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メアリの恋2
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私達4人は今、ハリオットラ国へ向かう馬車の中だ
留学が発表される前日のうちに、私とノマイロン様は馬車で邸から出発し、夜は近くの宿で泊まり、朝方に迎えに来た殿下達と合流した。
…………………………
回想
遡ること、王宮に向かった先で
…………………………………
今日は、ドロシーの真の姿を見せることと、貴女に提案があるのだけど。
そう言われ、私は王女殿下の馬車へ乗せられた。
王女殿下と同じ馬車に乗るのは許されることではないのだが、王宮へ着くまでも話がしたいと言われ、特別に配慮された。
そして今私は、王宮の王太子の執務室に通され、私の前にはカルロ殿下、アイリス王女殿下、そしてノマイロン様がいる
「やぁメアリ嬢、こんな遠いところまで来てもらって悪かったね
内密の話なので、聞かれたら危ないからね。
それにしても、学園でも見ていたが、目の前でこんなに近くで美しいメアリ嬢を見れる日が来るなんて、ノマイロンに感謝だな!」
「「「……………」」」
「あ~、いや、アイリス睨むな!
わかった。怒るなよ」
「お兄様、話を始めてください」
「わかった。今日君に来てもらったのは私達の提案を引き受けてもらいたいからだ。
アイリスから聞いただろうが、ドロシー嬢からノマイロンと君を離したいと思っているんだ。
特にノマイロンはもう限界にきててね。
これ以上は耐えられそうもないと、私もノマイロンの両親も見ている。わかるかい?嫌いな令嬢から身体を擦りつけられるのは!
この頃は邸へ呼んでは自室へ引き入れようとされるそうで、身の危険があるそうだ。」
「えっ?まさか?だって、いくらドロシーでも、そんなことは……」
そう答えた私にノマイロン様が話しだした。
「いや、本当のことなんだ。
君はこの国の薬草の中に身体を高揚させる成分になるヒマライ草が生育しているのは知ってるかい?」
「ええ。知っています」
「それをどうもお茶に入れて僕に飲ませられたらしく、少し経ったら思考がおかしくなって身体が高揚してきて、僕はドロシーを振り払って慌てて馬車で帰ったことがあるんだ。
学園に上がってから、あまりにもドロシーの僕へのボディータッチが多くなり、邸へ呼ばれて行ったが直ぐに帰ろうと思い、馬車を待機させていた。あれは危なかった。」
「僕とアイリスは留学に同行する側近達を選ぶこともできる。
そして側近の中に君達を、僕らと一緒に留学して欲しいと考えた。
僕ら王族は、必ず5年以上留学することになっている。
私はいずれ王として、アイリスも王妹として、これからも国の為に生きることになるだろう。その時にノマイロンは僕にとって優秀な側近になると言える。だから屑なような婚約者に潰されたくはないんだ。
アイリスは、ルース侯爵家の次男、ナミルと婚姻することが決まっている。
ナミルが学園を卒業したら、その後アイリスに同行する。私の場合は、ジズル国の第一王女と婚姻の予定だが、婚約者がまだ12歳と若いから婚姻は先だ。留学は長い期間になるだろう。
そして君だが……君の場合は、アイリスの留学が終わる時、一緒に国へ戻ってもらう。
もし、留学先で伴侶を得たならば、君次第の動きで構わない。
メアリ嬢、どうだろうか?」
「私は……いつか他国へ行ってみたいと思っていました。ですが私は養女ですし、叔父様に私が留学することで迷惑をかけるわけには」
「わかっているよ。君にはアイリスの側使えとしての仕事もしてもらいたいんだ。仕事もしてもらえれば、留学中の経費はアイリスの資産から出す。ノマイロンは僕の側近だから、留学中は王家から経費は出される。だから心配しないで欲しい。」
「それは……助かりますが、返事は叔父様と相談した後でも良いですか?」
「それについては今日、私の側近が君の叔父上に会いに行き、事情を説明した。先ほど帰ってきて了承されたと聞いたよ」
「早っ!」
「ふっ、なに?君って……そんな風な言葉が返ってくると思わなかったよ」あははっ
「すみません、ビックリして心の声が」
「いや、それともう1つ。
君に飛び級試験を受けてもらいたい。
飛び級試験で学園の卒業資格を取って欲しいんだ。もちろん、私達も受ける」
「飛び級?難しい試験だと聞いたことがあります。受かるか自信が」
「いや、君は学年で5位以内に入っているだろ?メアリ嬢なら大丈夫だろう。
そっか、この部屋には学年5位以内が揃っているんだな。是非全員で受かろうではないか!」
コンコンッ
「入れ!」
「お話し中、すみません」
「宰相、どうした?」
「マシシル伯爵当主が来られております」
「えっ、父上が?」
「通せ」
「殿下、突然申し訳ありません」
「いや、ちょうど良い。伯爵に紹介しよう。今回一緒に留学することになる、メアリ、サナーシュ嬢だ」
「はじめまして、メアリと申します」
「サナーシュ?サナーシュ伯爵家の?では貴女は…モリス様の?」
「母をご存知なのですか?」
「母?モリス様の娘さんですか?
