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五つ目の願い
小指
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「おい、起きろ」
男の一人に揺り起こされた。気絶していた間にダーツボードは外されていた。鼻血は止まり耳の血も固まっていたが太もものダーツは刺さったままだった。
「さて、このノートについて説明してもらおうか」
3番目の男がノートを見ながら聞いて来た。
「しょれはようしぇいからもらったノートで、願いを叶えてくれるんでしゅ」
「は、願いが叶うノート・・・、こいつ頭行っちゃってるな」
別の男が呆れたように言ったが、3番目の男は気にせず更に聞いて来た。
「お前、4つの願いを書いてるだろ。初めの3つは叶ったのか」
3番目の男はノートが気になっているようで、助かるチャンスだと思い何度も強く頷いた。
「1つ目の安田ってのはどうなった」
「事故で頭を打ち入院してましゅ」
「2つ目の女とはやったのか」
答える代わりに大きく頷いた。
「3つ目の金はどうした」
3つ目の願いで手に入れた金は10万円であり、どう答えていいか分からず黙り込んでしまった。
「どうした。幾ら手に入ったんだ」
3番目の男が重ねて聞いた。
「いや、あの、昨日のしゃいふの10万円・・・」
嘘を付いてもすぐにばれそうなので正直に答えることにした。
「ふーん、10万円か・・・、そうか、そうか」
思ったより金額が少なくしばらく考えている様子だったが、何かを思い付いたらしく一人で納得しているようだった。
「それで、4つ目で警察から逃げたっていうことか」
「おい、まさかこいつの話を信じてるのか、願いが叶うノートなんて・・・」
それまで黙ってやりとりを聞いていた男達が3番目の男に聞いた。
「さあ、どうかな。ただこのノートに書かれたことは、こいつの言ってることが本当なら全部現実になってる。ということはこのノートは本物かもしれないってことだ。そしてこのノートが本物ならあの数字が分かるかもしれない」
3番目の男は楽しそうにノートを掲げた。
「お前、こういうオカルトチックなの好きだよな。でも、本当に全部叶ってるのか」
「ああ、少なくとも3つは叶ってるな」
3番目の男は自信ありげに断言した。
「何で分かるんだ」
男達が不思議そうに聞いた。
「こいつ、強姦致傷、覚醒剤取締法違反とかで指名手配されてる。どうせ2つ目で女を犯して警察に捕まりそうになったんで4つ目で逃げたんだろ。3つ目は俺の金を取ったんだし」
「しゅっ、しゅめいてはい」
いきなり指名手配と言われ驚いた。
「ああ、ちょっとお前のことを仲間に調べてもらったら、そういうことらしいぜ」
そう言いながら仲間からのメールを見せた。
「しょんな・・・」
警察から逃げた時点で分かってはいたが、いざ指名手配になるとこれからどうなるのか不安になった。
「おい、このノートは俺達のために使え。そうすれば命だけは助けてやる」
3番目の男が言った。
「なあ、でもノートは手に入ったんだからこいつは要らないだろ。殺させろよ」
不満そうに男達が言った。
その言葉を聞いて絶望的な気持ちになった。何とかノートと引き換えに命だけは助けてもらえるよう男達に頼もうと考えたが、声を出す前に3番目の男が言った。
「それがだめなんだ。ノートの最初にノートの権利は譲れないと書いてある」
どうやら4つ目の願いが叶ったあと、新しい条件が出て来たようだ。これで命だけは助かったと安心した。
「えー、でももう殺すつもりでいたのに。昨日も俺、殺せなかったんだぜ。何か納得出来ないな・・・、なあ、やっぱり殺していいだろ。俺の番なんだからさ」
男がしつこく言ってきた。
「殺すのはだめだ。・・・こうしよう。小指にしよう。お前、前から昔っぽい落とし前の付け方に興味あっただろ」
3番目の男が頷きながら笑顔で言った。
「えー、でも・・・。・・・あっ、いいこと思い付いた。いいぜ、そうしよう」
こちらに聞くこともなく男達が勝手に決めてしまった。
「嫌だ、嫌だ、嫌だ」
テーブルの下に逃げようとしたが、もう一人の男がいつの間にか隣にしゃがみ肩を押さえて来た。
「お前さ、命は助けるけど落とし前は付けろよな。男だろ」
