僕は超絶可愛いオメガだから

ぴの

文字の大きさ
33 / 37
1年 秋〜冬

僕は悩みます

しおりを挟む
 新学期になり、この学園では異例の転校生がクラスにやってきた。
「城之内 すばるです。事情があって、二学期から登校することになりました。仲良くしてくれたら、嬉しいです。」
 彼はオメガらしい美しい顔立ちをしているのに背は170センチのリョウくんと同じぐらいありそうだった。
 その背の高さが彼の美しさを際立たせている。それに上流階級の住人であることが分かる気品を漂わせていた。

 ま、まさかナオくんの言ってた親戚の方!!
 ナオくんは、僕との交際が城之内家の親戚に知られてしまったため、何かしら分家も含めた親戚が動き出すだろうと言っていた。
 だから、『何か気になることがあればどんな些細なことでも連絡してくれ』と言われている。

 動き早すぎ!!もしかして、その美貌でナオくんを僕から奪う気なの!?
「って思ってるでしょ?」
と、放課後、昴くんに一人でいる所を狙われて話しかけられ、色々探られた挙句、そう言われてしまう。
「う、うん…。」
「大丈夫だよ。だってあのオメガ嫌いの直哉様が認めたオメガだよ。僕が勝てる訳ないよ。」
「じゃあ、何のためにこの学園に来たの?」
「うーん、せめて愛人か妾にしてもらえないかなあって思って。」
「はあ??何言ってるの?そんなものナオくんが作るわけないでしょ!」
 僕はあまりにも突拍子もないことを聞いて、大きな声を出してしまう。
「そうかなぁ?天下の城之内家本家の跡取りだよ。愛人やら妾やらたくさん作ってもみーんな養えちゃうし、そもそも上級アルファの底なしの性欲を一人で受け止めるなんてできないと思うけど…。」
「なんか、話通じなさそう…。ナオくんのこと好きじゃないなら、そっとしておいてよ。」
「えーそんな訳いかないよー。高いお金払ってここにねじ込んでもらったんだから、直哉様の愛人は無理なら、せめて性欲処理相手ぐらいにならなきゃ。」
「な、なななな何言ってんの!?」
「それぐらいしか、オメガの僕なんて家に貢献できないし。」
「あのねー昴くん!!もう少し自分を大切にしなよ。どんなオメガも、相手がどんなにすごいアルファだろうが、性欲処理の道具になんかなる必要ないし、なっちゃダメなんだよ。」
もう!昴くんのおうちは、オメガに対してどんな扱いしてるんだよー。

「えーならオメガは何するのさー。君は可愛いけど、アルファに媚びる以外なにかできるの?」
うっ…それ言われると、今の僕には何もない。けど、
「何かできることがないか、ここでそれを一生懸命探すんだよ。僕は探している最中だけど、もう目標を見つけているオメガの友達もいるから参考にするといいよ。」
「うーん。」
 昴くんは、宇宙語を聞いたような顔になる。全く何も通じてないよね。
「なんか僕、昴くんが心配になるよ。ここは優秀で真面目なアルファが多いけど、あわよくばオメガを抱きたいって思っている奴の餌食になりそうだよ。」
「それは別にいいけど。発情期以外なら妊娠しないし、強力なネックガードもしてるから強制番契約もないし。」
「もう!なんでそーなの!?もっと昴くんだけを大事にしてくれる優しい人に出会うべきだよ。そのためには、そんな風に自分を粗末に扱っちゃダメ!」
「僕のことなのに、何で君がキーキー怒ってるのさー。だいたい、直哉様の話をしてたのに何で僕の貞操観念の話になるの?」
「まあ、そうなんだけど…。なんかえっと、ほんと心配で…。ここはさ、オメガが集まってるし、色んなオメガの友達作れば、少し考え変わるかもしれないよ。まずは愛人とか性欲処理とかは置いておいて、友達作って、オメガに対する皆んなの考えとか聞いた方がいいんじゃないかな?」
 とにかく僕から見たらかなーり偏っている価値観を少しは何とかしてあげたくなる。

「え?じゃあ、君が友達になってよ。僕かっこいい人より可愛い人が本当は好みなんだよねー。君みたいなすっごい可愛いオメガなら抱いてみてもいいなあ。」
「も、もう何言ってるの!?友達になりたいなら、そういう発言なしね!」
「仕方ないなあ。君とは友達になってみたいし、そのうち友達以上も希望だから、しばらくは大人しくする。」
 なんか変な風に着地してしまった気がする。
 僕は、混乱してリョウくんの部屋に駆け込むことにした。


