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あの日から、私の中で何かが変わろうとしているようだった
アベンさんと一緒に頑張った研修
アベンさんと夜遅くまでかかったテスト案
アベンさんに助けられたクラス会計
アベンさんに教えてもらった研究授業案
アベンさんと一緒に行ったカフェ
アベンさんと一緒に行った観劇
アベンさんと一緒に行った王立植物園
アベンさんと行った……図書館
アベンさんと行った………
アベンさんと………
何もかも、この数ヵ月で変わってしまったようだった
部屋で声を殺して泣いた
気がつくと涙がでる
その後も、アベンさんとマリエッタ様の2人を何回も見た
マリエッタ様が私に気がつき、不適な笑みをされたこともある
アベンさんが、私に気がついて顔をそむけたのも見た
「はぁ、私が何をしたと言うのだろうか」
「縁がなかった………のかな」
私は、心から笑える日が無くなった。
後1ヶ月で殿下達は帰国する
ロイスは何かわかっているような、心配しているような顔をしている
私は目でそれを制する
何も言わないで!と。
ロイスが帰国する日が近づいた
今日は我が邸に朝から来ている
また暫く合えないねと、手紙を書くし必要なら直ぐに飛んでくるよ。と、私を心配してくれている。
「ねぇロイス、私ねアベン先生と交際をしていたのよ」
「でも……ふられたのかも」
「知ってたよ。セシィの言っていた人がアベン先生だって。セシィが、目で追ってたもの。
何か彼は誤解したような気がする。
彼は苦しまない方へ逃げているのかもしれないね。でも、そんなヘッポコ教師にセシィは譲れないよ」
「ヘッポコ…………ヘッポコね」ふふっ
「セシィ、また君の、心からの笑顔が見たいよ」
「ロイス、心配してくれてありがとう。もう少ししたら、きっと立ち直れると思うわ」
「そうだね、もし心から忘れられたら、ミュウル国へ、僕に会いに来て」
「ありがとう。10年後でもいいかしら?」
「10年とは!それはまた酷い」
私達は笑い合う
「そう、その、調子だよセシィ」
「そうね、何も聞かず私から逃げるような、他の女にいくような!あんなヘッポコ。悔しいから私から……」
「セシィ、今は無理するな」
「ごめんなさい。ロイス、ありがとう。」
涙が勝手に出てきてしまう
両親と、無事に仕事を終え帰国するロイスへ
ご苦労様会を開き、食事を終えたロイスは帰って行った。
「セシィ、また会える日を望む。僕のお嫁さんはセシィだけなんだ 」と、私に伝えて。
そしてまた、普段の静粛な日々が来た
クラスの皆も学校の中も、すっぽりと何かを無くなしたような日々が来た。
「ラウル殿下~会いたい」と、どこからか声がする
そうね。と、私も心で答える
学園長が呼んでると言うので、執務室へいく。
「フライヤ先生、殿下が留学中、何も問題が起きず、留学を終えることができたこと、感謝するよ」
「いえ、クラスの子供達が立派でしたわ」
私は問題ありだったけどね。と、心で呟く
「それで今日来てもらったのは、今度の合同研修に君を推薦したいのだが、どうだね?」
「えっ?」
「任期は2年になる。その間、他国にも行く事になるが、君にとって勉強になると思うぞ」
「はい!是非行かせてください」
「そうか、それでだな開催する研修場所が今回は国境近くの辺境になる。ここから遠いので卒業式に出てしまうと最初の集まりに遅れることになってしまう。卒業式の前の日、終業式を終えたら直ぐに向かえるか?」
「えっ?はい。わかりました。家に帰り早速準備をして直ぐに向かえるように致します」
「フライヤ先生の両親には私から詫びを言っておくよ。折角一緒に住めるように国に来たばかりなのに」
「両親は少し寂しくなると思いますが、きっとわかってくれるます。」
「そうだな。主任を目指して頑張ってくれたまえ」
「はい、失礼します」
両親に話したら、とても喜んでくれた。
2年なんてあっという間だから、心配するな。その分勉強しろと言われた
そして、辛いことがあっようだが、吹っ切れたか?と聞かれ、知られていたのかと、隠せ切れない私に笑えてしまった。
「今は前を見て、誉められる教師になりたいです」
うん、うん、と、両親は笑顔だ
そして、終業式を向かえた
「皆さん、この1年は私にとって、とても貴重な1年でした。皆さんにとってもそうじゃないでしょうか?
