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手紙
しおりを挟む(日記に挟んである手紙?これ?
握りしめたように、しわくちゃだ
表書きを見ると、母宛て。
裏には……んっ?これは父の家からの手紙なの?
私は手紙を読むことにした
読んで母の辛い気持ちが、その気持ちを思うと涙が止まらなかった)
…………………………
はじめまして
私はリュドの父親です
あなた様から送られてくる手紙で、あの時リュドが心に誓った人がいることを知りました。
何故貴女からの手紙を勝手に読んだか?
それはリュドが今、記憶喪失になっているからなんです。
そちらの国へ視察に行き、帰りの馬車が道を誤り道下の川へ落ちてしまいました。
咄嗟に養子の子供を助け、リュドは酷い怪我をおいました。
そのせいでレントラン国へ留学していたことも、その後あなた様と恋仲になったことも覚えておりません。事故から半年経ちますが、いまだ記憶は戻っておりませんし、一生このままではないかと言われています。
なので、今回あなた様からの手紙を開けさせてもらい読みました。
貴女には酷な話なのですが、その事故の時に一緒に行動をしていた国のアリサ王女がおります。
王女がずっとリュドの側から離れず献身的に看病をしてくれております。
私どもは断ったのですが、リュドとは仲良く過ごしていたと言われ……信じてしまい邸に泊まり込みで看病をしている状況なんです。
そして、どうも2人は今想いあっていそうなんです。
私は手紙を見せ、王女に問いただしました。
王女は泣きながら本当の事を話してくれました。
自分がずっと恋していたリュドの側にいたかったと。
そして視察に行った時に、なんとなく貴女とリュドが恋仲であるというのともわかったと。
私はリュドを貶めたのか?と、非難しました。
王女が泣きながら私に謝っていたのですが、後から入室してきたリュドが、私を睨み「父上は何故アリサを泣かしているのですか?彼女は私の大切な人です」と、そう言ったのです。
私は伝えようとしましたが、記憶を無くしてしまったリュドにとって、彼女は、なくてはならない人になっていました。
貴女の気持ちを思うととても辛く、そしてリュドにとっても本意ではない事もわかっています。
記憶が戻って欲しいと思うのですが、今この時を幸せそうな2人を見ていると、このままでもと思ってしまうのです。
王女のしたことは、決して許されることではないのですが、ただリュドを想い看病をしてくれていただけ。
そしてそれに惚れたのはリュドです。
きっとこれからも記憶は戻らないでしょう。
会いにいらっしゃっても、傷つくのは貴女の方だと思います。
まだリュドと貴女は婚約したわけでもないです。
傷が浅いうちに、リュドの事を忘れてください。
お願いします。
貴女には謝っても謝っても納得してもらえないかもしれません。
酷いことを言っている、年老いた親に免じて、リュドを許してやって欲しい。
リュドを見ていると、本当に愛していた貴女と添い遂げられないのが、悔やまれます。
これは私の本心ですが、心の中に閉じ込め見守ることにしました。
リュドは他にも事故の後遺症があり、もう子供を持つことはできません。
これは王女が知らぬこと。
貴女とリュドを、思惑をもって離した王女への咎めです。
これは、私達夫婦で決めたことです。
これからも同じ邸で暮らす私達夫婦は、人を騙すようなアリサ王女を好きになることは出来ないでしょう。
これも、私達からのアリサ王女への咎めにしようと思います。
ただ、一緒に同じ邸にいるだけ……
どうか、あなた様のこれからが、辛いことばかりではないことを祈ります。
公爵閣下 ダミアン
………………………………
そう言うことか……
母は、身重だと言うことを言わず、
諦めたんだ
お父様が他の人を好きになったからだろう。
お母様……
お母様、私を産んでくれてありがとうございます。
私も父のことは諦めます
ハリオットラ国へ行けば父親に会えるかもしれませんが、会いに行くことはないです。
私を大事に育ててくれたお母様。
たった4年でしたが、薄ら記憶の中のお母様はとても綺麗で優しい笑みを私に向けてくださっていた。
きっと、お母様なりに幸せだったと思う。
私は辛い気持ちのまま、手紙を閉じた
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