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347食欲
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商人達の差し入れで少し遅い朝食を取った拓は、溝などの細かい作業を行い、最後に隣の休憩地との間の壁に3か所穴を空けて通行できるようにして改造を終えた。
間に大きな堀が有るので橋を渡る形になるが、問題ないだろう。
拓が下を見ると堀の深さは2mはある・・・少し橋を広めにしてサイドを付けておいた方が良さそうだ。
拓としては昼食を食べてから出発と思っていたが、クリームのメンバーに急かされる様に馬車に乗って開拓地へ出発。
「拓、今日の昼は何だ?」
商人達に見送られ休憩所を離れると、ジークがクリーム代表と言う感じで聞いて来た。
「・・・ヘビモスの肉を使った丼を用意して有るよ。適当な場所で食べようか。」
「「「やった~」」」
これが目当てで来ているので仕方が無いが、本当に食欲に素直なメンバーだった。
馬車を止めて、昼食にすると
「どうしたの拓ちゃん。もしかしてヘビモスの肉が足りなかった?」
トムが拓がロコモコ丼を食べているのに気付いて聞いてきた。
「いえ、ヘビモスの肉ばかりだと飽きるので、普通のハンバーグにしただけです。
あっ、皆さんも飽きたら別のを出すので言ってください。」
「僕らは拓ちゃんと一緒でないと食べれないからね。食べない訳無いじゃないか。」
トムの力説にクリームのメンバーが頷いている。
毎日食べれることが幸せとは限らない・・・と拓は心の中で思ってしまう。
街道は安全で、馬車で移動しながらも歩いている冒険者をよく見かけた。
中には仕留めた魔獣を運んでいるパーティも居る。
王都の周辺とは思えない光景だった。
少しすると目的地にある15mの塔が見えてくる。
開拓地は未だ作っている建物などが有るが、もう人々が普通に生活をしている
夕暮れに差し掛かっているのに、子供達が外で遊びまわる笑い声が聞こえてくる。
拓は覗いてみたいが、馬車を止めるのは隣の商人、冒険者エリアだ。
冒険者エリアの方はスラム街の人達が行っている解体所の横に2階建ての冒険者ギルドの出張所が出来ていた。
賑やかな雰囲気で、今日の戦果を自慢し合う冒険者達がそこかしこに居た。
エチゴは馬車を外れの空いたスペースに止めると
「拓さん、預けておいた食事を出してもらえますか。これから冒険者に販売を始めます。」
屋台の準備を始めた。
周囲でも良い匂いがし始め、冒険者達が料理を求めて並び始めたのだが・・・エチゴの屋台は場所が悪いためか冒険者が来ない。
「ここは、私達に任せて。」
ジェニファーさんとロビンさんが冒険者達に声を掛けると、あっという間に行列ができた。
料理も美味しいので食べた冒険者の口伝で人気が出たのも有るが、美人の力を思い知らされた。
用意した今日の分の料理が全て売り切れた所で、拓はスラム街出身の人達が行っている解体所に顔を出す。
「拓さん、こちらに来られていたんですね。」
「今日の夕方に来て、エチゴさんの屋台の手伝いをしていた所です。こちらの調子はどうですか?」
「毎日、何十体もの魔獣を解体していますよ。」
「ご苦労様です。これ、差し入れですので休憩の時にでも食べてください。」
解体所は冒険者が魔獣退治から戻って来る夕方からが忙しくなり、朝までに解体を終わらせて商人に渡す。
拓はサンドイッチと唐揚げをテーブルに置くと、冒険者達のテントエリアを覗いてみる事に。
軽く飲んでいる冒険者達もチラホラと居るが、殆どの冒険者が明日の予定について話しをしていた。
そして、そのまま奥にある水浴び場へ行ってみると、素っ裸の冒険者達が水で濡らしたタオルで身体を拭いていた。
寒いからか水浴びをしている冒険者は居ない。
拓は看板を取り出し、身体を洗う冒険者達に見える様に明りを当てた。
「湯浴み
体を湯で包んで、汗を流しませんか?