……もちろん、よく存じています。私もうちの妻も、学友でしたから。それに卒業後は王宮で同じように勤め始めましたからね。
お母様は官女の仕事を誇りをもってやっておられた。回廊を颯爽と歩いている姿は聡明で美しかった。今でも目に焼きついておりますよ。
そうですか、彼とやはり婚姻されていたのですね。」
「……いえ、母は1人でした。父を……ご存知なのですね」
「メアリ嬢は、モリス様と顔立ちがよく似ていらっしゃる。髪の色と目元、目の色が……同じようですね」
「父を?」
「えぇ、1年でしたが学友でしたし、ここに(王宮)に勤めておりますからね。2人でいらっしゃった姿を王宮で見ましたよ。」
「なんだ?伯爵はやけに詳しいようだな」
「いえ、知っているのはここまでです。モリス嬢は早くに官女を辞めてしまわれたので、お子様がいらっしゃたとは知りませんでした。
あんなに幸せそうな2人の姿を見ていたので……その後、何かあったのかもしれませんね……。
(ニコッ)メアリ嬢、時間があったら妻にも会ってやってください。モリス嬢を、とても慕っておりましたからね」
「はい、ありがとうございます」
「伯爵は宰相から聞いたと思うが、ノマイロンを留学させて良いな?こう言ってはなんだが、私達は優秀でね。必ず飛び級試験に合格するだろう。
他国へ行っても、この国のためになるよう、ますます研鑽するつもりだよ」
「はい、ノマイロンが良ければ是非、お連れいただきたい。それで、ノマイロンの婚約の件ですが」
「あぁ、父上と話したんだが、留学期間が定まらない、向こうの学園を卒業したら、薬学の大学へも勉強に行こうと考えている。だから、一旦ノマイロンの婚約を解消してもらえるよう、王命を出してもらえないかと話した。ちよっと話しに無理があるが令嬢を待たせて嫁入り遅らせてはいけないからな。もちろん、留学中に何かあったらいけないので、婚姻だけでもしたいと言われても、出来ないと伝える。ノマイロン、それで良いな」
「ありがたき幸せ」
「ふっ、伯爵もそれで良いな」
「はい、ありがとうございます」
「学園では今まで通り過ごし、留学することを知られることなく飛び級試験を受け、合格後、直に留学となるので、そのつもりで用意するように」
「「はい」」
「メアリ嬢、ハリオットラ国への留学の詳細は追って伝える」
「ハリオットラ?……」
「すまない、先に国の名前を言わなかったな。ハリオットラも我が国とは友好国だから、高位貴族はお互い受け入れて研鑽しているのだよ。我らはハリオットラに留学を打診し、受けてもらった」
「いえ、驚いただけですので。
では、失礼致します」
バタンッ
「……メアリ嬢は何か思うところがあるのか?」
「殿下、メアリ嬢の父上は、ハリオットラ国の公爵子息です。」
「伯爵、そうなのか?」
「はい。何故離れてしまったのか、わかりかねますが。」
「うむ。行くのが嫌にならなければ良いのだが」
「「「……………」」」
「メアリ嬢、待ってくれ!」
「はい?」
「君に謝らなければいけないと思っていた。。あの入学前、君を見ていなかったら、ドロシーが近づくこともなかったのに。すまない」
「いえ、欺けられていたのなら、やり返す気持ちで絶対試験に受かろうと思います。それに、夢でもあった留学ですから、行けたら楽しもうと思います。」
「あぁ、僕も君と受かるよう頑張るよ。一緒にハリオットラ国へ行こう」と、ノマイロン様に笑顔を向けられ、私はドキッとしてしまった。
ハリオットラ国へ行ったとしても、
近寄らなければ良いのだし。
きっと、大丈夫よ。
メアリはそう考えていた。
留学が発表される前日のうちに、私とノマイロン様は馬車で邸から出発し、夜は近くの宿で泊まり、朝方に迎えに来た殿下達と合流した。
…………………………
回想
遡ること、王宮に向かった先で
…………………………………
今日は、ドロシーの真の姿を見せることと、貴女に提案があるのだけど。
そう言われ、私は王女殿下の馬車へ乗せられた。
王女殿下と同じ馬車に乗るのは許されることではないのだが、王宮へ着くまでも話がしたいと言われ、特別に配慮された。
そして今私は、王宮の王太子の執務室に通され、私の前にはカルロ殿下、アイリス王女殿下、そしてノマイロン様がいる
「やぁメアリ嬢、こんな遠いところまで来てもらって悪かったね
内密の話なので、聞かれたら危ないからね。
それにしても、学園でも見ていたが、目の前でこんなに近くで美しいメアリ嬢を見れる日が来るなんて、ノマイロンに感謝だな!」
「「「……………」」」
「あ~、いや、アイリス睨むな!