他国の王族と同じ教室で仲良く過ごせましたね。もしかしたら、この中で文通してる人もいるのではないでしょうか?」
「「「え~っ!誰?誰?」」」
「ふふっ、おかしな事ではないですよ。だってラウル殿下はとても寂しそうに帰国されたのですから。では、ここで殿下の手紙を読みますね」
「「「「えっ?!!!!」」」」
「B組の皆へ
1年と短い間でしたが、僕にとってとても有意義な充実した留学生活でした。帰るのが嫌になったくらいだ。だが、僕はこの3年の間に色々な国へ留学という研鑽を積まねばならない。それがこれからミュウル国の王弟として生きていく上で必要だからだ。
僕にとって1番最初の留学がハーサン国で、ミュウル国出身の担任で、心穏やかに過ごさせてくれたクラスの皆で、本当に良かったと思っている。ありがとう。
ちょっと、女の子達に追いかけられたのには焦ってしまったがね。もし僕を思い出したのなら、手紙を書いてもいいぞ。僕からも書くとしよう。あっ、返事は僕が国にいる時だけな。クラスの皆、いつかまた会える事を願っている。元気で」
ミュウル国 ラウル
「「「「「うわぁー、僕書くよ!私も!」」」」」
ふふっ。「先生も書くわよ!」
「それと、別の話なんだけれどね。
実は先生、2年間勉強に行く事になりました。2年ということは皆さんとは会えるのも最後かもしれません。間に合ったら貴方達の卒業式に顔を出すわね。
どうか皆さんが、自分の矜持をもって学園を卒業できるように過ごして欲しい。私も矜持をもって過ごすからね」
「「「「先生」」」」
うっ、やだよー!先生!!!!
終業式がうるさい事になってしまったが、皆で泣き笑いお別れすることができた。
「ありがとう、みんな」
教室を出たところで、隣のクラスがA組だからか、アベン先生が訝しげにこちらを見ていた。
「セシリア先生、何かありましたか?」
いつぶり?声をかけられた。
「いえ、なんでもありません。少し騒がしかったですね、申し訳ありません」
「いや、そんなことは………あの、俺さ」
「アベン先生、すみません、この後直ぐに学園長に呼ばれているので失礼致します」
「そうか………」
(アベンさん、さようなら)
学園長に挨拶をすませ、邸へ帰り予め用意してあったら荷物を馬車に積み、両親に見送られ、辺境の地へ向かった。
アベンさんと一緒に頑張った研修
アベンさんと夜遅くまでかかったテスト案
アベンさんに助けられたクラス会計
アベンさんに教えてもらった研究授業案
アベンさんと一緒に行ったカフェ
アベンさんと一緒に行った観劇
アベンさんと一緒に行った王立植物園
アベンさんと行った……図書館
アベンさんと行った………
アベンさんと………
何もかも、この数ヵ月で変わってしまったようだった
部屋で声を殺して泣いた
気がつくと涙がでる
その後も、アベンさんとマリエッタ様の2人を何回も見た
マリエッタ様が私に気がつき、不適な笑みをされたこともある
アベンさんが、私に気がついて顔をそむけたのも見た
「はぁ、私が何をしたと言うのだろうか」
「縁がなかった………のかな」
私は、心から笑える日が無くなった。
後1ヶ月で殿下達は帰国する
ロイスは何かわかっているような、心配しているような顔をしている
私は目でそれを制する
何も言わないで!と。
ロイスが帰国する日が近づいた
今日は我が邸に朝から来ている
また暫く合えないねと、手紙を書くし必要なら直ぐに飛んでくるよ。と、私を心配してくれている。
「ねぇロイス、私ねアベン先生と交際をしていたのよ」
「でも……ふられたのかも」
「知ってたよ。セシィの言っていた人がアベン先生だって。セシィが、目で追ってたもの。
何か彼は誤解したような気がする。
彼は苦しまない方へ逃げているのかもしれないね。でも、そんなヘッポコ教師にセシィは譲れないよ」
「ヘッポコ…………ヘッポコね」ふふっ
「セシィ、また君の、心からの笑顔が見たいよ」
「ロイス、心配してくれてありがとう。もう少ししたら、きっと立ち直れると思うわ」
「そうだね、もし心から忘れられたら、ミュウル国へ、僕に会いに来て」
「ありがとう。10年後でもいいかしら?」
「10年とは!それはまた酷い」
私達は笑い合う
「そう、その、調子だよセシィ」
「そうね、何も聞かず私から逃げるような、他の女にいくような!あんなヘッポコ。悔しいから私から……」
「セシィ、今は無理するな」
