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ファブルス公爵
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朝になり、ミュルゲール男爵はフォンダート辺境伯領を出発することになった。
「フィリシア。何かあれば、いつでも手紙で報せなさい」
「ありがとうございます。ミュルゲール男爵様も、王都までお気を付けて」
ミュルゲール男爵は笑顔で頷いた。
「……ファブルス公爵も、お前の事を心配していた。元気にしているとお伝えするつもりだ」
「はい」
ミュルゲール男爵は、後ろ髪を引かれているのか、なかなか私の前から動かなかった。
「いつか、私を許せる日が来たら、伯父と呼んでくれないか?」
私はミュルゲール男爵に抱き付いた。
「伯父様は、私のたった1人の肉親です。私を大切に育ててくれてありがとうございました」
ミュルゲール男爵も、私をギュッと抱きしめ返した。
「ありがとう、フィリシア!ありがとう」
涙声のミュルゲール男爵に、私も心が揺さぶられる。
笑顔でミュルゲール男爵を見送る事ができて、良かったと私は素直に思った。
「そうか、ミュルゲール男爵が、フィリシアの伯父だったのか」
私とクロードから話を聞いてジョージは驚いた。
「私も、まさか自分の両親を知ることになるとは思っていませんでした」
「しかも、フィリシア自身がファブルス公爵とも、少なからず縁があったとは驚きだよ。僕との出会いも運命だったのかと思っちゃうよ」
ジョージはファブルス公爵の異母弟だものね。
確かにこの辺境伯領で出会うなんて、偶然とは言え出来すぎだわ。
「いくらなんでも運命は言い過ぎだろ」
ジョージの言い方が気に食わなかったのか、クロードが苦笑いしながらツッコミを入れた。
でも、ファブルス公爵とはどんな人なんだろう。
フィリシアが、幼い頃からミュルゲール男爵から聞かされた話によると、ミュルゲール男爵を鍛えてくれて、出世させてくれた恩人と言う認識だったけど、フィリシアの両親を、結ばせてくれた恩人でもあるのよね。
フィリシアの両親は悲しい結果にはなってしまったけど、愛し合う相手と結婚できて、フィリシアが産まれて、ジュリアとマークスはきっと幸せだったんだから、駆け落ちした事は間違いではなかったのよね、きっと。
「ジョージ様は、ファブルス公爵様との関係は良好なんですよね?」
「んー。あの人は、誰にでも優しい人だからね。他の兄たちと違って公妾腹の庶子だった事もあって、僕に対しても特に優しかったし」
「そうなんですね」
「そして、兄弟の中で僕と同じく独身なんだ。今まで一度も結婚をした事がない」
「珍しいですね。公爵と言う地位のある方が、ずっと独身というのも」
跡取りとか考えてないのかしら。
「もう38歳なのだけど、女性から、もちろん人気があるほど美しい人でもあるんだけどね」
へぇ。
ジョージも美形だから、その点は似てるのかしら。
「女性が苦手と言うのは聞いた事がないが、理想が高いのかもしれないね」
まあ、元々王族なわけだし、政治的な事とかで嫁選びには慎重だったのかしら。
「フィリシア。何かあれば、いつでも手紙で報せなさい」
「ありがとうございます。ミュルゲール男爵様も、王都までお気を付けて」
ミュルゲール男爵は笑顔で頷いた。
「……ファブルス公爵も、お前の事を心配していた。元気にしているとお伝えするつもりだ」
「はい」
ミュルゲール男爵は、後ろ髪を引かれているのか、なかなか私の前から動かなかった。
「いつか、私を許せる日が来たら、伯父と呼んでくれないか?」
私はミュルゲール男爵に抱き付いた。
「伯父様は、私のたった1人の肉親です。私を大切に育ててくれてありがとうございました」
ミュルゲール男爵も、私をギュッと抱きしめ返した。
「ありがとう、フィリシア!ありがとう」
涙声のミュルゲール男爵に、私も心が揺さぶられる。
笑顔でミュルゲール男爵を見送る事ができて、良かったと私は素直に思った。
「そうか、ミュルゲール男爵が、フィリシアの伯父だったのか」
私とクロードから話を聞いてジョージは驚いた。
「私も、まさか自分の両親を知ることになるとは思っていませんでした」
「しかも、フィリシア自身がファブルス公爵とも、少なからず縁があったとは驚きだよ。僕との出会いも運命だったのかと思っちゃうよ」
ジョージはファブルス公爵の異母弟だものね。
確かにこの辺境伯領で出会うなんて、偶然とは言え出来すぎだわ。
「いくらなんでも運命は言い過ぎだろ」
ジョージの言い方が気に食わなかったのか、クロードが苦笑いしながらツッコミを入れた。
でも、ファブルス公爵とはどんな人なんだろう。
フィリシアが、幼い頃からミュルゲール男爵から聞かされた話によると、ミュルゲール男爵を鍛えてくれて、出世させてくれた恩人と言う認識だったけど、フィリシアの両親を、結ばせてくれた恩人でもあるのよね。
フィリシアの両親は悲しい結果にはなってしまったけど、愛し合う相手と結婚できて、フィリシアが産まれて、ジュリアとマークスはきっと幸せだったんだから、駆け落ちした事は間違いではなかったのよね、きっと。
「ジョージ様は、ファブルス公爵様との関係は良好なんですよね?」
「んー。あの人は、誰にでも優しい人だからね。他の兄たちと違って公妾腹の庶子だった事もあって、僕に対しても特に優しかったし」
「そうなんですね」
「そして、兄弟の中で僕と同じく独身なんだ。今まで一度も結婚をした事がない」
「珍しいですね。公爵と言う地位のある方が、ずっと独身というのも」
跡取りとか考えてないのかしら。
「もう38歳なのだけど、女性から、もちろん人気があるほど美しい人でもあるんだけどね」
へぇ。
ジョージも美形だから、その点は似てるのかしら。
「女性が苦手と言うのは聞いた事がないが、理想が高いのかもしれないね」
まあ、元々王族なわけだし、政治的な事とかで嫁選びには慎重だったのかしら。
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感想ありがとうございます!
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