わかった。怒るなよ」
「お兄様、話を始めてください」
「わかった。今日君に来てもらったのは私達の提案を引き受けてもらいたいからだ。
アイリスから聞いただろうが、ドロシー嬢からノマイロンと君を離したいと思っているんだ。
特にノマイロンはもう限界にきててね。
これ以上は耐えられそうもないと、私もノマイロンの両親も見ている。わかるかい?嫌いな令嬢から身体を擦りつけられるのは!
この頃は邸へ呼んでは自室へ引き入れようとされるそうで、身の危険があるそうだ。」
「えっ?まさか?だって、いくらドロシーでも、そんなことは……」
そう答えた私にノマイロン様が話しだした。
「いや、本当のことなんだ。
君はこの国の薬草の中に身体を高揚させる成分になるヒマライ草が生育しているのは知ってるかい?」
「ええ。知っています」
「それをどうもお茶に入れて僕に飲ませられたらしく、少し経ったら思考がおかしくなって身体が高揚してきて、僕はドロシーを振り払って慌てて馬車で帰ったことがあるんだ。
学園に上がってから、あまりにもドロシーの僕へのボディータッチが多くなり、邸へ呼ばれて行ったが直ぐに帰ろうと思い、馬車を待機させていた。あれは危なかった。」
「僕とアイリスは留学に同行する側近達を選ぶこともできる。
そして側近の中に君達を、僕らと一緒に留学して欲しいと考えた。
僕ら王族は、必ず5年以上留学することになっている。
私はいずれ王として、アイリスも王妹として、これからも国の為に生きることになるだろう。その時にノマイロンは僕にとって優秀な側近になると言える。だから屑なような婚約者に潰されたくはないんだ。
アイリスは、ルース侯爵家の次男、ナミルと婚姻することが決まっている。
ナミルが学園を卒業したら、その後アイリスに同行する。私の場合は、ジズル国の第一王女と婚姻の予定だが、婚約者がまだ12歳と若いから婚姻は先だ。留学は長い期間になるだろう。
そして君だが……君の場合は、アイリスの留学が終わる時、一緒に国へ戻ってもらう。
もし、留学先で伴侶を得たならば、君次第の動きで構わない。
メアリ嬢、どうだろうか?」
「私は……いつか他国へ行ってみたいと思っていました。ですが私は養女ですし、叔父様に私が留学することで迷惑をかけるわけには」
「わかっているよ。君にはアイリスの側使えとしての仕事もしてもらいたいんだ。仕事もしてもらえれば、留学中の経費はアイリスの資産から出す。ノマイロンは僕の側近だから、留学中は王家から経費は出される。だから心配しないで欲しい。」
「それは……助かりますが、返事は叔父様と相談した後でも良いですか?」
「それについては今日、私の側近が君の叔父上に会いに行き、事情を説明した。先ほど帰ってきて了承されたと聞いたよ」
「早っ!」
「ふっ、なに?君って……そんな風な言葉が返ってくると思わなかったよ」あははっ
「すみません、ビックリして心の声が」
「いや、それともう1つ。
君に飛び級試験を受けてもらいたい。
飛び級試験で学園の卒業資格を取って欲しいんだ。もちろん、私達も受ける」
「飛び級?難しい試験だと聞いたことがあります。受かるか自信が」
「いや、君は学年で5位以内に入っているだろ?メアリ嬢なら大丈夫だろう。
そっか、この部屋には学年5位以内が揃っているんだな。是非全員で受かろうではないか!」
コンコンッ
「入れ!」
「お話し中、すみません」
「宰相、どうした?」
「マシシル伯爵当主が来られております」
「えっ、父上が?」
「通せ」
「殿下、突然申し訳ありません」
「いや、ちょうど良い。伯爵に紹介しよう。今回一緒に留学することになる、メアリ、サナーシュ嬢だ」
「はじめまして、メアリと申します」
「サナーシュ?サナーシュ伯爵家の?では貴女は…モリス様の?」
「母をご存知なのですか?」
「母?モリス様の娘さんですか?
