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第二九幕。
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昨晩の騒動について、あれ以上は不問とした私だったが、示しが付かないと納得してくれなかったので、一晩、簀巻きにして吊り下げて置いた。
勿論、粗相をした眼帯の女性襲撃者も、そのままの状態で。
自ら罰を進言するなんてドMだとか、粗相をそのままに放置する私をドSとか何とかは、蔑んだ目で見る紅の呟きだった。
そして翌朝を迎え、早速、村長宅に訪ねる私と紅、そして襲撃者の五人組。
朝早くから女性三人と男性二人のダークエルフを、何の連絡も無しにいきなり伴ってお邪魔したので、流石に面食らっていた村長だった――。
「村長、朝早くに済まない。私は野暮用で紅と出掛けなくてはならなくなった。先日の子供達の件もある。念の為に私の方で護衛を雇っておいた。ダークエルフとはいえ、信用のおける良い者達だと私が保証する」
事情を考慮し伏せるべき点を除き、掻い摘んで要件のみを伝える事にした私。
「――何と⁉︎ その様なご配慮迄……有難う御座います」
いたく感激する村長に、事の発端である五人組は居た堪れないご様子。
「勇者様のご紹介とあれば、仰る通りの方々なのでしょう。種族差別の偏見と先入観は捨て、誠心誠意で懇意にさせて頂きます。――どうか村を御守り下さい」
村長は私にそう告げると、襲撃者の五人に向き直り、一人一人に深々と頭を下げていく。
村長から詳しく事情を聴いた所、やはりこの世界においてもダークエルフと言う種族は、忌み嫌われる存在だと言う事を肯定された。
男女共に美形ではあるものの、人里で見掛ける機会が極稀と少ない事と、浅黒い褐色肌に人と異なる独特の目の所為で、偶々、出逢った者が魔の者を連想して畏怖の念を抱き、意図せず恐怖の対象とされてしまうのが主たる理由だと語った。
当人達曰く、実際、魔物を使役する事が多い為、誤解が誤解を生み、現在の状況に至った模様だと悲しげに話してくれた。
『えっト、そノ……妾達の方こソ、ご厄介になル……なりまス。よ、宜しくお願いすル……しまス』
村長に向き直り、代表で眼帯の女性が辿々しくも礼を述べた。
何せ、騒動の原因は自分達にあるのだから、何とも複雑な表情だった。
そんな感じで簡単に挨拶を済ませ、村長宅を後にする。
帰る道すがら、少しばかりの世間話を皆としてみた私――。
ちゃんと向き合って言葉を交わしてみれば、魔の者に精通していると言うだけで、皆、中々に表裏の無い素直な者達だった。何て事は無い普通に亜人。
物言いが少々荒いのと、抑揚と発音が独特ではあるものの、ただの偏見と先入観から忌み嫌われていると私自身も納得出来た。
この世界の事情を知らない私としては、偏見も先入観も持ち得ていないので、素な人柄には好感が持てたのは言うなでも無い。
「――それはそうと、昨晩、君達を雇うと言っておきながら、具体的な内容や報酬等について決めていなかった……済まない」
歩きながら五人組に向き直り、心よりの謝罪を交えて伝える私。
結局は力推しで従わせた様なものだ。
それでは奴隷と同じ――愚王の遣っている事とさして変わらない。
彼女等の人権を尊重する意味でも、正しく契約としておきたかった私は、商人邸に出向く前に皆を連れ立って、宿屋に戻る事にした。
「店主、朝早くから済まない。打ち合わせを兼ねた朝食を摂ろうと思うので食堂を借りたい。ついでに七人分の朝食を提供してもらえないか? 後は……昨晩は私の友人達と旧交を温めて、些か騒がしくして申し訳無かった。修繕費と迷惑料込みで弁済しておくよ」
