１度だけでも会えたなら、私達には天使がいるのだと言いたい

ハリオットラ国2

薬学の授業で先生が助手を連れてきた。

令嬢達が「シュン様よ！久しぶりよね」
「前より男らしくなられて、尚更イケメンになられたわ」

キャアキャア
　
「大学の薬学部から派遣されて小さな島、ビズロク島行ってたのよ」

「よくご存知ねぇ」

「ええ、お父様が大学の執務勤務だから。なんでも帰ってくる時にひと悶着あったらしいわよ。向こうの王女がシュン様に懸想してしまって、王女の婿に入って欲しいと、なかなか帰してくれなかったらしいの。でもシュン様は公爵家の養子に入った訳でしょ。無理だとやっと諦めてくれて帰って来れたらしいわ」



ヒソヒソと、凄い話しになってるんですけど……

シュン様？ふ～ん、あの人かぁ

そんな風に思っていたら目があった
なんか、ビックリされてる。
？？わからないけど、目を反らしておこう

薬学の授業で今日も終わり

今日はカルロ殿下が婚約者とお茶会の日だから、私達も別のサロンで茶会の予定
４人で新聞紙行進を始めた時、「あの」と声がした
見れば注目のシュン様
「あの、君は？」と、私の顔を見ている。
「先生、はじめまして。私はレントランド国から来ましたメアリ、サナーシュと申します。以後、お見知りおきを」

「そうですか。すみません王族の方々がいらっしゃるのに私から声をかけてしまい、申し訳ありませんでした。　僕はシュン、エトリガットと申します。」

「丁寧にありがとう。
私達は急いでいるので失礼するよ」
と、カルロ殿下

「はい」そう言いながら、歩いて行く私達をジッと見ていた。








馬車の中で

「メアリ、どうしたの？顔色が悪いわ。あの助手の先生に話しかけられたから？メアリ、貴女好かれたのかしらね？」

「いえ、そうじゃないと思うわ。
目があったの……私の顔を見て驚いたの」

「そうだったの？」

「ええ。アイリス様、私……国へ帰りたくなるかもしれないわ」

「えっ、何故？」

「あまり言いたくなくて黙っていたのだけど…私の父が、この国の人なの。あの人の名前が父の名字と一緒だった気がするの……だから」

「メアリ、私達が守るから！絶対守るからね」

「ありがとうございます」


今日はつくづくハリオットラ国へ来たのが、やはりまずかったなと、後悔した日だった。