1度だけでも会えたなら、私達には天使がいるのだと言いたい

瑠渡

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ハリオットラ国 1

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私達がハリオットラ国へ来て半年

ハリオットラの王都にあるナナシュ貴族学園に特別入学(留学生)として
2年に編入した時は、凄い騒がれようだった

そりゃ、カルロ殿下、アイリス王女、ノマイロン様の容姿を思えば騒がれることは一目瞭然。
歩けばキャアキャア、教室へ入れば視線が痛い。
ランチルームへ行けば、周りに囲まれてる?くらいの人だかり。

あまりの騒がれように、3人から離脱しようかとも思うくらいだった。

「もう、皆さんから離れて図書館で自習でもしようかしら……」

「なに言ってるの?そんなことしたら揉みくちゃにされるわよ!ここの子息達に」

「そうだぞ!自分ばかり違うと思ってるな!一番はメアリ、お前だからな!」

「殿下、メアリ嬢はわかってないのですよ」

「ちゃんと伝えておく!メアリ、お前は美女だぞ!!」

「はっ?」


「陶磁器のような白い肌。漆黒の艶々な髪、目は二重の大きな愛らしい目。瞳は濃青色で吸い込まれそうだ。全体に整いすぎた顔立ち………お前、誰のせいでこんなに騒がれていると思っているんだ?メアリとお前……ノマイロンのせいだろうが!!」


「え~っと、見解の相違ですね。
カルロ殿下とアイリス王女殿下のキラキラ具合い、半端ないですけどね」

「ふんっ、俺達王族と一緒にいるから、影がいるんだ!アイリスの後ろで大人しくしているんだ!」

「殿下、言葉が過ぎますよ」

「ノマイロン、僕は頭が痛いよ。
優秀な成績ばかりではダメなんだ。この天然をどうにかしないと、我が 護衛に迷惑をかけてしまう。」

「お兄様、大丈夫よ。私が離さないから」

「頼むよ」

「わかりました。府に落ちませんが、1人にはなりません」



そんな会話をしたのが入学直ぐ。
それからは、四方八方塞がれて、4人で広げた新聞紙の上を歩くように固まって歩いている。

留学した方が自由が無くなったな


だが、授業は楽しい
もしかしたら、この国の方が進んでいるのかもしれない
毎日しっかり学び、王宮に帰ればアイリス様の侍女として、お世話している。
日々、発見で楽しい毎日だ。



毎日、チラッと考えることがある。
この国の何処かに父がいるのだなと言うこと。
きっと家族幸せに暮らしてるだろうから、会いに行こうとは思わない。
父へと繋がる要素がないのが何となくわかる。
だから、留学も問題なく済みそうだ。

3年になる頃、アイリス様の婚約者
ルース侯爵家、ナミル様が学園を卒業して留学してきた。
カルロ殿下の側近として着くようだ。
1日の終わりは、アイリス様とナミル様のふれあいタイムなので、私は前より自由時間が増えた。 

「恋かぁ、私はできるかしら?」
………ノマイロン様なんて、令嬢達にキャアキャア言われて、ランチには殿下から離れて令嬢とこの頃一緒に食べてるしっ!
(確かノマイロン様は側近として来てるんだったわよねぇ?)そう頭で考えながらノマイロンの方を、スープカップを口に付けながら凝視……。(あいつめ……ドロシーから離れたら良い気になって。私だってノマイロン様の事、気になってたのにな)
そう考えながらもジーッとノマイロンを見ていたせいか、ノマイロンが急にこちらを見た。
(!!!)ヤバイ。慌てて前を向けばカルロ殿下が私を見ていた。
「我慢して早く食べろ!ノマイロンは気にするな。恋はしても良いぞ」と、カルロ殿下に言われてしまった。

ゲッ、聞かれてた

ノマイロン様の事は別に…何とも思ってませんよ



今日の日記には、今日の1日と、ノマイロン様の側近としての役目を果たさず令嬢とランチ。
アイリス様のナミル様とのイチャイチャを、しっかり書いたメアリだった。



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