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第三〇幕。
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店主に呼ばれた給仕の女性に連れられて、奥の食堂へと案内され、各々が席に着いていく。
「さて君等は行く先々で、散々、辛い思いをしてきた。もし良ければ、この村に永住してはどうか? 幸い、ここの村の人達は種族で差別等はし無い気の良い者達ばかりだ。君らの努力次第で新たな故郷に出来るのでは無いだろうか?」
身の上話は既に聴いていた私は、食事が運ばれてくる間に、流浪を止めて腰を据えたらどうかなと尋ねてみた。
「そのつもりがあるなら、私も微力ながら尽力しよう。仮住まいの宿屋では無く、住居も用意させて貰うつもりだ。勿論、私に雇われて、この村の護衛に着くと言った条件でだが……どうだろう?」
そして昨晩、色々と考えていた今後の事についても提案をしてみる私。
『貴――勇者……様ハ、どうして妾にそこ迄、手厚い施しをなさるのカ。昨晩、出逢ったばかりデ……あまつさエ、妾達は不敬を働いたと言うのニ……』
少し言い辛そうにするも、尤もな質問が返ってきた。
会って間もないと言うに破格の待遇だから、正直、疑っているのかも知れない。
私は本気だった。超越者が寄越した示談金はまだまだあるので、当面の資金面では心配は無いから。
「理由か……。食事前に済まないが見せておこうと思う。私が君達を信用し今後も信頼していくと言う証になるかは微妙だけど……」
そう言って席を立ち上がると、外套を脱いで椅子に掛けた私。
次に胸の鎧と鞣革で出来た胸当を外し、竜玉の収まる惨たらしい大穴を五人組に曝した。
『そ、それハ……一体⁉︎』『酷イ……』
『その状態で生きてるっテ、何の冗談ですカ⁉︎』
『まさか不浄の者⁉︎』『嫌、呪いですカ⁉︎』
目を見開き、驚愕する五人組――。
「私がこの世界に誘われた時に、実はこんな酷い有り様だったんだ――。君達の様に、どうしてこんな目に合うんだって、本気で呪ったよ。でもね……その場所で私の妻、紅に出逢えた。こんな身体の私を忌み嫌う所か、こうして共に歩んでくれている。だからかな――」
装具を元通り身に付けながら、自分の境遇を少し語る私。
「出逢った経緯よりも出逢えた事を大切にしたい。――そう考えての事だよ」
椅子に腰掛け、五人を一人一人真剣な面持ちで見ていく。
最後に紅を見て、微笑み掛けた私だった。
「――儂の主人だからの。出逢った時は拾った仔犬程度の情で、底抜けに阿呆の子だと思うておったが……今は儂の……初めての――くぅ、やっぱり口にすると恥ずかしいわ!」
顔を朱に染めて照れる紅。
『『『『『貴――勇者……様ガ、阿呆の子⁉︎』』』』』
紅の言葉の妙な所に喰いついた五人組。
「まぁ、紅の言う通りの阿呆なんだろうな私は、色々と。故に勇者と呼ばれるのには身分不相応で、様付けも少し歯痒い。――出来れば違う呼び方でお願い出来無いかな?」
内緒話でもするかの様に、食卓に身を乗り出し五人組にそんな事を小声で言う私。
『お頭はどウ――』「却下だ!」
『スケコマシ――』「却下だ!」
『アンデちゃ――』「却下だ!」
『異種フェチ――』「却下だ!」
少し緊張が解れたのか、怒涛の勢いで提案してくるも、内容が存外に酷いな……。
『わ、妾達ハ、雇われる事になル。す、少なくとも同列に呼ぶのは不敬に値すル。なのデ……主人……ハ竜巫女様の反感を買いそうだかラ――素直に旦那様と呼ぼウ』
すくっと席を立つ眼帯の女性は、胸に握り拳を当てて、敬意を払う姿勢で答えてくれた。
「――微妙……。勇者様よりは幾分マシか。それで良いかな」
『でハ、旦那様。受けた御恩はおいそれと返せるものではありませン。――妾達の盟約に従っテ、決して裏切らないと誓いまス。この身が果てる迄、お仕えさせて頂きまス』
「言っておくが、何処かの愚王みたいに奴隷とか従者として雇う気は毛頭無いから。あくまでも友人としてのお願い、だよ。いつでも破棄して良いから。――後は……もう少し軽い言葉遣い、気さくに頼みたい。紅と初めて会った時の様に、何となく肩が凝りそうで……」
眼帯の女性にそう伝えて、肩が凝る仕草で紅に視線を移した。
「あ、主人よ! す、過ぎた事を申すでは無いわ! い、今は言葉遣いも出来るだけ……や、柔らかくしておるだろうに!」
狼狽しつつ顔が真っ赤な紅がそっぽを向いた。
「見ての通り、最古の竜たる紅にしても、やっぱり阿保の子の妻だろ? こんな感じでお互いの持つ偏見や先入観、遠慮は捨て歩み寄っていこう」
『『『『『――プ。あはははハ』』』』』
さっき迄の変に遠慮した空気や殺伐とした悲壮感漂う雰囲気が吹き飛んだ。
顔から険しさが取れ、本気の大笑いな五人組に、そっぽを向いてむくれる紅。
『こんな幸せな事があるなんテ……』
「大丈夫。これからもずっと続く。それに囚われている友人にも幸せを満喫させてやろう。私が必ず取り返してみせると約束しよう」
『旦那――』
「お待たせ~、あら? なんかい良い雰囲気ね?」
そんな風に笑う皆の元へ、朝食を運んで来てくれた給仕の女性。
差別意識の全く感じられ無い素敵な笑顔で、皆に愛想を振り撒いた――。
――――――――――
気になる続きはCMの後!