1回5分。汚れた湯は取り替えます。料金***」
間に大きな堀が有るので橋を渡る形になるが、問題ないだろう。
拓が下を見ると堀の深さは2mはある・・・少し橋を広めにしてサイドを付けておいた方が良さそうだ。
拓としては昼食を食べてから出発と思っていたが、クリームのメンバーに急かされる様に馬車に乗って開拓地へ出発。
「拓、今日の昼は何だ?」
商人達に見送られ休憩所を離れると、ジークがクリーム代表と言う感じで聞いて来た。
「・・・ヘビモスの肉を使った丼を用意して有るよ。適当な場所で食べようか。」
「「「やった~」」」
これが目当てで来ているので仕方が無いが、本当に食欲に素直なメンバーだった。
馬車を止めて、昼食にすると
「どうしたの拓ちゃん。もしかしてヘビモスの肉が足りなかった?」
トムが拓がロコモコ丼を食べているのに気付いて聞いてきた。
「いえ、ヘビモスの肉ばかりだと飽きるので、普通のハンバーグにしただけです。
あっ、皆さんも飽きたら別のを出すので言ってください。」
「僕らは拓ちゃんと一緒でないと食べれないからね。食べない訳無いじゃないか。」
トムの力説にクリームのメンバーが頷いている。
毎日食べれることが幸せとは限らない・・・と拓は心の中で思ってしまう。
街道は安全で、馬車で移動しながらも歩いている冒険者をよく見かけた。
中には仕留めた魔獣を運んでいるパーティも居る。
王都の周辺とは思えない光景だった。
少しすると目的地にある15mの塔が見えてくる。
開拓地は未だ作っている建物などが有るが、もう人々が普通に生活をしている
夕暮れに差し掛かっているのに、子供達が外で遊びまわる笑い声が聞こえてくる。
拓は覗いてみたいが、馬車を止めるのは隣の商人、冒険者エリアだ。
冒険者エリアの方はスラム街の人達が行っている解体所の横に2階建ての冒険者ギルドの出張所が出来ていた。
賑やかな雰囲気で、今日の戦果を自慢し合う冒険者達がそこかしこに居た。
エチゴは馬車を外れの空いたスペースに止めると
「拓さん、預けておいた食事を出してもらえますか。これから冒険者に販売を始めます。」
屋台の準備を始めた。
周囲でも良い匂いがし始め、冒険者達が料理を求めて並び始めたのだが・・・エチゴの屋台は場所が悪いためか冒険者が来ない。
「ここは、私達に任せて。」
ジェニファーさんとロビンさんが冒険者達に声を掛けると、あっという間に行列ができた。
料理も美味しいので食べた冒険者の口伝で人気が出たのも有るが、美人の力を思い知らされた。
用意した今日の分の料理が全て売り切れた所で、拓はスラム街出身の人達が行っている解体所に顔を出す。
「拓さん、こちらに来られていたんですね。」
「今日の夕方に来て、エチゴさんの屋台の手伝いをしていた所です。こちらの調子はどうですか?」
「毎日、何十体もの魔獣を解体していますよ。」
「ご苦労様です。これ、差し入れですので休憩の時にでも食べてください。」
解体所は冒険者が魔獣退治から戻って来る夕方からが忙しくなり、朝までに解体を終わらせて商人に渡す。
拓はサンドイッチと唐揚げをテーブルに置くと、冒険者達のテントエリアを覗いてみる事に。
軽く飲んでいる冒険者達もチラホラと居るが、殆どの冒険者が明日の予定について話しをしていた。
そして、そのまま奥にある水浴び場へ行ってみると、素っ裸の冒険者達が水で濡らしたタオルで身体を拭いていた。
寒いからか水浴びをしている冒険者は居ない。
拓は看板を取り出し、身体を洗う冒険者達に見える様に明りを当てた。
「湯浴み
体を湯で包んで、汗を流しませんか?
1回5分。汚れた湯は取り替えます。料金***」
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