受付カウンターに座っていた宿店主にそう告げて、天井と壁の修繕費として白金貨二枚、早朝から無理を言った迷惑料込みで、金貨を人数分を手渡した。
「旦那……毎度毎度こんなに戴いて宜しいので? 白金貨二枚は流石に多過ぎやしません? 修繕で済まず新築出来やすぜ? ――後ろの客人は訳有りですかい?」
私と白金貨を見て、訝しげに後ろの五人を値踏みする宿店主。
実は、鍛治師に剣の代金を支払う際、金貨を山積みにして凄く怒られてしまった。
お金は大事だぞとか、大金持ち歩いてるんじゃ無いぞ、とか何とか。
その時に偶々入っていた白金貨が、金貨一〇〇枚分に相当する事を、ついでに教えてもらっていた。
この世界の通貨の価値を、金貨で一万円、銀貨は千円、銅貨になると百円程度相当と、既に見当をつけて考えていた。
異世界なので当然物価も違うが、鍛治師から聴いた限り、概ね、それで合っていた。
「良いんだ、店主。腹が減っては何とやら、豪勢な朝食を期待しておくって事にしておいて欲しいかな? ――後はこの五人にも上等な部屋を用意して貰いたい。私の大切な友人だ。滞在中に何かあれば、全て私に請求してくれて構わない。――何か問題あるかな?」
宿店主はドワーフ族。
エルフ族とは確執がある上、しかも今回は忌み嫌われているらしいダークエルフ族。
訝しげに見るも仕方の無い事。
念の為、大切な友人だと含めておくが――、
「そ、そんな滅相も無いっす! ……ま、詮索は辞めておきやす。旦那がご友人と仰るのであれば、丁重にお持てなしさせて頂きますって!」
思う所があるのか、目を閉じて思案した後、大きく頷く宿店主。
次に目を開けると、いつもの態度で引き受けてくれた。
人柄の良い宿店主のお陰で、私の心配も杞憂に終わった。
「済まない、そう言ってくれると助かるよ」
宿店主に深々と頭を下げる私。
後ろの五人も其々に宿店主に頭を下げた。
――――――――――
気になる続きはCMの後!
チャンネルは、そのまま!(笑)
勿論、粗相をした眼帯の女性襲撃者も、そのままの状態で。
自ら罰を進言するなんてドMだとか、粗相をそのままに放置する私をドSとか何とかは、蔑んだ目で見る紅の呟きだった。
そして翌朝を迎え、早速、村長宅に訪ねる私と紅、そして襲撃者の五人組。
朝早くから女性三人と男性二人のダークエルフを、何の連絡も無しにいきなり伴ってお邪魔したので、流石に面食らっていた村長だった――。
「村長、朝早くに済まない。私は野暮用で紅と出掛けなくてはならなくなった。先日の子供達の件もある。念の為に私の方で護衛を雇っておいた。ダークエルフとはいえ、信用のおける良い者達だと私が保証する」
事情を考慮し伏せるべき点を除き、掻い摘んで要件のみを伝える事にした私。
「――何と⁉︎ その様なご配慮迄……有難う御座います」
いたく感激する村長に、事の発端である五人組は居た堪れないご様子。
「勇者様のご紹介とあれば、仰る通りの方々なのでしょう。種族差別の偏見と先入観は捨て、誠心誠意で懇意にさせて頂きます。――どうか村を御守り下さい」
村長は私にそう告げると、襲撃者の五人に向き直り、一人一人に深々と頭を下げていく。
村長から詳しく事情を聴いた所、やはりこの世界においてもダークエルフと言う種族は、忌み嫌われる存在だと言う事を肯定された。
男女共に美形ではあるものの、人里で見掛ける機会が極稀と少ない事と、浅黒い褐色肌に人と異なる独特の目の所為で、偶々、出逢った者が魔の者を連想して畏怖の念を抱き、意図せず恐怖の対象とされてしまうのが主たる理由だと語った。
当人達曰く、実際、魔物を使役する事が多い為、誤解が誤解を生み、現在の状況に至った模様だと悲しげに話してくれた。
