私を信じてはくれなかった婚約者の事なんて忘れたい。

瑠渡

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アベンさんは元々教師と言うこともあり、とても優秀な方のようだ。


私が悩んでいることを、あっさりと解決してしまう

そして見目も良いことから、生徒の中でも騒がれている。

「アベン先生」という声がよく聞かれる

私もまだ若いからか「セシリア先生」とよく生徒からも声掛けされ、お姉さんのように思ってくれる子もいるようだ。

順調に仕事をしているなか、長年の夢、
お父様とお母様が住まいをここ、ハーサン国に移し、手頃な邸も見つかり一緒に住めるようなった。

「「セシリア!!」」

2人にギューっと抱きしめられ、久しぶりに会えて3人で涙してしまった。

「それにしてもセシリアは綺麗になったね」
「好きな人でもいるのかい?」

「まさか!勉強、勉強だったわよ。
お父様、一緒に住めるようにしてくださり、嬉しいです。ありがとうございます。」

「なかなか売り込むことに時間がかかってな。爵位も子爵になってしまい、すまないね。」

「私は全然気にしませんわ。私をこのままそっくり受け止めてくださる方に婿に入って頂きたいわ」

「「セシリア……」」

「いつまでも一緒にいたいです」

「気になる人が出来たのかい?」

「私は勉強ばかりです。それに担任なって、一生懸命なの。今度、隣国の王子様が私のクラスに入ってくることになって……まだ詳しく聞いてないのだけどね」

「セシリア。貴女ならうまくやれるわよ」

「お母様ったら………皆の期待にこたえなきゃね。」







「セシリア先生、今日帰りお茶していかないか?」

「アベン先生、少しなら……」


「じゃあ、早め学校を出よう」








「御両親が来たんだって?」

「えぇ、そうなんです。
また一緒に暮らせますわ」


「良かったね。今度会わせてもらえるだろうか?」


「えっ?」


「僕の気持ち、知ってるでしょ?」

ポッ

「えっ、でも………」

「僕と交際してもらえないだろうか?」


「私なんか「アベン!!」えっ?」


「アベン、どうしたの?もう仕事終わったの?じゃあ、ご飯食べに行こうよ!」


「マリエッタ……何故ここに?」


(確か、試験の時にアベンさんの隣にいた人だわ)


「ふふっ、近くに家庭教師の家があるの。………その方はどなた?」


「…………」

私は頭を下げた


「僕の大事な人だよ」


「えっ?なに言ってるの?」


「マリエッタには関係ないけれど、彼女に求婚しているところ」

「アベン!!なんで?私がいるのに」


「僕、断ったよね?君とは合わないからいくら釣書を送ってきても無理だと。」


「いやよ。いや!貴方じゃなきゃ私。」

「ごめん」

「あの……アベン先生」

「なによ?あんたなんて!!」


「やめろ、彼女は関係ないだろ!」


「私、絶対諦めないなら!!」

ダッ、パタパタ

「セシリア先生、ごめんね。空気悪くしちゃって。彼女とは大学が一緒で元同僚でもあったんだ。つきあって欲しいと言われて少しつきあったんだけど、お嬢様の彼女とは価値観が違いすぎて合わなかったから直ぐに別れたんだけど。彼女、なかなか諦めてくれなくて。今回の教師の試験も他の友人から聞きつけて、また教師になれば一緒にいられると思ったみたいだ。試験会場へ行ったら彼女がいるから驚いた。彼女は受からなかったから家庭教師の仕事をしているらしい。
……僕は、君とつき合いたい!そして、いつか一緒になりたいんだ」


「今は私は、全然結婚とか考えていなくて……それに、私は両親とずっと一緒にいたいのです。だから…………」

「そうか………僕は家を継がなくてはいけなくて……それは考えるよ。だけど今は、友人としてはつきあってくれるよね?」

「ええ。アベン先生は私にとって大事な友人です」

「ありがとう。僕は君のこと諦めたくない」



軽いお茶だったはずが、私たちにとって考えさせられる日だった。






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