「ごめんなさい。ロイス、ありがとう。」
涙が勝手に出てきてしまう
両親と、無事に仕事を終え帰国するロイスへ
ご苦労様会を開き、食事を終えたロイスは帰って行った。
「セシィ、また会える日を望む。僕のお嫁さんはセシィだけなんだ 」と、私に伝えて。
そしてまた、普段の静粛な日々が来た
クラスの皆も学校の中も、すっぽりと何かを無くなしたような日々が来た。
「ラウル殿下~会いたい」と、どこからか声がする
そうね。と、私も心で答える
学園長が呼んでると言うので、執務室へいく。
「フライヤ先生、殿下が留学中、何も問題が起きず、留学を終えることができたこと、感謝するよ」
「いえ、クラスの子供達が立派でしたわ」
私は問題ありだったけどね。と、心で呟く
「それで今日来てもらったのは、今度の合同研修に君を推薦したいのだが、どうだね?」
「えっ?」
「任期は2年になる。その間、他国にも行く事になるが、君にとって勉強になると思うぞ」
「はい!是非行かせてください」
「そうか、それでだな開催する研修場所が今回は国境近くの辺境になる。ここから遠いので卒業式に出てしまうと最初の集まりに遅れることになってしまう。卒業式の前の日、終業式を終えたら直ぐに向かえるか?」
「えっ?はい。わかりました。家に帰り早速準備をして直ぐに向かえるように致します」
「フライヤ先生の両親には私から詫びを言っておくよ。折角一緒に住めるように国に来たばかりなのに」
「両親は少し寂しくなると思いますが、きっとわかってくれるます。」
「そうだな。主任を目指して頑張ってくれたまえ」
「はい、失礼します」
両親に話したら、とても喜んでくれた。
2年なんてあっという間だから、心配するな。その分勉強しろと言われた
そして、辛いことがあっようだが、吹っ切れたか?と聞かれ、知られていたのかと、隠せ切れない私に笑えてしまった。
「今は前を見て、誉められる教師になりたいです」
うん、うん、と、両親は笑顔だ
そして、終業式を向かえた
「皆さん、この1年は私にとって、とても貴重な1年でした。皆さんにとってもそうじゃないでしょうか?
他国の王族と同じ教室で仲良く過ごせましたね。もしかしたら、この中で文通してる人もいるのではないでしょうか?」
「「「え~っ!誰?誰?」」」
「ふふっ、おかしな事ではないですよ。だってラウル殿下はとても寂しそうに帰国されたのですから。では、ここで殿下の手紙を読みますね」
「「「「えっ?!!!!」」」」
「B組の皆へ
1年と短い間でしたが、僕にとってとても有意義な充実した留学生活でした。帰るのが嫌になったくらいだ。だが、僕はこの3年の間に色々な国へ留学という研鑽を積まねばならない。それがこれからミュウル国の王弟として生きていく上で必要だからだ。
僕にとって1番最初の留学がハーサン国で、ミュウル国出身の担任で、心穏やかに過ごさせてくれたクラスの皆で、本当に良かったと思っている。ありがとう。
ちょっと、女の子達に追いかけられたのには焦ってしまったがね。もし僕を思い出したのなら、手紙を書いてもいいぞ。僕からも書くとしよう。あっ、返事は僕が国にいる時だけな。クラスの皆、いつかまた会える事を願っている。元気で」
ミュウル国 ラウル
「「「「「うわぁー、僕書くよ!私も!」」」」」
ふふっ。「先生も書くわよ!」
「それと、別の話なんだけれどね。
実は先生、2年間勉強に行く事になりました。2年ということは皆さんとは会えるのも最後かもしれません。間に合ったら貴方達の卒業式に顔を出すわね。
どうか皆さんが、自分の矜持をもって学園を卒業できるように過ごして欲しい。私も矜持をもって過ごすからね」
「「「「先生」」」」
うっ、やだよー!先生!!!!
終業式がうるさい事になってしまったが、皆で泣き笑いお別れすることができた。
「ありがとう、みんな」
教室を出たところで、隣のクラスがA組だからか、アベン先生が訝しげにこちらを見ていた。
「セシリア先生、何かありましたか?」
いつぶり?声をかけられた。
「いえ、なんでもありません。少し騒がしかったですね、申し訳ありません」
「いや、そんなことは………あの、俺さ」
「アベン先生、すみません、この後直ぐに学園長に呼ばれているので失礼致します」
「そうか………」
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