『えっト、そノ……妾達の方こソ、ご厄介になル……なりまス。よ、宜しくお願いすル……しまス』
村長に向き直り、代表で眼帯の女性が辿々しくも礼を述べた。
何せ、騒動の原因は自分達にあるのだから、何とも複雑な表情だった。
そんな感じで簡単に挨拶を済ませ、村長宅を後にする。
帰る道すがら、少しばかりの世間話を皆としてみた私――。
ちゃんと向き合って言葉を交わしてみれば、魔の者に精通していると言うだけで、皆、中々に表裏の無い素直な者達だった。何て事は無い普通に亜人。
物言いが少々荒いのと、抑揚と発音が独特ではあるものの、ただの偏見と先入観から忌み嫌われていると私自身も納得出来た。
この世界の事情を知らない私としては、偏見も先入観も持ち得ていないので、素な人柄には好感が持てたのは言うなでも無い。
「――それはそうと、昨晩、君達を雇うと言っておきながら、具体的な内容や報酬等について決めていなかった……済まない」
歩きながら五人組に向き直り、心よりの謝罪を交えて伝える私。
結局は力推しで従わせた様なものだ。
それでは奴隷と同じ――愚王の遣っている事とさして変わらない。
彼女等の人権を尊重する意味でも、正しく契約としておきたかった私は、商人邸に出向く前に皆を連れ立って、宿屋に戻る事にした。
「店主、朝早くから済まない。打ち合わせを兼ねた朝食を摂ろうと思うので食堂を借りたい。ついでに七人分の朝食を提供してもらえないか? 後は……昨晩は私の友人達と旧交を温めて、些か騒がしくして申し訳無かった。修繕費と迷惑料込みで弁済しておくよ」
受付カウンターに座っていた宿店主にそう告げて、天井と壁の修繕費として白金貨二枚、早朝から無理を言った迷惑料込みで、金貨を人数分を手渡した。
「旦那……毎度毎度こんなに戴いて宜しいので? 白金貨二枚は流石に多過ぎやしません? 修繕で済まず新築出来やすぜ? ――後ろの客人は訳有りですかい?」
私と白金貨を見て、訝しげに後ろの五人を値踏みする宿店主。
実は、鍛治師に剣の代金を支払う際、金貨を山積みにして凄く怒られてしまった。
お金は大事だぞとか、大金持ち歩いてるんじゃ無いぞ、とか何とか。
その時に偶々入っていた白金貨が、金貨一〇〇枚分に相当する事を、ついでに教えてもらっていた。
この世界の通貨の価値を、金貨で一万円、銀貨は千円、銅貨になると百円程度相当と、既に見当をつけて考えていた。
異世界なので当然物価も違うが、鍛治師から聴いた限り、概ね、それで合っていた。
「良いんだ、店主。腹が減っては何とやら、豪勢な朝食を期待しておくって事にしておいて欲しいかな? ――後はこの五人にも上等な部屋を用意して貰いたい。私の大切な友人だ。滞在中に何かあれば、全て私に請求してくれて構わない。――何か問題あるかな?」
宿店主はドワーフ族。
エルフ族とは確執がある上、しかも今回は忌み嫌われているらしいダークエルフ族。
訝しげに見るも仕方の無い事。
念の為、大切な友人だと含めておくが――、
「そ、そんな滅相も無いっす! ……ま、詮索は辞めておきやす。旦那がご友人と仰るのであれば、丁重にお持てなしさせて頂きますって!」
思う所があるのか、目を閉じて思案した後、大きく頷く宿店主。
次に目を開けると、いつもの態度で引き受けてくれた。
人柄の良い宿店主のお陰で、私の心配も杞憂に終わった。
「済まない、そう言ってくれると助かるよ」
宿店主に深々と頭を下げる私。
後ろの五人も其々に宿店主に頭を下げた。
――――――――――
気になる続きはCMの後!
チャンネルは、そのまま!(笑)
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