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リュド婚姻12年後 2
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3日邸を留守にし帰れば
「リュドお帰り」
「ただいま戻りました。アリサは?」
「リュド実は、お前が視察にでた後、少しアリサさんと言い合いになった」
「どう言うことですか?」
「リュドも領地へ行って3日帰らないから、実家へでも遊びに行ったら?と伝えたのがいけなかったらしくてな」
「お二人とも、私なんていない方が良いんですよね?嘘つきの私なんて!そう言い出して」
「嘘つき?」
「あ~、いや………」
「父上、母上、僕の記憶ですが、全部戻りました」
「えっ?それは真か?」
「はい。それで当時アリサとは恋仲ではなく、視察に一緒に同行していただけでした。だが、ずっと付き添ってくれて僕が惚れたのは事実ですし、このままアリサと一緒に生きていきます。」
「そうだな。母さん、手紙を持ってきてくれ」
「これは当時リュドに届いたモリスさんと言う人からの手紙よ。やっと貴方に渡せるわ。記憶を無くし、アリサさんに懸想した貴方には渡せないと思ったの。この手紙の彼女を傷つけることになるし。アリサさんと婚姻したいと言ったから、お父様が彼女にお返事を書いたわ。リュドの事は忘れてくださいと」そう言って母は泣き出した。
「彼女は……モリス、サナーシュ。僕が留学した時、隣の席の子でした。一目惚れでしたが、話しかけられなくて、留学が終わる時に我が邸のヒマワリの種をそっと渡しました。淡い初恋でした。
学園へ行く最後の日、僕の机の中にヒマワリ絵と自分で咲かせた種と、このカフスボタンが入っていました。」
「それ、事故の時にリュドが握りしめていたやつか?」
「そうです。直ぐ連絡するからと、迎えに来るからと言ったのに、僕は彼女を裏切った」
「仕方なかったのよ。記憶を無くしてたし、アリサさんに恋仲でしたと言われてしまえば」
ガタッ
「アリサ!」
「今帰ったの。……ごめんなさい私。私が嘘をついたから。
リュドが好きだったの!諦められなくて!だから記憶がないのを利用したのよ!」
「アリサ、もういいよ。僕が君に感謝している。あの時看病してもらって、君の明るさに救われたんだ」
「ごめんなさい、リュド。
私と、私と離縁ください。」
「えっ?」
「私、貴方に嘘ついて彼女から奪った。
そして貴方から愛されて幸せだった。だから、この公爵家の跡取りを産むんだって、そしてリュドと本当の夫婦、家族になるんだって。それが私の中にあった。
まさか貴方が後遺症があるなんて、思わなかった」
「それではアリサさんは、わかっていたらリュドと婚姻しなかったの?」
「わかりません。その時はリュドを私に振り向かせられた幸せで、それでも良いと思ったかもしれません。でも、治るかも知れないと私が思っても、リュドは婚姻してから一度も……このままじゃあ私。
だから、せめてマイクさんから子種を貰おうと思ったの
そしたら、私達の子供として公爵家を継がせたいと。だって、リュドは縁戚の子供を養子にするって私に言うんだもの。私が嫁に来たのに……私には、関係ない子を愛せる自信なんて無いわ。
だからマイクさんに頼んだの。でも、断られて………」
「アリサの気持ちはわかった。
君は実家に帰っていてくれるか?