そう言いながら近づく男の手には、いつの間にかヤクザ映画に出てくるようなドスが握られていた。
男の一人に揺り起こされた。気絶していた間にダーツボードは外されていた。鼻血は止まり耳の血も固まっていたが太もものダーツは刺さったままだった。
「さて、このノートについて説明してもらおうか」
3番目の男がノートを見ながら聞いて来た。
「しょれはようしぇいからもらったノートで、願いを叶えてくれるんでしゅ」
「は、願いが叶うノート・・・、こいつ頭行っちゃってるな」
別の男が呆れたように言ったが、3番目の男は気にせず更に聞いて来た。
「お前、4つの願いを書いてるだろ。初めの3つは叶ったのか」
3番目の男はノートが気になっているようで、助かるチャンスだと思い何度も強く頷いた。
「1つ目の安田ってのはどうなった」
「事故で頭を打ち入院してましゅ」
「2つ目の女とはやったのか」
答える代わりに大きく頷いた。
「3つ目の金はどうした」
3つ目の願いで手に入れた金は10万円であり、どう答えていいか分からず黙り込んでしまった。
「どうした。幾ら手に入ったんだ」
3番目の男が重ねて聞いた。
「いや、あの、昨日のしゃいふの10万円・・・」
嘘を付いてもすぐにばれそうなので正直に答えることにした。
「ふーん、10万円か・・・、そうか、そうか」
思ったより金額が少なくしばらく考えている様子だったが、何かを思い付いたらしく一人で納得しているようだった。
「それで、4つ目で警察から逃げたっていうことか」
「おい、まさかこいつの話を信じてるのか、願いが叶うノートなんて・・・」
それまで黙ってやりとりを聞いていた男達が3番目の男に聞いた。
「さあ、どうかな。ただこのノートに書かれたことは、こいつの言ってることが本当なら全部現実になってる。ということはこのノートは本物かもしれないってことだ。そしてこのノートが本物ならあの数字が分かるかもしれない」
3番目の男は楽しそうにノートを掲げた。
「お前、こういうオカルトチックなの好きだよな。でも、本当に全部叶ってるのか」
「ああ、少なくとも3つは叶ってるな」
3番目の男は自信ありげに断言した。
「何で分かるんだ」
男達が不思議そうに聞いた。
「こいつ、強姦致傷、覚醒剤取締法違反とかで指名手配されてる。どうせ2つ目で女を犯して警察に捕まりそうになったんで4つ目で逃げたんだろ。3つ目は俺の金を取ったんだし」
「しゅっ、しゅめいてはい」
いきなり指名手配と言われ驚いた。
「ああ、ちょっとお前のことを仲間に調べてもらったら、そういうことらしいぜ」
そう言いながら仲間からのメールを見せた。
「しょんな・・・」
警察から逃げた時点で分かってはいたが、いざ指名手配になるとこれからどうなるのか不安になった。
「おい、このノートは俺達のために使え。そうすれば命だけは助けてやる」
3番目の男が言った。
「なあ、でもノートは手に入ったんだからこいつは要らないだろ。殺させろよ」
不満そうに男達が言った。
その言葉を聞いて絶望的な気持ちになった。何とかノートと引き換えに命だけは助けてもらえるよう男達に頼もうと考えたが、声を出す前に3番目の男が言った。
「それがだめなんだ。ノートの最初にノートの権利は譲れないと書いてある」
どうやら4つ目の願いが叶ったあと、新しい条件が出て来たようだ。これで命だけは助かったと安心した。
「えー、でももう殺すつもりでいたのに。昨日も俺、殺せなかったんだぜ。何か納得出来ないな・・・、なあ、やっぱり殺していいだろ。俺の番なんだからさ」
男がしつこく言ってきた。
「殺すのはだめだ。・・・こうしよう。小指にしよう。お前、前から昔っぽい落とし前の付け方に興味あっただろ」
3番目の男が頷きながら笑顔で言った。
「えー、でも・・・。・・・あっ、いいこと思い付いた。いいぜ、そうしよう」
こちらに聞くこともなく男達が勝手に決めてしまった。
「嫌だ、嫌だ、嫌だ」
テーブルの下に逃げようとしたが、もう一人の男がいつの間にか隣にしゃがみ肩を押さえて来た。
「お前さ、命は助けるけど落とし前は付けろよな。男だろ」
そう言いながら近づく男の手には、いつの間にかヤクザ映画に出てくるようなドスが握られていた。
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