「そいつすごいなあ。間近にそんな考えの奴がいるとは…。」
 昴くんとの会話をリョウくんに説明した。
「でしょ、もうびっくりだよ。」
「で、何でハルが狙われるようなそんな複雑なことになってるんだよ。」
「僕もわからない…。はじめはナオくん奪いに来た刺客だって思ってたのに、なんで…。」
「まあ、ハル可愛いからなあ。そんなハルに本気で心配されたら、なびくよな。」
「そんな簡単にはいかないでしょ。わざわざ転校してまで来てるんだから、その発言もカモフラージュかもしれない。とにかく僕は昴くんとは友達関係を築きつつ、ナオくんが奪われないようにしなきゃ。」
「大丈夫なんじゃね?ただ単に直哉のライバルが増えた気がするんだけど。」
「リョウくん、甘いよ。昴くん見たでしょ?どう思った?」
「んまあ、綺麗な奴って思ったよ。」
「でしょ、でしょ!その上、スタイル良いし、もしかするかもしれないじゃん!」
「けどさー、直哉って外見だけじゃ落とせないだろ。聞いてる限り、そいつってすごい愚かな感じするし、やっぱり大丈夫な気がする。」
「愚かって…。」
「そんなに気になるなら、直哉に電話すれば?」
「えっ、でも何て言えば、いいんだろう…。」
「普通に、『ナオくんを狙ってる綺麗な子がいるんだけど、ナオくんは僕だけのものだよね?』とか『僕のこと世界一好きだよね?』って聞けばいいんじゃね?」
 ってリョウくんは言いながら、にやにやしてる。
「もう!なにそれ!笑いながら言ってるとか完全に僕で遊んでるっ!ほんとに不安に思ってるのにぃ!部屋に帰る!」
「ぷはっ、はははっ!ごめん、ごめん。全く不安に思う所ないのに、悩ましい顔するからさー。」
 この真剣な思いは今のリョウくんには通じないらしい…。
「もう、今日のリョウくんだけには、付き合えない。おやすみなさい。」
「はいよ、おやすみ。ハルちゃーん、明日の朝には機嫌直してねー。」
 リョウくんは、ヒラヒラ手を振って怒り気味の僕を見送った。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

結婚初夜に相手が舌打ちして寝室出て行こうとした

BL
十数年間続いた王国と帝国の戦争の終結と和平の形として、元敵国の皇帝と結婚することになったカイル。 実家にはもう帰ってくるなと言われるし、結婚相手は心底嫌そうに舌打ちしてくるし、マジ最悪ってところから始まる話。 オメガバースでオメガの立場が低い世界 こんなあらすじとタイトルですが、主人公が可哀そうって感じは全然ないです 強くたくましくメンタルがオリハルコンな主人公です 主人公は耐える我慢する許す許容するということがあんまり出来ない人間です 倫理観もちょっと薄いです というか、他人の事を自分と同じ人間だと思ってない部分があります ※この主人公は受けです

僕はただの平民なのに、やたら敵視されています

カシナシ
BL
僕はド田舎出身の定食屋の息子。貴族の学園に特待生枠で通っている。ちょっと光属性の魔法が使えるだけの平凡で善良な平民だ。 平民の肩身は狭いけれど、だんだん周りにも馴染んできた所。 真面目に勉強をしているだけなのに、何故か公爵令嬢に目をつけられてしまったようでーー?

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。

寂しいを分け与えた

こじらせた処女
BL
 いつものように家に帰ったら、母さんが居なかった。最初は何か厄介ごとに巻き込まれたのかと思ったが、部屋が荒れた形跡もないからそうではないらしい。米も、味噌も、指輪も着物も全部が綺麗になくなっていて、代わりに手紙が置いてあった。  昔の恋人が帰ってきた、だからその人の故郷に行く、と。いくらガキの俺でも分かる。俺は捨てられたってことだ。

隣国のΩに婚約破棄をされたので、お望み通り侵略して差し上げよう。

下井理佐
BL
救いなし。序盤で受けが死にます。 文章がおかしな所があったので修正しました。 大国の第一王子・αのジスランは、小国の王子・Ωのルシエルと幼い頃から許嫁の関係だった。 ただの政略結婚の相手であるとルシエルに興味を持たないジスランであったが、婚約発表の社交界前夜、ルシエルから婚約破棄をするから受け入れてほしいと言われる。 理由を聞くジスランであったが、ルシエルはただ、 「必ず僕の国を滅ぼして」 それだけ言い、去っていった。 社交界当日、ルシエルは約束通り婚約破棄を皆の前で宣言する。

愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない

了承
BL
卒業パーティー。 皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。 青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。 皇子が目を向けた、その瞬間——。 「この瞬間だと思った。」 すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。   IFストーリーあり 誤字あれば報告お願いします!

処理中です...