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90 公爵令嬢は今年も秋祭りをする 1
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今年もやってきたフィアンマ男爵領秋祭り。
前回の反省を活かしながら、今回は各地区で企画ステージをする事で、混雑の分担をする事にした。
御神輿は年々大きく派手になっていってる。
担ぐ人も、ついて行く行列も、どんどん増えている。
屋台も色んな種類の食べ物が盛り沢山。
領外からの観光客も凄い人数だ。
去年大幅拡大した自衛団で足りるか怪しいくらいだ。
なので、今年もスカウトを計画している。
日本の消防団みたいに、今の仕事と兼業で地域自衛団を作ってもいいかもと思っている。
普段はメインの仕事をして、こういうイベント事の時に臨時自衛団として働いてもらうって感じ?
まぁ、実行できるのは来年以降からだけど。
今年も、昨年同様三日間開催。
ステージは三日間とも、初日と二日目の午前中に一般参加ステージをしてもらう。
因みに、去年ボディパーカッションで盛り上がった青年は、たまたまお祭りに来ていた貴族がタニマチになり、王都でプロのパフォーマーになって本格的な活動をしている。
人生何が起こるか分からないよね。
今年は、領民の婦人会による演劇や、合唱サークルなんかもある。
こういう素人の発表会みたいなのって中々機会が無いから、きっかけ作りになれたらなと思ってたんだよ。
娯楽の少ないこの世界じゃ、見る方もやる方も楽しいんだし、なんと言うかこの素人感が逆に安心するというか。
貴族が見る演劇やオペラじゃ、声を出して笑ったり、手拍子をしたりできないもんね。
あ!ないなら作ればいいのか!
お祭り終わったらちょっと考えとこ。
そして去年に続いて今年もいますよ、大道芸人。
クオリティもレベルも、うーんと上がってます。
何あの竹馬、三メートルぐらいありそう、え、あの人足の指と腕の力だけで体重支えてるの!?
ひえぇ、怖い怖い、すごい数のナイフでジャグリングしてる……
梯子を使ってバランス芸とか、日本の正月でなんだか見た事あるような……
午後からはお待ちかね、企画ステージ。
今回はパワー以外の企画を用意してるから、力に自信が無い人も安心オッケー!
初日はストラックアウト。
ボールを投げて的に正確に当てられるかを競い合う。
予選は、一つの的を二投で当てればオッケー。
当てられたら次の対戦へ。
あ、このボールは私が皮やら布やら丸めて縫って頑張って作りました。
三つしか作ってないんだから、無くさないでね!
ロナウド王子、セシル様、ポスカ君、ケンは予選通過。
今回はちゃんと参加するって言ってくれてたから、問題ない。
レベッカちゃんはコントロールが今ひとつだったね。
「ぐぬぬ、弓術なら当てられるんだけど。」
リリーちゃんは、的に届かなかったね。
「くっ、明日から猛特訓が必要です。」
いやぁ、豪速球投げるリリーちゃんとか見たくないよぉ……
第二戦は、的三つで五投まで。
しかも的は小さくなりました。
ポスカ君、ここで敗退。
「むーん、パワー系じゃないからいけると思ったのに、悔しい!」
ポスカ君以外にも、結構ここで脱落者が出た。
第三戦は、的五つで八投まで、的も更に小型化。
ここでトラブル発生。
ケンが的を壊した。
パワー込めて投げすぎでしょ。
ここでセシル様敗退。
「風魔法を使えば的に当てるのなんて簡単なんですけどね……」
ズルしちゃダメですよ、セシル様。
ここまでで残ってるのが、ロナウド王子、ケン、お兄様、騎士団長様、国王陛下、その他九人(内女性一人)。
また身内ばっかり。
ていうか、お兄様と騎士団長様はいい成績出しても表彰しませんからね!?
「「初日くらいメダルちょうだいよ!!」」
なぜ貰える気でいるの?
国王陛下も、ちゃっかり参加しちゃうんですね。
「明後日来れないから、メダルが二枚しか貰えないじゃん。」
……明日の企画ステージも参加するんですね?
最終戦は、的が九つに対して十二投。
そして的が揺れます。
ここからは何枚当てれるかスコアで順位を決める。
さっきの時点でかなりコントロール力あると思うんだけど、ここで全員がパーフェクトを取ろうものならプロ野球選手もビックリだわ。
まぁ、そんな事はちゃんとなく、パーフェクトなんてそう簡単に取れないようで、ロナウド王子、お兄様、騎士団長様、その他八人(内女性一人)は数枚を残してしまった。
残るはケン、国王陛下、その他一人。
今のところトップは、八つの的に当てた騎士団長様。
因みに、ロナウド王子王子は六つ、お兄様は五つだった。
まずはその他一人。
残念、五つだった。
次はケン。
なんと、パーフェクト!
しかもまた的を壊す。
勘弁してくれ!
しかし、ケンの意外な才能を見つけてしまったようだ。
的を直して、トリを飾るのは国王陛下。
実は今まで一度も的を外していない。
さて今回は……もちろん、パーフェクト!
全ての的を一度も外さずに当ててしまった!
手加減しろ国王陛下!
上位三人が見事に身内になってしまった。
あ、騎士団長様は表彰台に乗せなくていっか。
「お願いだからメダルちょうだい!!」
泣きつかれたって、ダメだってば!