僕の気持ちが決まったら連絡するよ」
「わかったわ。我が儘言ってごめんなさい。愛してたわリュド」
「ふっ、もう過去なんだね。君の気持ちは良くわかったよ」
「………それじゃ、決まったら教えて」
バタンッ
「「……………」」
「リュド?」
「ふっ、嘘から始まったのは、長続きしないな。」
「父上、すみません。アリサとは離縁になると思います」
「わかった」
「後継には、ずっと考えていたのですがシュンが良いのではないかと。母方の祖母と一緒にいますが、話しに行って来ようと思っています」
「そうだな。シュンは元気なんだろうか」
「複雑な環境ですが、学業に励んでいるそうです」
「そうか、反対はしないよ」
「私もよ。シュンに会いたいわ」
「シュンが受け入れてくれれば、こちらへ連れてきます」
「リュドお帰り」
「ただいま戻りました。アリサは?」
「リュド実は、お前が視察にでた後、少しアリサさんと言い合いになった」
「どう言うことですか?」
「リュドも領地へ行って3日帰らないから、実家へでも遊びに行ったら?と伝えたのがいけなかったらしくてな」
「お二人とも、私なんていない方が良いんですよね?嘘つきの私なんて!そう言い出して」
「嘘つき?」
「あ~、いや………」
「父上、母上、僕の記憶ですが、全部戻りました」
「えっ?それは真か?」
「はい。それで当時アリサとは恋仲ではなく、視察に一緒に同行していただけでした。だが、ずっと付き添ってくれて僕が惚れたのは事実ですし、このままアリサと一緒に生きていきます。」
「そうだな。母さん、手紙を持ってきてくれ」
「これは当時リュドに届いたモリスさんと言う人からの手紙よ。やっと貴方に渡せるわ。記憶を無くし、アリサさんに懸想した貴方には渡せないと思ったの。この手紙の彼女を傷つけることになるし。アリサさんと婚姻したいと言ったから、お父様が彼女にお返事を書いたわ。リュドの事は忘れてくださいと」そう言って母は泣き出した。
「彼女は……モリス、サナーシュ。僕が留学した時、隣の席の子でした。一目惚れでしたが、話しかけられなくて、留学が終わる時に我が邸のヒマワリの種をそっと渡しました。淡い初恋でした。
学園へ行く最後の日、僕の机の中にヒマワリ絵と自分で咲かせた種と、このカフスボタンが入っていました。」
「それ、事故の時にリュドが握りしめていたやつか?」
「そうです。直ぐ連絡するからと、迎えに来るからと言ったのに、僕は彼女を裏切った」
「仕方なかったのよ。記憶を無くしてたし、アリサさんに恋仲でしたと言われてしまえば」
ガタッ
「アリサ!」
「今帰ったの。……ごめんなさい私。私が嘘をついたから。
リュドが好きだったの!諦められなくて!だから記憶がないのを利用したのよ!」
「アリサ、もういいよ。僕が君に感謝している。あの時看病してもらって、君の明るさに救われたんだ」
「ごめんなさい、リュド。
私と、私と離縁ください。」
「えっ?」
「私、貴方に嘘ついて彼女から奪った。
そして貴方から愛されて幸せだった。だから、この公爵家の跡取りを産むんだって、そしてリュドと本当の夫婦、家族になるんだって。それが私の中にあった。
まさか貴方が後遺症があるなんて、思わなかった」
「それではアリサさんは、わかっていたらリュドと婚姻しなかったの?」
「わかりません。その時はリュドを私に振り向かせられた幸せで、それでも良いと思ったかもしれません。でも、治るかも知れないと私が思っても、リュドは婚姻してから一度も……このままじゃあ私。
だから、せめてマイクさんから子種を貰おうと思ったの
そしたら、私達の子供として公爵家を継がせたいと。だって、リュドは縁戚の子供を養子にするって私に言うんだもの。私が嫁に来たのに……私には、関係ない子を愛せる自信なんて無いわ。
だからマイクさんに頼んだの。でも、断られて………」
「アリサの気持ちはわかった。
君は実家に帰っていてくれるか?
僕の気持ちが決まったら連絡するよ」
「わかったわ。我が儘言ってごめんなさい。愛してたわリュド」
「ふっ、もう過去なんだね。君の気持ちは良くわかったよ」
「………それじゃ、決まったら教えて」
バタンッ
「「……………」」
「リュド?」
「ふっ、嘘から始まったのは、長続きしないな。」
「父上、すみません。アリサとは離縁になると思います」
「わかった」
「後継には、ずっと考えていたのですがシュンが良いのではないかと。母方の祖母と一緒にいますが、話しに行って来ようと思っています」
「そうだな。シュンは元気なんだろうか」
「複雑な環境ですが、学業に励んでいるそうです」
「そうか、反対はしないよ」
「私もよ。シュンに会いたいわ」
「シュンが受け入れてくれれば、こちらへ連れてきます」
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