……もちろん、よく存じています。私もうちの妻も、学友でしたから。それに卒業後は王宮で同じように勤め始めましたからね。
お母様は官女の仕事を誇りをもってやっておられた。回廊を颯爽と歩いている姿は聡明で美しかった。今でも目に焼きついておりますよ。
そうですか、彼とやはり婚姻されていたのですね。」
「……いえ、母は1人でした。父を……ご存知なのですね」
「メアリ嬢は、モリス様と顔立ちがよく似ていらっしゃる。髪の色と目元、目の色が……同じようですね」
「父を?」
「えぇ、1年でしたが学友でしたし、ここに(王宮)に勤めておりますからね。2人でいらっしゃった姿を王宮で見ましたよ。」
「なんだ?伯爵はやけに詳しいようだな」
「いえ、知っているのはここまでです。モリス嬢は早くに官女を辞めてしまわれたので、お子様がいらっしゃたとは知りませんでした。
あんなに幸せそうな2人の姿を見ていたので……その後、何かあったのかもしれませんね……。
(ニコッ)メアリ嬢、時間があったら妻にも会ってやってください。モリス嬢を、とても慕っておりましたからね」
「はい、ありがとうございます」
「伯爵は宰相から聞いたと思うが、ノマイロンを留学させて良いな?こう言ってはなんだが、私達は優秀でね。必ず飛び級試験に合格するだろう。
他国へ行っても、この国のためになるよう、ますます研鑽するつもりだよ」
「はい、ノマイロンが良ければ是非、お連れいただきたい。それで、ノマイロンの婚約の件ですが」
「あぁ、父上と話したんだが、留学期間が定まらない、向こうの学園を卒業したら、薬学の大学へも勉強に行こうと考えている。だから、一旦ノマイロンの婚約を解消してもらえるよう、王命を出してもらえないかと話した。ちよっと話しに無理があるが令嬢を待たせて嫁入り遅らせてはいけないからな。もちろん、留学中に何かあったらいけないので、婚姻だけでもしたいと言われても、出来ないと伝える。ノマイロン、それで良いな」
「ありがたき幸せ」
「ふっ、伯爵もそれで良いな」
「はい、ありがとうございます」
「学園では今まで通り過ごし、留学することを知られることなく飛び級試験を受け、合格後、直に留学となるので、そのつもりで用意するように」
「「はい」」
「メアリ嬢、ハリオットラ国への留学の詳細は追って伝える」
「ハリオットラ?……」
「すまない、先に国の名前を言わなかったな。ハリオットラも我が国とは友好国だから、高位貴族はお互い受け入れて研鑽しているのだよ。我らはハリオットラに留学を打診し、受けてもらった」
「いえ、驚いただけですので。
では、失礼致します」
バタンッ
「……メアリ嬢は何か思うところがあるのか?」
「殿下、メアリ嬢の父上は、ハリオットラ国の公爵子息です。」
「伯爵、そうなのか?」
「はい。何故離れてしまったのか、わかりかねますが。」
「うむ。行くのが嫌にならなければ良いのだが」
「「「……………」」」
「メアリ嬢、待ってくれ!」
「はい?」
「君に謝らなければいけないと思っていた。。あの入学前、君を見ていなかったら、ドロシーが近づくこともなかったのに。すまない」
「いえ、欺けられていたのなら、やり返す気持ちで絶対試験に受かろうと思います。それに、夢でもあった留学ですから、行けたら楽しもうと思います。」
「あぁ、僕も君と受かるよう頑張るよ。一緒にハリオットラ国へ行こう」と、ノマイロン様に笑顔を向けられ、私はドキッとしてしまった。
ハリオットラ国へ行ったとしても、
近寄らなければ良いのだし。
きっと、大丈夫よ。
メアリはそう考えていた。
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