「わっはっはっは、金メダルだー!!」
陛下も、ちょっとは空気読んでー!!
前回の反省を活かしながら、今回は各地区で企画ステージをする事で、混雑の分担をする事にした。
御神輿は年々大きく派手になっていってる。
担ぐ人も、ついて行く行列も、どんどん増えている。
屋台も色んな種類の食べ物が盛り沢山。
領外からの観光客も凄い人数だ。
去年大幅拡大した自衛団で足りるか怪しいくらいだ。
なので、今年もスカウトを計画している。
日本の消防団みたいに、今の仕事と兼業で地域自衛団を作ってもいいかもと思っている。
普段はメインの仕事をして、こういうイベント事の時に臨時自衛団として働いてもらうって感じ?
まぁ、実行できるのは来年以降からだけど。
今年も、昨年同様三日間開催。
ステージは三日間とも、初日と二日目の午前中に一般参加ステージをしてもらう。
因みに、去年ボディパーカッションで盛り上がった青年は、たまたまお祭りに来ていた貴族がタニマチになり、王都でプロのパフォーマーになって本格的な活動をしている。
人生何が起こるか分からないよね。
今年は、領民の婦人会による演劇や、合唱サークルなんかもある。
こういう素人の発表会みたいなのって中々機会が無いから、きっかけ作りになれたらなと思ってたんだよ。
娯楽の少ないこの世界じゃ、見る方もやる方も楽しいんだし、なんと言うかこの素人感が逆に安心するというか。
貴族が見る演劇やオペラじゃ、声を出して笑ったり、手拍子をしたりできないもんね。
あ!ないなら作ればいいのか!
お祭り終わったらちょっと考えとこ。
そして去年に続いて今年もいますよ、大道芸人。
クオリティもレベルも、うーんと上がってます。
何あの竹馬、三メートルぐらいありそう、え、あの人足の指と腕の力だけで体重支えてるの!?
ひえぇ、怖い怖い、すごい数のナイフでジャグリングしてる……
梯子を使ってバランス芸とか、日本の正月でなんだか見た事あるような……
午後からはお待ちかね、企画ステージ。
今回はパワー以外の企画を用意してるから、力に自信が無い人も安心オッケー!
初日はストラックアウト。
ボールを投げて的に正確に当てられるかを競い合う。
予選は、一つの的を二投で当てればオッケー。
当てられたら次の対戦へ。
あ、このボールは私が皮やら布やら丸めて縫って頑張って作りました。
三つしか作ってないんだから、無くさないでね!
ロナウド王子、セシル様、ポスカ君、ケンは予選通過。
今回はちゃんと参加するって言ってくれてたから、問題ない。
レベッカちゃんはコントロールが今ひとつだったね。
「ぐぬぬ、弓術なら当てられるんだけど。」
リリーちゃんは、的に届かなかったね。
「くっ、明日から猛特訓が必要です。」
いやぁ、豪速球投げるリリーちゃんとか見たくないよぉ……
第二戦は、的三つで五投まで。
しかも的は小さくなりました。
ポスカ君、ここで敗退。
「むーん、パワー系じゃないからいけると思ったのに、悔しい!」
ポスカ君以外にも、結構ここで脱落者が出た。
第三戦は、的五つで八投まで、的も更に小型化。
ここでトラブル発生。
ケンが的を壊した。
パワー込めて投げすぎでしょ。
ここでセシル様敗退。
「風魔法を使えば的に当てるのなんて簡単なんですけどね……」
ズルしちゃダメですよ、セシル様。
ここまでで残ってるのが、ロナウド王子、ケン、お兄様、騎士団長様、国王陛下、その他九人(内女性一人)。
また身内ばっかり。
ていうか、お兄様と騎士団長様はいい成績出しても表彰しませんからね!?
「「初日くらいメダルちょうだいよ!!」」
なぜ貰える気でいるの?
国王陛下も、ちゃっかり参加しちゃうんですね。
「明後日来れないから、メダルが二枚しか貰えないじゃん。」
……明日の企画ステージも参加するんですね?
最終戦は、的が九つに対して十二投。
そして的が揺れます。
ここからは何枚当てれるかスコアで順位を決める。
さっきの時点でかなりコントロール力あると思うんだけど、ここで全員がパーフェクトを取ろうものならプロ野球選手もビックリだわ。
まぁ、そんな事はちゃんとなく、パーフェクトなんてそう簡単に取れないようで、ロナウド王子、お兄様、騎士団長様、その他八人(内女性一人)は数枚を残してしまった。
残るはケン、国王陛下、その他一人。
今のところトップは、八つの的に当てた騎士団長様。
因みに、ロナウド王子王子は六つ、お兄様は五つだった。
まずはその他一人。
残念、五つだった。
次はケン。
なんと、パーフェクト!
しかもまた的を壊す。
勘弁してくれ!
しかし、ケンの意外な才能を見つけてしまったようだ。
的を直して、トリを飾るのは国王陛下。
実は今まで一度も的を外していない。
さて今回は……もちろん、パーフェクト!
全ての的を一度も外さずに当ててしまった!
手加減しろ国王陛下!
上位三人が見事に身内になってしまった。
あ、騎士団長様は表彰台に乗せなくていっか。
「お願いだからメダルちょうだい!!」
泣きつかれたって、ダメだってば!
「わっはっはっは、金メダルだー!!」
陛下も、ちょっとは空気読んでー!!
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