらと思っていた。聖白竜列車で初めてロゼッタの胸を見たときは、正直驚いた。
こんなに豊満で優美な胸に魅了されない男はいない。モッサいドレスや髪型のおかげで、悪い虫がつかなかったのか信じられない。

「……昼の日差しのなかだとより美しいな」

 乳房の柔らかな曲線を指でつうっと撫でる。ロゼッタがむず痒がってぴくりと動くと、豊かな乳房がふるりと揺れる。

「なにを……あっあ! やんっ。なめ、るのは……あぁっ」

 色づいた胸の先を大きくペロリと舐めて、小さな先を舌で転がし、時につぶす。空いた手で片方をやんわりと揉みしだくが、マシューの手でも乳房が零れてしまう。

「あ、ぁ、いっしょ、にするのは、ひゃ……ぁぁ……」

「そうやって悶えるのと堪らないな。もっと魅せてくれるか?」

 ふるふるふるんと揺れる大きな乳房を彼は大きな手ですくって寄せる。いつも理性を総動員させて紳士ぶっているのをロゼッタは知らないし、まだその時ではないとわかっているが、マシューも我慢の限界がある。
 こうして明るいベッドで細腰をくねらせて、触られたがっているのを目にすると、幾晩の我慢も無駄になりそうだった。

 マシューはロゼッタを起こして、背を抱きしめる。観念して、ためらいがちに開いた柔らかな足のあわいに手を忍ばせる。

「……ふ、あっ。あ……ゆび、入って……ん、あ、はぁ……っ」

 ロゼッタの蕩けた熱い蜜壷は、この何日かでマシューの指のうまく呑み込んで形を覚えようとしている。今も愛蜜を滴らせて、上手に呑み込んでいる。健気に立った小さな女芯を指の腹でじわじわ擦るとあっけなく絶頂してしまうのも、初々しくてマシューのお気に入りのひとつだ。蜜壷に埋めた指を食い千切らんとぎゅぅぅっと締めつけるのもいい。
 そもそも、ロゼッタは感度がいいのか、触るか触らないかの距離で肌をなぞるだけでふるふると震えて悶える。

「かわいいな、ロゼッタ」

 潤んだ知的な灰緑の瞳は、涙と一緒に零れてしまいそうで、その眦に光る雫をキスで吸い取る。

「マシューさん……」

 ぎゅっとロゼッタが逞しい首に抱きつく。今日はいつもよりも甘えるなと、汗ばんだ丸い額にキスを繰り返す。

「がまん……、しないで、ほしいなって……。その、わたしも、あの……本を読んで、男性が、その……」

「だから、手を出さないって言ったろ。聞いてないのか?」

 これ以上、誘惑するな。と、小さな鼻をかぷっと噛むと、「ぎにゃ」と小さく変な声をあげたロゼッタが反撃をしようと、硬い腿をつねってよこしたが擽ったいだけだ。

「……せめて、マシューさんのぬくもりを、くださいよぅ。抱きしめて、ほしいんです。……その、寂しくて……」

 もじもじと言ったロゼッタが、マシューにキスを仕掛けた。がちっと歯が当たったが、マシューの負けん気に火をつけた。

「わかったよ、ロゼッタ」

 バッとシャツを引っ張り、ボタンを引きちぎった。ひとつひとつボタンを外す時間が惜しい。素早くサスペンダーを取り、シャツを脱ぎ捨てて、ロゼッタの細く柔らかい身体を抱きしめる。

「ん……っ、は……ぁ、あ。きもち、い……」

 満足げなソプラノが耳をかすめる。熱く滾る腰をロゼッタの太腿に押しつけると、彼女は「えっ?」とマシューの顔を覗く。

「だめ、です。……まだ、明るくて……だから」

「だから、なんだ? リクエスト通り、恋人を抱きしめているだけだが?」

 すり、とどうしても擦りつけてしまうのは男のサガだ。勃っているのだから、なおのこと。それに、蕩けた赤い顔でだめだと言われると、強引に追いつめたくなる。

「いけませんよ、マシューさん」

 そう言われて、はいそうですかと引き下がれない。トラウザーズの前を寛がせ、下着越しに彼女の冷え切ってない秘所にぐりぐりと押しつけた。

「あ、あっ、固いの、がぁ……ああんっ」

「なにが、いけないんだ? 答えてみろ」

 マシューは上体を起こして、閉じようとした膝の裏をぐっと押し、彼女の秘された場所を昼の日差しの元に晒す。

「いやぁ……っ!」

 恥ずかしいと懸命に手を伸びして隠そうとする。マシューは蜜で濡れた下着をずらして、勢いよく飛び出した屹立を新しく蜜を滴らせる秘裂にぴったりとくっつける。
 その丸い切っ先に薬品荒れしたほっそりとした指先がかすめた。

「……あ、あつ……い、です……、なにを?」

「さあ、なんだろうな?」

 ロゼッタの手を取り、頭の上のシーツに縫いとめる。ぐっと腰をすすめると、蜜でぬるんと熱い秘裂を滑った。
 ロゼッタが「あぁっ!」と首をそらせて、乳房を揺らし、腰をくねらせて、生まれて初めての熱を悦んだ。
 いやらしい水音をわざと立てて何度も何度も擦りつけ、マシューは男を知らない濡れ襞を味わう。
 彼女の敏感になった女芯をぐりぐりと押し潰し、小さく硬い無垢な穴をぎゅうぅと押して、処女を奪いたい欲をとどめる。
 指で暴いたときよりも、ロゼッタの声に、表情に、体温に艶がある。

「明るいとよく見える、ロゼッタ。きれいだよ。もっと乱れるんだ」



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