チャンネルは、そのまま!(笑)
「さて君等は行く先々で、散々、辛い思いをしてきた。もし良ければ、この村に永住してはどうか? 幸い、ここの村の人達は種族で差別等はし無い気の良い者達ばかりだ。君らの努力次第で新たな故郷に出来るのでは無いだろうか?」
身の上話は既に聴いていた私は、食事が運ばれてくる間に、流浪を止めて腰を据えたらどうかなと尋ねてみた。
「そのつもりがあるなら、私も微力ながら尽力しよう。仮住まいの宿屋では無く、住居も用意させて貰うつもりだ。勿論、私に雇われて、この村の護衛に着くと言った条件でだが……どうだろう?」
そして昨晩、色々と考えていた今後の事についても提案をしてみる私。
『貴――勇者……様ハ、どうして妾にそこ迄、手厚い施しをなさるのカ。昨晩、出逢ったばかりデ……あまつさエ、妾達は不敬を働いたと言うのニ……』
少し言い辛そうにするも、尤もな質問が返ってきた。
会って間もないと言うに破格の待遇だから、正直、疑っているのかも知れない。
私は本気だった。超越者が寄越した示談金はまだまだあるので、当面の資金面では心配は無いから。
「理由か……。食事前に済まないが見せておこうと思う。私が君達を信用し今後も信頼していくと言う証になるかは微妙だけど……」
そう言って席を立ち上がると、外套を脱いで椅子に掛けた私。
次に胸の鎧と鞣革で出来た胸当を外し、竜玉の収まる惨たらしい大穴を五人組に曝した。
『そ、それハ……一体⁉︎』『酷イ……』
『その状態で生きてるっテ、何の冗談ですカ⁉︎』
『まさか不浄の者⁉︎』『嫌、呪いですカ⁉︎』
目を見開き、驚愕する五人組――。
「私がこの世界に誘われた時に、実はこんな酷い有り様だったんだ――。君達の様に、どうしてこんな目に合うんだって、本気で呪ったよ。でもね……その場所で私の妻、紅に出逢えた。こんな身体の私を忌み嫌う所か、こうして共に歩んでくれている。だからかな――」
装具を元通り身に付けながら、自分の境遇を少し語る私。
「出逢った経緯よりも出逢えた事を大切にしたい。――そう考えての事だよ」
椅子に腰掛け、五人を一人一人真剣な面持ちで見ていく。
最後に紅を見て、微笑み掛けた私だった。
「――儂の主人だからの。出逢った時は拾った仔犬程度の情で、底抜けに阿呆の子だと思うておったが……今は儂の……初めての――くぅ、やっぱり口にすると恥ずかしいわ!」
顔を朱に染めて照れる紅。
『『『『『貴――勇者……様ガ、阿呆の子⁉︎』』』』』
紅の言葉の妙な所に喰いついた五人組。
「まぁ、紅の言う通りの阿呆なんだろうな私は、色々と。故に勇者と呼ばれるのには身分不相応で、様付けも少し歯痒い。――出来れば違う呼び方でお願い出来無いかな?」
内緒話でもするかの様に、食卓に身を乗り出し五人組にそんな事を小声で言う私。
『お頭はどウ――』「却下だ!」
『スケコマシ――』「却下だ!」
『アンデちゃ――』「却下だ!」
『異種フェチ――』「却下だ!」
少し緊張が解れたのか、怒涛の勢いで提案してくるも、内容が存外に酷いな……。
『わ、妾達ハ、雇われる事になル。す、少なくとも同列に呼ぶのは不敬に値すル。なのデ……主人……ハ竜巫女様の反感を買いそうだかラ――素直に旦那様と呼ぼウ』
すくっと席を立つ眼帯の女性は、胸に握り拳を当てて、敬意を払う姿勢で答えてくれた。
「――微妙……。勇者様よりは幾分マシか。それで良いかな」
『でハ、旦那様。受けた御恩はおいそれと返せるものではありませン。――妾達の盟約に従っテ、決して裏切らないと誓いまス。この身が果てる迄、お仕えさせて頂きまス』
「言っておくが、何処かの愚王みたいに奴隷とか従者として雇う気は毛頭無いから。あくまでも友人としてのお願い、だよ。いつでも破棄して良いから。――後は……もう少し軽い言葉遣い、気さくに頼みたい。紅と初めて会った時の様に、何となく肩が凝りそうで……」
眼帯の女性にそう伝えて、肩が凝る仕草で紅に視線を移した。
「あ、主人よ! す、過ぎた事を申すでは無いわ! い、今は言葉遣いも出来るだけ……や、柔らかくしておるだろうに!」
狼狽しつつ顔が真っ赤な紅がそっぽを向いた。
「見ての通り、最古の竜たる紅にしても、やっぱり阿保の子の妻だろ? こんな感じでお互いの持つ偏見や先入観、遠慮は捨て歩み寄っていこう」
『『『『『――プ。あはははハ』』』』』
さっき迄の変に遠慮した空気や殺伐とした悲壮感漂う雰囲気が吹き飛んだ。
顔から険しさが取れ、本気の大笑いな五人組に、そっぽを向いてむくれる紅。
『こんな幸せな事があるなんテ……』
「大丈夫。これからもずっと続く。それに囚われている友人にも幸せを満喫させてやろう。私が必ず取り返してみせると約束しよう」
『旦那――』
「お待たせ~、あら? なんかい良い雰囲気ね?」
そんな風に笑う皆の元へ、朝食を運んで来てくれた給仕の女性。
差別意識の全く感じられ無い素敵な笑顔で、皆に愛想を振り撒いた――。
――――――――――
気になる続きはCMの後!
チャンネルは、そのまま!(笑)
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